石の浴室には、強化ガラスの扉がコーディネートされていることが多いです。
ユニット浴室で見られる 「細かな凹凸が施された樹脂製の窓で、樹脂か金属に塗装された枠」 ではなく、
枠が無い一枚のガラス板で、ステンレスっぽい取っ手やタオル掛けが埋め込まれているみたいに付いている、そんなドアです。
浴室と脱衣室(洗面室)の境界をガラスにすることで、照明を共有する一続きの空間のように感じさせたい。
石の浴室の色や質感をより一層際立たせるとすれば、色や材質が入り混じったユニット浴室だとガチャガチャして邪魔に見える。1つの要素だけに留めたい。
というデザイン意図かと思います。
だがしかし!ご生活されて数年を経たガラスの扉、こんなふうです。
こちらは、半透明に加工されたガラスです。
しかし、表面の質感はなめらかではなく、ざらざら・つぶつぶした白い斑点で覆われています。
もちろん、洗面脱衣室の様子は、水垢のブツブツしたノイズに隠れてよく見えません。
デザインの先生が 「うむ。完璧に美しい」 と設計されたバスルームも、毎日お風呂に入って数年経てば、質感・色のコントラストは汚れでぼやけて生活感に覆われ、本来の意図を軽々と超えてしまうのだな。
と、諸行無常、しみじみしてしまいます。
浴室レストレーション後の扉。
水垢の斑点模様がなくなり、なめらかな質感を回復。
半透明の均一な質感も、損なっておりません。削り取ったような傷や強い薬品が垂れたような跡は無いという意味です。
洗面室の床は浴室床と同じ黒色系の御影石タイルのため、鏡のように社長・中島の下半身が映り込んでいます。
作業ズボンを膝より上にまくり上げて作業するのが中島流なのであります。ビチョビチョに濡れるからね!
石の浴室は、率直に申し上げるとユニット浴室のような 「機能」 が備わっていません。
例えば保温やノンスリップのような、設備メーカーの営業さんが推してくるキャッチーな機能が無いということです。
とすれば、石の浴室における最大の機能は 「色・質感の組み合わせの妙」や「材質そのものがまとう高級感」 、つまり 「美しさ」 かと思います。
そして機能の目的は、その美しさから得られる高揚感や満足感、となるかと思います。
そのことから、石の浴室はノーメンテナンスではパフォーマンスが悪くなり、本来の素敵さをフルに活かせなくて、もったいないな、と思うのです。
画面、真ん中あたりの白いツブツブは、汚れではありません。御影石のツブツブ模様がそのまま映っているのです。
私は今まで、「それも、味ですよ。って、業者に言われて取り合ってもらえませんでした。」 と途方に暮れる方から、たっくさんご相談いただいています。
※業者とは、清掃・建築・設計・デザイン・デベロッパ・管理など、さまざまです。
味じゃねえ。それは汚れだ。と、知っていただきたいです。
そして、汚れを適切に取る方策が無い人こそ、味とか言うてみるものだ。と、知っていただきたいです。
汚れたバスルーム、不衛生だし、諸行無常や栄枯盛衰を感じて気分悪いと思います。
美しいものこそ、長くエンジョイ&コスパを上げるには、定期的なメンテナンスが必須です。
レストレーションという方法が、ウォッシュテックには、ありますよー。