ウォッシュテックの業務を月ごとにご紹介
浴室 カウンターと水栓の白くて固い汚れを除去する
ユニット浴室のクリーニング。
このところブログで「黒っぽいバスルーム」ばかり掲載していたと気付き、今回は白系で!
↓ 最近の黒っぽいバスルーム・ブログ・コレクション
・黒色の浴室カウンター
・黒ベースのユニットバスのカラン(水栓)
・濃紺、在来浴室のバスタブ
・焦げ茶色、木目調の壁パネル
お風呂場って、だいたいこんなもんかな?と、思われる方も多いのではないでしょうか。
浴室クリーニング後のカウンター、このようになりました。
クリーニングして実際に見て初めて分かる、以前の汚さ。
樹脂カウンターの艶やかにプルッとした均一な質感。水栓(蛇口・カラン)のメタル感。
クリーニング前は、目の前の物質が何であるか、どんな質感であったか、とても曖昧だった!本当は、こんな姿だったんだ!と、発見されるはずです。
全体をくるんでいた汚れの膜が除去できれば、とても清潔で気持ちよいものです。
浴室に求められる要素は、「清潔さ」と「気持ち良さ」だと思います。
今日の汚れをしっかり落として、身体を温めてリラックス。気分を切り替え、明日に備えてチャージする。それが浴室の機能です。
浴室で言えば「清潔」と「気持ちよい」、その機能を現状からベストの形に回復することが「レストレーション」という考え方です。
確かに黒・焦げ茶・濃いグレーのバスルームは、水垢がより見た目として目立つ傾向がありますが、実際に付着している汚れは同じです。内容もレベルも同等。
浴室の使い方には大差ないからです。
そのようなことで、どのお風呂場にもレストレーションは必要というのが私の持論です。
どのお風呂場にも同じ汚れが同じくらい付いている、そのことがお分かりいただけるようにトリミングした画像も掲載しておきます。
白くてパサパサしてますね!
まもなく6月、もうすぐ梅雨入り。ジメジメ蒸し暑く、不快指数アップ。
皆様の浴室が、清潔でお気持ちよくありますように。
そして、お健やかな毎日をお過ごしになれますように。
2021年5月29日
大理石タイルに赤茶色のシミ なぜ?
マンションの玄関、大理石タイルの研磨。
「白っぽい大理石に赤茶色のシミができている。全体にくすんで光沢が無い。この状態を何とか出来ますか?」とのご相談です。
色のついた液体をこぼして放っておいたわけではない。何かをずっと置いていたということもない。
なのに、ふと気づくと出来ていて、数年の間にジワッと広がってきている。
なぜ???
白系の大理石(今回の画像はドラマチックホワイトという種類です)は、イメージと違うんと思うんですが、鉄分を多く含んでいます。
鉄って、空気がある中で水分や湿気にしばらく触れていると赤茶色にサビが出てきますね。
お風呂場に置き忘れたスチール製のヘアピンが、数日ほっといたら周りが赤茶色に滲んでいて、わっヘアピンの形に跡がついちゃった...って風景、ご覧になったことありませんか。あのような感じです。
大理石に混ざり込んだ鉄分が、何かの拍子で水分に触れ、パッと赤く錆びた、そこが引き金になって連鎖的に周囲に錆が拡がった、という現象です。
大理石は、いっけんツルリと固く見えますが、実は顕微鏡で見るとフガフガのスポンジのように無数の孔が空いています。そのため、スポンジのように空気も含むし、水分や色素を吸い取っちゃうような感じで伝染しやすいです。
大理石は、天然の化石なので工業製品のように均一な組成ではありません。鉄分が濃いところ薄いところ、どこにどんなふうに混ざっているかは誰にも分かりません。
そのようなことで、赤くなった鉄(錆)がどこにあるかは分かりません。タイルの裏側?断面?ともかく表面からいくら見ても、判断できません。
したがいまして、このシミを研磨で取り除くことは不可能です。
もしかしてほじくり出してシミの原因を突き止めたとして、間を置かず再発する可能性が高いです。
・このシミは天然の大理石にしか生じない特性です。
・シミをなくしたいことが一番の目的である場合は、研磨によるメンテナンスはミスマッチです。
・もし高額な費用を投じてタイルを張り替えられたとしても、同じ位置にある以上、再び同様のシミができる可能性は高いです。
・しかしメンテナンスされると、全体としての質感は回復できます。
と、ご案内、「シミはナシにできないのですね...でも、全体的に生活感たっぷりの汚れがイヤなんです。メンテナンス、トライしたいです!」のご了承をいただき、いざ大理石の研磨レストレーション。
ハイ!光沢なめらか!大理石本来の質感に回復できました。
ハンドポリッシャーの形状がクッキリ鮮明に映り込んでいます。
指で触ると、象牙や角の調度品に似た、どこか温かみがあるツルツル感です。表面に汚れが無い、もちろんマニキュアやワックスを塗った感じも無い、ニュートラルな状態です。とても清潔!
そして、ドラマチックホワイトさんのお顔にできたシミは、このようになりました。
よーく見ると、薄くあります。
薄くなったのは、「たまたま」錆びて色づいた部分が表面に近くて、研磨でちょっと取れたってことかと思います。
家庭用電源を使用する現場施工の石材研磨では、官製はがき1/3程度の厚みしか削り取ることはできません。
それ以下までやっちゃうと目地との兼ね合いや平らさがおかしくなっちゃう。あくまで歩行傷や表面に付着した汚れを除去することが目的で、必要十分という考えです。
・白っぽい大理石は、黄色~オレンジ~赤~赤茶色といったシミが発生しやすい。
・赤茶色の染みは水分(湿気)が多い箇所で生じる。
・住宅において北の方角は、湿気を帯びやすい。
・日本の住宅は、だいたい北に玄関がある。
・日本のマンションで大理石が使われるのは、主に玄関である。
・白っぽい大理石タイルの玄関には、赤茶色のシミが「何もしないのに」できることがある。
このブログをお読みになった方は、いわゆる設計・建築・住宅・デザインの専門家よりも深い知識を得たということになります。
玄関の大理石にシミできる問題に言及する住まいの先生は2021年現在おりません。さまざまな石のコンディションを拝見してきたウォッシュテックならでは、ここだけの情報かと思います。
玄関が大理石のマンションは無数にありますが、理由や対処法は探せども見当たりません。お困りの方は、どうされているのでしょう。スッキリしないことですね。
もし、「この玄関、シミがね...でも、私、変なことしてないのよ!」と、お友達に言われたら、ドヤ顔で「シミができた理由」を語ってあげて頂きたいです。
ついでに「磨いたらツルツルに戻るよ」とも教えてあげてください。
2021年5月25日
ユニットバスの扉 くもり・くすみ汚れをクリーニング
ユニット浴室のドア。
あまり汚れていないように見えますか?
今回は、早々に浴室クリーニング後の様子をご覧ください。
特に画像の上半分、白く濁ったような汚れがなくなり、本来の凹凸あるクリアな質感を回復。
浴室扉の向こう側の取っ手が見えるようになり、脱衣場の床に奥行を感じるようになりました。
毎日毎日すこーしずつ重なって、広い面積全体に張り付くような汚れなので、突如発見してギョッとする感じでは無い。それが浴室扉の汚れ方です。
開けっ放しにされているので、透かして見ない。水に濡れると汚れが消えるので、気付かない。という方も多いかと思います。
しかし、浴室扉はシャワーや飛び散りを受け止めやすい位置にあるので、ちゃんと汚れているということです。
一部トリミング画像でご覧ください。
表面の凹凸に水道水や汚れが引っ掛かって乾いて、繰り返し蓄積して、それが「白い濁り」に見えていたことが、接写だとよくお分かりになるかと思います。
白い膜のようなすっきりと汚れがなくなれば、このように清潔です。
この白いモヤモヤ汚れ、カビじゃないの?!とカビキラーをバンバン振りかけられる方がたまにおられます。
カビキラーは水垢に効果ナシ、ほぼ全く変わりません。されなくとも宜しいです。
加えて、カビキラーを頻繁に多量にお使いになると、このタイプのドア枠は塗装なので、塗装がパッサパサに脆くなったり脱落しやすくなったりといった傷みに繋がります。
カビキラーの破壊力、樹脂(塗装含む)にはキツし。ロングライフを目指されるならば控えられる方が宜しいです。
2021年5月21日
黒い御影石の白い水垢 固くて落ちない汚れを除去
他業者と比べて施工実績数の差が圧倒的、ウォッシュテックのレストレーションで最も特化しているのが、石の浴室クリーニングです。
今回は、黒い御影石の浴室です。
画像は、浴槽のフチと、浴槽の立ち上がり部分。
鍾乳洞のように白い汚れが蓄積。厚みがあり、触ると僅かに凹凸、カサカサします。爪でカリカリ擦ってみても、ピターっと膜のように張り付いて剥がれません。
お客様によりますと、ハウスクリーニング業者に何度かクリーニングしてもらったが、印象が全く変わらなかったとのことでした。
石材について・水垢についてのメカニズムを体系的に知って対処でき、常に結果を出せるハウスクリーニング業者は全体数のほぼほぼ0%です。
「分かんないけどやってみたら、けっこう上手くいった!」も無くはないと思いますが、そんな話は数に含めてはいけないです。
自分が良い結果を引き当てる根拠が無いからです。また、前回キレイになったからと再び頼んでも、理論が確立されていない以上、同レベルの結果に到達する根拠がありません。「たまたま偶然」に賭けるのは、最初からおやめになるのがよろしいでしょう。
従いまして、「数社ハウスクリーニングを頼んだけれど、汚れた印象は変わらなかった」は、当然といえます。
黒色系の御影石、それもツルッツル!に滑らかな鏡面加工となれば、白いマダラ模様はとても目立ちます。
同じ「石のバスルーム」でも、大理石は表面の汚れたり凹凸に荒れた層を研磨し、新たに繰り出す方法もありますが、御影石は大理石よりもずっと硬いので家庭用電源を使用する現場研磨は不可。方策が違ってきます。
具体的には、水垢をヤワこくして除去、取れた水垢を完全に除いて表面を整え、またヤワこくして除去、の無限ループです。(コツコツコツコツ)
洗剤をペロッと塗って、ヌルっと取れる...ほーらキレイ☆的な裏技は、一切ない。しかし動きに無駄は一切ない。というのが、レストレーションのスゴいところです。
コツコツコツコツの末。黒御影石タイルの浴室、レストレーション後の浴槽縁と立ち上がり。
社長・中島の黒い作業着ズボンもクッキリ!手相もクッキリ!映り込むようになりました。
クリーニング前に手のひらを入れて撮影しているのは、「この汚れが取れて、こういう比較画像にできるわー」と目測があってのことです。強気で繰り出すパーです。
最も水垢が厳しいのは、浴槽のフチです。水道水が長時間に亘り残り、その場で干上がり、ミネラルのみ残る。こぼれる水の量が多いので含むミネラル分も多くなり、平らなので、その一連の動きが少ないのです。
対して、立ち上がり部分は垂直なので、付き方が違ってきます。こぼれた水道水が水滴になって、下に落ちる、その途中で乾いて消える、その過程で出来る水垢なので、点々ツブツブと下に降りるごとに小さくなるのです。丸い形が規則的に重なったように見えるので、このような水垢をウロコ汚れという方もおられます。これは、見事なウロコです。
クリーニング後。
タイルの端は水垢がさらに分厚くなってます。
水道水が、こんな感じで、引っ掛かって引っ掛かって、固まる...と水垢の出来方がイメージできますでしょうか。
水垢が水道水が乾いてできることをお客様にお伝えすると、どなたも「なるほど!今後はなるべく水分を切って、換気します!ここまでにしたらキレイにするのは、こんなに大変なのだから...キレイをキープさせたい!」と心機一転なさいます。
実際に、白く汚れてガチガチではない、もともとのイメージ通りの浴室の姿が目の前に表れたからこその「心機一転」かと思います。もし汚れが残っていたら、いくらウンチク垂れたってイマイチ説得力がありません。
高級感あふれる石をふんだんに使い、オシャレなモノトーンのバスルームが、まだらにこびり付いた白い汚れでデザイン崩壊してしまうのは、本当にヤなものですよね。
解決策がない...どうしようも無い...本当はイケてるはずなのに...と思うと、ショボン。今いる浴室の中の様子みたいに、気分がモヤモヤカサカサしちゃいます。
毎晩?毎朝?見るたびそんな気持ちになるとすれば、ハイデザインの浴室としてコスパが悪いのではないでしょうか。
同じような石の浴室で水垢汚れにお困りの方がおられましたら、ウォッシュテックにご相談いただくのが最もスムーズかと思います。
2021年5月18日
ユニット浴室カウンター 硬い・白い・取れない汚れを除去する
TOTO製、ユニット浴室のクリーニング。
黒い樹脂製カウンターの表面に固くこびり付いた水垢です。
おうち時間を活用して、お風呂場の断捨離をしてみよう!と、完全に乾いた状態でカウンターの上に置いたボトルやバスグッズをどかして見てみたら、このように。
モヤモヤと白くマダラ模様、黒色のカウンターでは一層汚れが目立ちます。
お風呂掃除用の洗剤をスプレーしてスポンジで擦る → 変化なし。
重曹で掃除してみる → 変化なし。
カビキラーをスプレーしてスポンジで擦る → 変化なし。
クエン酸水をスプレーしてみる → 変化なし。
メラミンスポンジ、硬いブラシ・スポンジ、クレンザーを使ってみる? → 傷をつけちゃいそうで怖い。
ふと見ると、ダークブラウンの壁パネルも、床や扉も...同じような汚れが出来ちゃってるじゃん! → 面積が広く果てしない、途方ない気分に。
自分のお掃除を頑張ったけど、詰んだ!で、ウォッシュテックにご依頼くださいました。
レストレーション後のバスルーム・カウンター。
ツルッ!水垢のカサカサした白い薄膜を取り去りました。
カウンターの黒色、微細な凹凸模様で感じるマットな質感を回復。
壁面、パネルの横方向の濃淡が鮮明に。縦ジマになっていた水垢が、無くなりました。
本来の色合いや質感を実際に回復してみると、汚れがあることで、いかにデザインのノイズになっていたかお分かりいただけるかと思います。
また、触るとキュッ!プルッ!とならずに何かが指の皮膚に感じるようになった汚れは、顕微鏡で見ると凹凸になっています。
バクテリアや菌にとっては絶好の足場となりますし、更に水垢が引っ掛かるフックになります。つまり、汚れた状態が更なる汚れを呼び込み、加速度的に管理が大変になってゆくということです。
浴室クリーニング後の接写を最後に。
素材そのものニュートラル、「表面に何も無い」状態です。
これなら、清潔。画像右上、「カウンターには腰掛けないでね」注意喚起のシールの母&子、うっかり座っちゃうこともあるかも!
ハウスクリーニングを調べていたら、ウォッシュテックと同じようなことを言う同業他社は少なからず見つかるかと思います。
そうすると、ウォッシュテックと同じくらい出来る業者なのかな?って、たぶん迷われると思います。
しかし、このくらいの接写で撮影した画像を比べてみると、下記の状況が見られる清掃業者が多いはずです。
・表面に汚れが残っている。
・新たに作業傷が出来ている。
・色が部分的に抜けている。
・ワックスなど光沢を上げるものが上塗りされている。
何を言ったって、クリーニングは結果が全て。
テキストや語り方は簡単にコピペできます。しかし、施工例が現在その業者の現実です。
落とせない汚れを落ちましたみたいに載せてしまったら、後々困るのは自分自身。だから施工例の画像はエエカッコできません。
選ばれる方におかれましては、自分の家と同じようなところ、同じような汚れを 「どのように、どの程度」 対応できるか その具体的な実績をなるべくたくさん比較することかと思います。
確かな依頼先を確保し、目的に沿わない業者を振るい落とす。接写の画像は、その判断材料となり、お客様に役立ちます。
2021年5月14日
玄関 大理石タイル くすみ汚れと生活感を研磨で回復
玄関の床タイルを研磨。
今回のマンションの玄関タイルは、ポテチーノクラシコという名前の大理石です。
象牙のような温かみを感じるアイボリーで、細かめのクラック(ひび割れ)模様が特徴です。
「大理石の玄関って、こんなもんでしょ。相応に古いわけだし。天然石だから、それも味でしょう。」と思われる方が大半かと思います。
しかし、ご覧ください。
ひび割れに汚れが入り込んで黒く汚れています。
表面全体、歩行の衝撃で凹凸になり、カサカサとした質感です。
光度計での数値は「8」です。
光度計は、画像右のセンサーを平面に置き、ピッと光を発出、その光がどのくらいの量で跳ね返ってきているかを数値化する機械です。
つまり、石材表面が不潔であり、表面が崩れて荒れた状態であるということです。
革製品がカビていたら?絵画が排ガスで汚れていたら?いくら元々が高級品や希少品であっても、価値を失い、二束三文の扱いです。
しかし、コンディションを保つためのメンテナンスを施しておれば、ヴィンテージとして認められ、そのもの本来の価値が尊重されますよね。
大理石もその部類のものであるということを知っていただきたいです。大理石はヴィンテージ中のヴィンテージ、なにしろ化石なので!
調度品やアクセサリーであれば、丁寧に扱うことでコンディションを長く保てるかもしれません。例えば手袋を嵌めて触るとか、ケースに入れて飾るとか。
しかし、ここは玄関。家族全員、土足で踏む床です。踏むのみならず、靴を履くとき、ドアを閉めるとき 「踏みにじる」 的な激しい動きさえあります。
触らない方向は非現実的。なので、大理石の玄関に張られた大理石タイルは、価値をキープするため研磨(メンテナンス)必須だと私は考えています。
研磨によるレストレーション後、ポテチーノクラシコのタイル。
はい!これが本来のポテチーノクラシコさんです!
表面はなめらかに平滑、映り込んだ建物の像にも歪みや乱れはありません。
汚れて、表面が無作為に荒れていた事実をお分かりいただけるかと思います。
このように、大理石が研磨によって質感を回復できる技術をご存知の方は、日本人ではほんの一握りだと思います。握りどころか、一つまみくらいだと思います。なんせ、建築設計やデザインの先生もご存じない。
ですからおそらく、ウォッシュテックに石材研磨をご依頼くださる方って、ものすごくチャレンジャーだと思います。周りに「あ、あれね!私もやったことあるわ!」って人が誰もいない中、一人で挑まれるのですから。
半信半疑というところがあるためでしょうか。実際に研磨して、仕上がりを間近で肉眼でご覧になって初めて「これが石のメンテナンスというものか!」と実感される方が多いように思います。
「今までの汚い不潔な状態を 味 当たり前 なんて言ってた自分が恥ずかしいです...!」と、ワナワナされる方を、私は今までたくさん拝見しています。
さて、同じく光度計の画像を。
数値は105。
タイルには、天井に光るダウンライトが、まんまるに映り込んでいます。
上の研磨前の写真と比べてごらんいただくと、ひび割れ模様だと思われていたシマシマが、実は表面に付着した汚れであったことがお分かりになるかと思います。
また、本来のポテチーノクラシコは、のっぺりした一色ではなく、グレー寄りのベージュや黄みを帯びたアイボリーがランダムなモザイク状となって、全体に柔らかく温かな印象を醸すのだと、研磨をして初めてお分かりになることかと思います。
このように、大理石の石の種類それぞれの特徴を明確に表し、大理石本来の機能である「質感そのものがまとう高級」を回復させることがレストレーションの目的です。
なぜお金持ちの家や国家権力を象徴する建物の床に大理石が張られているのか?
入ったとたんバーンと目に入るエントランスや玄関ホールといった位置に使われるのは何故か?
その理由は、大理石のコンディションが、美意識やものの扱い方を露呈し、資産状況も見透かす指標となるからだと言われています。
私には、高品質を見極める文化的教養があり、美意識が高く汚れた感覚を嫌い、良い状態を保つためにはコストを惜しまない、その勢いと覚悟が現在ありますよ。というアピールになるという意味です。
自分の今の内面がモロバレする。沽券に関わる。マウント取られる。ゆえの、じぇったいにピッカピカにキレイにするのです。そして、テリトリーに立ち入った相手にドヤ!と見せつける。
大理石は、張られているだけじゃ高級じゃない。事実、大理石そのものはさほど高価ではありません。もの自体ではなく、常に光って清潔である「現状・状態」に価値がある。というわけです。
日本では、その 「大理石を使う意味・大理石の機能」 知られないまま、どんだけの大理石がガサガサに汚れてくすんでいるのだろうと思うと、しみじみします。
お金なんて掛けないでOKと思ってたところからメンテナンスの費用を捻出するのは大変なこと。
しかし、あまりにも長期に亘りノーメンテナンスの状態ですと、大理石が単なるカルシウム状となり脆く崩れたり白濁したり、大理石としての特性を失います。大理石であることを石みずからがヤメちゃうような感じです。
磨けども磨けどもスカスカと光沢は上がらず、レストレーションの回復度は著しく低下します。ご予算もあるかと存じますが、タイムリミットもある旨、ご参考まで!
2021年5月12日
玄関タイル 落ちない足跡汚れを研磨で回復
マンションの玄関タイル。
白地に目立つ、靴の跡。
いっけん拭けば落ちそうな汚れに見えます。しかし、掃除しても変化なし。
汚れが表面に乗っている・付いているというよりも、スタンプされたように染み込んでいるようなイメージです。
ズームで見ると、このような。表面に凹凸があるでなし、泥や砂のような別の質感になっているわけでもなし。
伺うところ、濡れた靴底で踏むと跡ができて取れないとのことでした。
土足歩行する玄関の床にしては、繊細です。
タイルの材質は、大理石でもなく、テラゾーでもなく、セラミックタイルでもない。
実際に研磨すると、ものすごーく柔らかい。組成の特定はしかねるが、人造大理石...としか言いようのないタイルです。
1800件超、ありとあらゆる石材をメンテナンスしてきた社長・中島が初見ということは、新しい・導入事例が少ない 人造大理石と思われます。
レストレーション後の玄関タイル。
足跡の黒ずみ汚れが無くなり、均一な白色に回復。清潔な印象、なめらかな光沢となりました。
足跡がバッチリ残っていたズーム部分、研磨後の状態。
玄関天井の照明が、ぽっかり丸く鮮明に映り込んでいます。
研磨した後、その空間が一段明るく感じられるようになります。光が乱反射せず、まっすぐ跳ね返るようになることが理由です。石の色が白でも黒でも同じことです。
このタイルの正確な情報は分かりません。このタイルを採用した経緯も分かりません。
ただ目の前にあるのは、足跡や黒ずみ汚れが付いちゃって拭いても拭いても取れなくて、玄関を通るたび目に入ってショボンとなっちゃう...という現実です。
このタイルが標準として玄関に貼られているマンションが少なからずあるとすれば、同じような汚れでお困りの方もまた少なからずおられることでしょう。
悩んで調べられる方もおられるかと思い、解決策・対処法の一つとしてブログの記事にしておきます。
2021年5月 7日
キッチン シンクの落ちない茶色い汚れを除去
キッチン、ステンレスシンクの汚れ。
シンクをピカピカにお掃除しようと、スポンジラックや生ゴミ受けを全て外して見てみたら・・・茶色っ?!ということ、あるかと思います。
重曹を掛けてみても、クエン酸をスプレーしてみても、クレンザーを付けてスポンジで擦ってみても、カビキラーをスプレーしても、メラミンスポンジで擦ってみても、シミが変わらないんですけど!ヌメリは確かに落ちたけど!
生活感たっぷり!不潔に見えてイヤすぎる!とお悩みの方、いらっしゃるんじゃないでしょうか。
私: この茶色い汚れは、何なんでしょう。茶渋?カビ?サビ?
社長・中島: 長い間いろいろ混じったのかな、分類的に特定はできないけど、磨いてみたら取れたよ。
茶色いマダラ汚れが除去されたステンレスシンク。
茶色いムラ汚れの膜が取れて、ステンレス本来の清潔感を回復できました。
これなら、洗ってる途中こぼれ落ちちゃったイチゴも、シャッとすすぐだけで食べられる清潔さです。
社長・中島の「磨いてみた」とは、表面の汚れを柔らかくほどいて除いたのち、工場出荷時の滑らかさを再現する形を目指して整える作業です。
ステンレスのシンクは、薄く研ぎ出す方法で、表面にある細かな傷と汚れを取り去ることができます。もちろんシンクの強度に影響を与えるような削り方ではなく、ほんの少しです。
ステンレスは、例えばユニット浴室の壁面パネルのような、やわらかな印刷面の下は別の層があって、ゴシゴシしたら色や模様が無くなって下地が見えちゃった...というような構造ではありません。
したがって、そのように対処します。
シンクのお掃除については、サンドペーパーや耐水ペーパーで擦って汚れを取るという方法が紹介されていることがあるようですが、是非ともされないで頂きたいです。
汚れごとシンクを削り落としました。でも、その時にできた凹凸が汚れの足場になり、より落ちにくい状態となります。
また、研磨する力加減や当て方が分からず、ザクザクに深い凹凸を作ってしまうこともあるかと思います。深い傷を消すことは強度を下げる恐れがあり、避けるべき。つまり、レストレーション対応不可になります。
肝心なのは、汚れを除いたのち工場出荷段階に近しい質感に整え、その後の日常管理を健全な形に回復することです。
掃除する時は、今この汚れを何とかどうしても取ってやる!と熱中しがちです。しかしそれよりも、ちょっと先、ちょっと未来の生活に焦点を当てて頂きたいんです。
茶色いシンクの汚れの変化をズームで。
接写で見ると、茶色いシミだけではなく、灰色っぽかったり、白くカサカサだったり、さまざまなマダラであったことが分かります。
この色と質感のムラが 「不潔感」 であり 「使用感」 であると思われます。
打痕(物を落としたりぶつけた跡)がありますが、水垢もシミも無くなりました。均一な質感です。
ステンレスが若返ったみたい!と、お客様。
よかったよかった。
2021年5月 2日