マンションの玄関タイルを研磨、工場出荷状態に近い光沢に回復。
今回は、白いベースに、濃淡あるグレーのマーブル模様、ドラマチックホワイトという種類の大理石です。
玄関のタイルは、マンション専有部の中で最もキビシイ思いをしている床です。
玄関は土足歩行の床です。
靴の裏にはアスファルトの油分が付着しています。スタンプのような形で、くっつきます。
そして、細かな土砂も靴底から持ち込まれます。
入室時と出室時の動きをイメージしてください。必ず1度は踏み込むでしょう。鍵を閉める時、靴に足を入れる時、足でギュッと体重を支えるでしょう。そして時にはクルっと半回転、ひねったりして。
靴の裏にくっついている砂の粒はガラスに近い硬さなので、細かくても体重が乗っかればザクーっと鋭利な衝撃になります。
対して、大理石の硬さはだいたい爪くらい。案外やわらかいんです。
玄関は住む人全員が毎日必ず歩くエリアなので、徐々に汚れ、ザクザクえぐれるのは当然です。
リビングや廊下の床も大理石タイルというマンションも少なくありませんが、抜きんでて汚れが蓄積しやすく歩行傷が深刻なのは、玄関です。
同じ画像をトリミングしてズームで。スケートリンクみたいですね!
生活により大理石に生じた細かな無数の傷、全体を覆う汚れ。
傷の凹みと汚れが照明や陽光をかく乱させ、反射があっちゃこっちゃ散ってしまうので、光沢として感じとれなくなるということです。
まず、細かな歩行傷が生じ、ギザギザにえぐれた部分を薄く研磨します。
どのくらい削るのかといえば、だいたい官製ハガキの1/3程度です。通常一般的な使い方をされている住宅の大理石タイルでは、十分な研削力です。
ここで表面に付着した汚れも一緒に取れてしまいます。
きっちり傷がなくなったら、今度は工場出荷段階の滑らかさに可能な限り近づけ整える作業です。
ウォッシュテックでは、4~6段階アタッチメントを変えながら徐々に細かく滑らかな番手に移行してゆきます。
石の種類・産出地・産出年代・コンディションにより、じぇんじぇん違ってくるので、間近で目視し触りながら、その都度調節、着実に進めることがポイントです。
「さっきの部分、歩行傷や汚れが除去されて、清潔、なめらかでしょう!」 と、言いたい気持ちが強すぎて、写真の手前がボケちゃった。
なので、あらためて立位で撮影。
バチーン!と、まっすぐ光が目に跳ね返ってきます。
白い大理石タイルが外の陽光を取り込んで、玄関全体が明るい印象になりました。
指で撫でるとすべすべと、大理石本来のニュートラルな感触です。若々しく、とても清潔。
さきほど大理石は爪くらいの硬さとお伝えしましたが、石材研磨し回復した大理石は、キレイにポリッシュした爪みたいだなーといつも思います。その激変ぶり、似ています。
大理石、きっちりメンテンナンスすると、自信がみなぎる。うっとり見つめられる。そのくらい変わる。と、もっと広く知っていただきたいなと思います。