「毎年ハウスクリーニングを頼んでいるので、ホームページの画像みたいではなく、比較的キレイだと思います。」
そのように仰ってウォッシュテックにお問い合わせくださる方、少なくありません。
実はワタシ、その一文はあまり気にしないようにしています。
表面はキレイに見えるかもだけど中身はノータッチという現場を、ものすごくたくさん見てきたことが理由です。
自分の家がどんなふうにどれくらい汚れているかは、きわめて高いレベルの個人情報だと思います。自ら明かすことではないので、たくさんのサンプルを見て比べることはできません。
現実的に自分と比べる相手は、近しい友人、親族...そのほかホテルやお店くらいかと思います。汚れの感じ取り具合はプライベートすぎるんです。
なので、お送りくださった画像や汚れの状況についてのコメントを重視して具体的な見解を出すようにしています。
それに加え、自らの汚れのありさまをご存じない方が大半です。
え?お掃除業者を入れているのに?掃除にお金を遣う意識高い系なのに?と思われますよね。
現状、一般的なハウスクリーニング業者の料金体系は「汚れを除去するために必要なコスト」を起点に考えていません。サービス業に近い価格構造です。
つまり、人件費の割合が最も高い。その次は移動費。下請・提携の立場ならば仲介料やフランチャイズ加盟料が必要で、売上の20~40%が吸い上げられてしまいます。
残るは洗剤や道具のような消耗品になりますが、「どんな汚れをどのように解決するか」の根拠がなければ、機材・材料・時間はコストカットの対象でしかありません。汚れに興味がない経営者ならば極限まで圧縮します。
どんな汚れをどのように除去するのかの見通しが立っていなければ、成果報酬型の料金設定はできません。タイムチャージで採算を取ることになります。
道具・材料・時間を圧縮するならば、当然ながら解決できる汚れの量と種類は絞られます。
顧客宅に出張し規定通りの数時間お掃除しています。サービスに対して適正な価格を提示しています。何ら問題ありません。
もし、経営者が想定している汚れを超えて対峙するとすれば、機材・材料の割合が圧倒的に少ない。作業時間も全く足らない。と、なります。
そんな中、汚れているとお客様に知られたらどうでしょう。何とかしてと言われるでしょう。困ります。
足が出る!後が押すから時間も割けない!となれば、清掃業者はそっとフタを閉じるのです。というか、そもそも開けないのです。
こちらの換気扇もそうです。
今まで何度もハウスクリーニング業者を頼んだと伺いますが、シロッコファンを外してシロッコファン本体を洗うのみに終始しています。
レンジフード(換気扇のカバー部分)やシロッコファン(ヒダヒダ付きの円柱状の換気扇。ヒダヒダを回転させて排気ダクトに送り出します)は、とってもキレイだったのですが、内部はだいぶんリアル!
1年ではここまでにならない...とすぐに悟られ、ウォッシュテックを紹介してもらえて良かった...と安堵されるお客様。
ちなみにこちらは、シロッコファンが収まるファンケースという部分です。でんでんむしのような形をした大きめのパーツです。真ん中の空洞のところにシロッコファンの中心部を重ねます。
シロッコファンに付着したミスト状の油汚れが遠心力で吹っ飛んで、ファンケースにこびり付く。コンロから上がってきた熱で金属に焼き付く。焦げた油が積もって積もってダマになる。やがて、べっとり溜まる。ということです。
ファンケースの内面の状況は手前のパーツに邪魔されて、コンロから上に覗き込んでも見えません。シロッコファンを組み入れた状態であれば、更に見えづらい。しかも薄暗い。
そのため、シロッコファン本体がキレイになっておれば「うん、OK!今年もキレイになった。さすが業者の換気扇クリーニング」と思われることでしょう。
こちらは、クリーニング後の換気扇。
画像、下部の垂れたような痕跡は、クリーニング前の画像からお分かりになるかと思います、長期間に亘る油分の付着が原因の金属腐食です。回復不能です。
家事代行を頼んでいても、ハウスクリーニングを頼んでいても、設備のロングライフは担保されないと私が常々申し上げているのは、このような事例が少なくないからです。
ん?真ん中のゴロっとした丸いの、何これ?
社長・中島 「大まかに取った油汚れを丸めて一緒に撮った。ヘラに乗せて置いて撮った。」
ひょえー アブラ玉!どおりて邪悪なルックスだ!
当ブログを読まれて、「ハウスクリーニング業者に年イチ頼んでいるから完璧キレイ」とは限らないんだなー、ウチはヤダなーと思われたとしたら。
「よくある」ハウスクリーニング業者を避けることだと思います。
よくある業者では到達しないレベルを求められているわけですから、一般的な業者はミスマッチです
まず、サイトに詳細な画像やテキストが少なく、客観的・具体的な判断材料がふんだんでない業者は避けます。
次に、信条や突出したところが見当たらずのっぺりしていて考えがよく分からん...テンプレートそのまま通り一遍で作った感じ...と思われるサイトの業者は避けます。
そうすると、大手中小問わず、候補はだいぶん絞れるかと思います。
今回のお客様のように紹介もひじょうに有効です。アンテナ立てて推しを聞きまくるのもおすすめです。