大理石研磨をご依頼で、お伺いして実際に拝見すると「これは、大理石ではなくレジンテラゾーですねぇ」ということが少なからずございます。
レジンテラゾーについてのブログが不足しているのかと思いましたので、今回はひとつ、迫ってみます。
ものすごく雑に申し上げますと、大理石の砕いたのをレジンで固めて作った人造石です。
最近「レジン」は手づくり界でメジャーなので、あーあの透明に固まるやつ~~とイメージされやすいかと思います。
昭和世代の方だったら、テラゾー、学校の廊下などで見覚えがあるかと思います。モザイク状の。もっと細かい砂みたいなツブツブ模様だったかもしれませんけども。
大理石ではないという予想外のジャッジに「...え?そうなんですか?なんですか、テラゾーって...研磨してきれいになるものですか?」と焦られる方が多いです。
大丈夫!磨けます。きれいになります。
研磨前▼
比較的柔らかいので、表面に凹凸ができやすく、パサパサと光沢が失われやすいです。
研磨後▼
モザイクの柄が鮮明になりました。天井の照明も、プルっと真ん丸に映り込んで明るい印象に。
▼研磨前のズーム
土足歩行ゾーンなので、細かな引きずり傷が多いです。
この傷は、大部分が靴の裏に付いた土砂が削った跡です。そこに汚れも入り込んで、黒い線がいっぱい。
光の反射は、ぼやっと不鮮明。形が崩れて分かりません。
▼研磨後のズーム。
全体に覆った汚れでボンヤリ濁った表面でしたが、つるーっとピーリングされてニュートラルな質感に回復。
窓から差し込む太陽光が、ドアの長方形の形にクッキリ。それだけではありません。壁面、外廊下の情景が鏡のように鮮明に映り込んでいます。
もちろん、マニキュア状の塗料や樹脂製のワックスを上塗りしたわけではありません。そして、水で濡れた状態で撮影したわけでもありません。
ドライ(乾燥した)、ニュートラル(すっぴん・石材そのまま)です。この状態が、このテラゾーさんの真価!実力なのです。
「天然石がモザイク状に含まれていることが、目ですぐ分かるようになりましたね。こんな石だったんですね。」とお客様。
仰る通り。バラエティ感たっぷり、あらためて見てみると面白いモザイク模様がテラゾーの持ち味です。くすみや細かな傷、汚れが覆ってしまえば、のっぺりと何者か分かりにくい。
もったいないです。いっぺん磨いてみて「石の破片」、じっくり眺めてみてください。
もちろん、すべすべとした指ざわりで、清潔そのものです。