横浜市港北区のマンションにて、大理石研磨。
詳しく言えば、大理石ではなくてライムストーンです。大理石よりも密度が低く、やわらかい石です。やわらかいので、ビカっビシっとした鏡面というよりも、ホワッとした光沢感が特徴です。
中古マンションを購入され、ご入居前の空室全体ハウスクリーニングに併せてのご依頼。ですので、今までどのようにメンテナンスされていたのか不明です。
いつもの手順で研磨してみると、あれ?何だか手ごたえが違います。もしや!と薄い刃物で表面を撫でてみる。すると、団子状にメロメロとめくれてくるものが...。(画像まんなかあたり下)
どんどん取ってゆこう!ブヨブヨのこれは、何??
石材用のワックスです。
ワックスは、樹脂でできています。ここ30年くらいで開発されたワックスを、何万年も変わらず埋まっていた化石に塗ると、どうなるか。答え!数年くらいでワックスが劣化して、ベタベタしながら汚れて、部分的に剥がれ落ちるのです。
それが、とても汚らしい。ムラムラになって、黒ずんで。ワックスの劣化を「石の汚れ」と思われる方も多いのです。石って汚くなるよね~と思われている方は、あんがい「上塗りした化学的な何か」が汚れの正体なのかもしれません。
水を噴霧してふやかして、用心深く除去してゆきます。石材用のワックスは、水に触れるとこんな感じになります。塗ってしばらくは樹脂っぽい光沢が出て色も鮮やかに見えますから、いい見栄えになります。しかし、石材本来の美しさとは言えません。なので、ウォッシュテックでは迷わず除去。可能な限りニュートラルな状態に回復です。
さあ!ここからあらためて研磨に入ります。
「えっ...この石、ライムストーンっていうんですか...光らないんですか...」と、お客様ションボリ。
社長、気合いで大理石に近い光沢まで持ってきました。ゴリラレベルの背筋のなせるわざ。
なめらかで温かみのある光沢感。美観のみならず、ムラムラでベタベタした樹脂っぽい膜がなくなって、手触りもとても気持ちいいのです。
素材そのものの清潔さ。これこそ「石の床」のラグジュアリー、だと思います。