2010年以降のフローリングは、「ワックス不要」(シートフローリング/プリントフローリング/オレフィン床)が主流です。
シートフローリング・プリントフローリング・オレフィン床とは、木材の繊維を樹脂と一緒に圧縮して板状になった土台に、木目模様を印刷したシート状の樹脂(とても硬い)を張り付けた床材のことです。印刷だから好みの色柄にデザインできるし、天然の板と比べて相場や納期が安定しており、狂いや歪みがない成形物なので施工も容易。それゆえとても安価。もてはやされるのも当然のことかと思います。
「ワックス不要」のフローリングは、表面はカチカチに硬いですが、断面は細かなオガクズをギュッと固めた板です。継ぎ目やシート状の表面材に微細な歩行傷から水分や洗剤が入り込むやいなや、瞬時に断面からボワッと膨れてオガクズっぽく戻っちゃう。そのリスクを踏まえ、慎重に作業を進めても防ぐことは不可能です。
したがって、シートフローリングの床は、水を使う洗浄や旧い樹脂ワックスを剥離することができません。汚れとお手入れでお困りの方が多いことも承知しておりますが、すみません、お引き受けできかねます。
そのようなことで、ウォッシュテックのフローリングページでご紹介している施工例は、2010年以前に好んで採用された複合フローリング(合板フローリング)が主になってます。ちょっと前に主流だったフローリングは、断面がウエハース状の合板で、カツラ剥き状に薄くはいだ木材を表面に貼り付けています。これなら、慎重に作業をするならば膨れや歪みは発生しません。
時代の流れ...いっときのことを思えば激減ですが、とはいえチョイチョイあります。フローリングの現場。
窓際は、日差しの影響で樹脂ワックスが黒く変質しやすいです。対して写真右側は、何か置かれていてキレイ。真ん中あたりはアクティブに活動していたゾーンなので、ワックスが傷キズで汚れで黒ずんでます。
ウォッシュテックの床仕事は、タイルでもフローリングでもだいたい同じ動作です。
四つんばいになって60センチ角ごとに区切る形で、マイクロファイバーブラシで安全性がきわめて高い洗剤を馴染ませ、さらし布とマイクロファイバーで3度すすぎ拭き。完全に乾いた状態にする。目視確認。よし、次の60センチ角。この一連の動作を淡々と繰り返し、全体をクリーニングします。
立位で機械を回したり柄付きモップで拭けば、確かに早いです。でも、いっぺんに1.5メートル角ペースで進めてしまうと、水が触れている時間が長くなり、フローリングにおいては傷むリスクも高まります。そして、立位では「どこがどのように汚れているか」見えない。見えないと対応できない。派手さが無いし機械とか使わないから「プロっぽくない」と思われるのですが、その場ですぐ目視して調整しながら洗い、着実に仕上げてゆくのが、実は最も効率的に最高の仕上がりに至る得策です。
ハイ!洗えました。
色の差が見えなくなりました。
「きれいになりましたねぇ~。あっ...気持ちいい!フローリングが気持ちいいってわざわざ言うこと、今まで無かったです」と、お客様。
仰る通り、素足で触ればすぐに「清潔さ」、お分かりいただけるかと思います。美観も必須要素ですが、おうちですから、気持ち良さが一番重要だと思います。
東京や横浜は、やっぱり大都会。住宅街であっても、幹線道路に面していなくとも、フローリングは排気ガスやカビで不潔に汚れてるのが実状です。エアコンが苦手で窓を開け放つのが好きな方のお部屋は、特に汚れが強いです。
夏の終わり。ここいらでひとつ、フローリング、きちっとクリーニングされるのも一案です。