「石材研磨」できますよ、と言う業者は、少ないです。少ないですが、検索して調べてみると相当数あります。ウォッシュテックのお客様でも、「調べるうちによく分からなくなりました」と仰る方が多いです。
なんでかなーと考えてみたら、「石材研磨の仕上がりは、一種類ではありません。」というお話をしていなかったことに気づきました。満を持して?遅ればせながら?説明してみます!
■まず、大理石が「汚れて、光沢が無い状態」。
マッキーで適当に描いた図でスミマセン。ギザギザと細かな傷が入って、表面が鋭い凸凹になってます。
実際の写真では、こうです。
■次に、仕上がりの光沢、その1 「ギラギラテカテカ 乱反射」。
「石材研磨ができる」とメニューに入れている業者のほとんどが採用している研磨の方法です。
※矢印は、上から当たってる照明(光)の跳ね返り方を示してます。
鋭いエッジの頭を丸める感じで研磨。深い歩行傷は消えずにあるが、ギザギザは削り落とされて滑らかな凹凸になっている状態。てっぺんも底も、なんとなく全体に角が取れてまあるくなってる感じです。
●凹凸の段差が多くなるので、真上から当たった光が乱反射し、ギラギラというか、ヌメヌメというか、ビカビカというか、ビニールのような独特な光沢感です。
●乱反射してキラッキラ、チッカチカした光沢なので、一種の興奮・錯乱作用があります。したがって、大音響で照明が炸裂するパチンコ店や、色鮮やかな商品とキャッチーな什器で購買意欲をそそるショッピングモールなどの床に適してます。
●深い歩行傷は取れないので、3か月から1年以内、定期的にメンテナンスできる床に適してます。そういう理由からも、大型商業施設に適してます。
●工場出荷時の状況とは異なる。石材のメンテナンスを現場でやりたい、工場出荷状態に戻せなくていいから光沢を出したい、というニーズに応えて開発された加工法。
●作業が早い。したがって、作業料金が安い。
●専門知識と経験が少ない人でも手順を踏めば仕上がるので、技術を導入しやすい。
■最後に、仕上がり光沢、その2. 「すべすべツヤツヤ ビシッと光る」。
表面の凹凸が平滑。歩行傷が消え、まったいら。工場出荷段階に近しい状態。
●乱反射がなく、真上からの光をそのまま跳ね返す。大理石本来の歪みが無いまっすぐな光沢なので、目にちらつかない。落ち着いて話し合いたい、リラックスしたい空間に適しています。
●1と比べて作業がたいへん。時間もかかる。なので、ちょっとお高め。
●ギラギラは光り方がチープなんだよな~現場で工場出荷段階の(新規にきわめて近い)光沢に回復できないか?というニーズから開発された研磨方法。テクノロジーの進化によって後発で確立したテクニック。
※注
なお、工場では200ボルトの高圧電流・据え置き式の大型機器で研磨できますが、現場では100Vの家庭用電源を使い、住宅内で事故なく取り回せる機器を使わねばなりません。そのため現場での研磨は、工場研磨と比べてパワフルさで劣ります。そういうことから、「工場出荷同等・新品同様」という表記はオーバートークかと思います。
※注 おわり
●知識と場数と筋肉がないと、たどり着けない。誰でもできるものではないので、導入をためらう&挫折する人が多い。
写真では、こんな感じです。
写真が無いのでお気づきかと思いますが、ウォッシュテックでは「その1 テカテカ乱反射」は、原則、やってません。
とにかく光らせて!なるべく安く!広いけど早くして!というご要望があれば、もちろんさせて頂くこともございます。しかし、ウォッシュテックに求められているのは、ほとんどの場合「大理石本来の高級感のある光沢」です。また、ご自宅の床というご依頼が多いです。ご自宅では、どなたもリラックスされたいんじゃないかなーと思います。
したがって、ウォッシュテックでは「工場出荷時にきわめて近い光沢に回復する すべすべタイプ」の仕上がりが圧倒的多数ということになります。
石材研磨できますよ、とホームページに載せている業者は、少ない。なので見つかったら「あった!」と飛びついちゃうこともあるかもしれません。しかしどうぞ、「仕上がりには、2種類ある」と頭に入れておいてください。
興奮したいか、落ち着きたいか。目的に合わせて石材研磨の業者をお選びください。
そして、どのような方法で石材研磨を行うのか、サイトの説明や写真からチェックしてください。あるいは、訊ねてください。答えられない業者もあるかもしれません。
その場合は、使っている道具をご覧ください。フカフカしたスポンジたわしのようなパッドを使っているならば、ギラギラテカテカ系。樹脂のような固形状であれば、すべすべツヤツヤ系。
ウォッシュテックでは、トップページで社長・中島がハンドポリッシャーに装着しているのが、石材研磨に使う道具です。人造ダイヤモンドが厚さ数センチの塊になってます。これは、すべツヤ系の道具の中でも、最も熟練が必要な「パック」。アイスホッケーのパック、と同じ意味の「パック」。使うのがとても難しいとされるダイヤモンドディスクですが、分厚いので1枚でたくさん研磨できます。
モチが良いパックを採用して材料費を抑えることより、高額とされる「すべすべツヤツヤ系」でも、お安く提供できる、という工夫です。