キッチンのお掃除で、シンクに酸性クリーナーを使ったら、筋跡が出来てしまった。慌ててスポンジで洗ったけれど、元に戻らない。困った...。直りますか?
ウォッシュテックでは、数か月に1回ペースでそのようなお声掛けを頂きます。賃貸物件でのご相談が多い印象です。退去の際に貸主さんから交換を請求されたら困る!と心配されているんですね。今回も、そのようなご依頼でした。
写真左下をズームで。
ウォッシュテックのお問い合わせフォームは、画像添付OK。判断し、折り返しご返信させて頂くようにしています。
一般的なご家庭におけるお掃除洗剤・お掃除道具のスタメンといえば、こんな感じではないでしょうか。
・中性洗剤(住まい用)
・クリームクレンザー
・カビ取り剤(カビキラー)
・メラミンスポンジ
・重曹/セスキ/炭酸塩
・クエン酸
・トイレ用酸性洗剤(サンポールなど)
ステンレスシンクの「スジ跡」案件では、洗剤の効力が強力だと思われるのはカビ取り剤で、それでも駄目だった...ということから、最終兵器「トイレ用酸性洗剤」を登板された方が圧倒的に多いです。
トイレ用酸性クリーナーは、ガラス質の釉薬(うわぐすり)がほどこされた陶器の水垢を想定しているため、シンクのステンレスに掛けるとすぐに腐食が始まります。今回の写真の場合のように、「ここに垂らしました」と跡が鮮明に残ることが多いです。
次に多いのは、クエン酸を濃く溶いてパックのように塗り、数時間から一晩おいておいたら、パサパサに白く跡が出来た。という方です。ラップやペーパーで密閉パックされているためか、線というよりも面?ムラムラと跡が出来ている例が多いです。
ウォッシュテックのホームページの表紙にも少し書いてますが、市販の洗剤および99.9%の清掃業者が使う業務用洗剤は、多少おおざっぱに使っても事故が起こらないように設計されています。もし洗剤の使い方で事故があったら洗剤メーカーも売ったお店も使わせた人(経営者)も使った人(従業員)も困るからです。なので、事故やミスが発生しないようあらかじめ薄めてある。使い方は「この汚れ専用」のように難しくしないようにしてある。ですから、もし、その洗剤の範疇を超えた汚れだとすれば、何時間かけても何リットル振りかけても、クリアできないのです。
そのことを知っていただいておれば、ステンレスのシンクに白いスジスジができる「事故」は防げたんじゃないかな、と思います。このブログをお読みになられた方は、
いわゆるマニュアル通りの方法ではビクともしない汚れが固着していた。
↓
トイレ用の洗剤を使ってやろうか?超高濃度のクエン酸を使ってやろうか?強ければ取れそうじゃない?と考えた。
↓
やってみた。事故(やばい!アセアセ...)
と、ならないようにして頂きたいんです。
強力であれば汚れは溶けるかもしれません。でも、同時に材質も溶けて腐食してしまうかも。交換しかないかも。マニュアル通りにやってもうまくいかない汚れで満足な結果を出すには、洗剤・汚れ・材質の知識と的確なオペレーションが不可欠です。
※なお、ウォッシュテックは薬剤の「強力さ・強烈さ」は重視しなくてよいと考えてます。的確なオペレーションとは、緻密に積み上げられているためきわめて安全性が高いものだと思います。それゆえ、1回でパッと汚れが消えるというよりも、一種類一種類の汚れを崩していくような段階的な処置がなされてゆきます。
ステンレスシンク、酸焼け回復後。
失敗のそもそもの元凶であった「シンクを覆うカサカサと白っぽい水垢」も、まとめてツルン。跡も見えなくなりました。
追記あります。「強酸を使わないといけないんじゃないか...」と思ってしまうくらいの水垢をシンクに「付けない」方法。