大理石の壁面、タイルの床、扉は一枚物のガラスの高級仕様浴室のクリーニングです。
デザイナーズ戸建のバスルーム。洗面室とシームレスなガラス扉で、広々としたイメージ。のはずが!
白くボンヤリくすんで、うろこ状。ガラスが曇って向こうが見えません。
なお、写真ガラスの向こう側は養生のシートです。ドアを開けた扉の隙間から電源コードを通しています。左脇の黒いカタマリは、社長・中島の腰袋(道具入れ)。
ここでスリガラス状や乳白色、あるいは薄い模様入りのフィルムを貼るリフォームも有りかと思います。扉を交換して材質を変更するよりは、費用がだんぜん安いです。
でも、それだと当初のデザインコンセプトが崩れてしまいますよね。設計デザインの立場からすると、浴室と洗面室の間に「パーテーション」的な存在があっては、その美意識が揺るがされるわけです。
だったらそれはもう、既存のガラスをクリアに回復するしかありませんよね...。
でも、どうやって?
通常の業者では、(1)ガラスをクリアに磨き上げる方法が分からない。(2)作業に際してのリスクと、それに対応する方法が分からない。という理由で見積書を提示することもできないかと思います。
このデザインですと、壁面タイルと洗面室の床が大理石なので、強い酸性洗剤を使うことはできません。ガラスから壁に飛び散ったら一発で大理石の主成分であるカルシウムが溶けてしまいます。さらに、浴室床のタイルと洗面室床のタイルの間がフラットでシームレス。仕切りが一切設置されていません。ということは、ガラス扉と浴室床タイルを洗うときに、絶対に洗面室に水が広がらないようにしなければなりません。
通常、片方には効かせたいけど、もう片方には絶対触れてほしくないんだよーという局面では、材質の異なる境界線付近に、一定量の水を流し、濃度の高い洗剤が領域を超えないようにキープして作業します。「水養生」と呼ばれるリスクを避けるためのワザです。
しかし、この場合は難問。浴室と洗面室の間に仕切りが一切なく、洗面室方向に若干の勾配があるため、どんどん水が逃げてゆく。水養生不可。なので、タオルを細くして仕切り、ちょっと濡れたら交換する方法で対応しました。
結果が全てですから、このようにセコセコ働いている様子など、誰も知らないけれど、大変!とはいえ、確かな結果は幾重にも積まれているセコセコからしか成立しないのであります。立ったりしゃがんだりセコセコするよ!
ハンドポリッシャーで磨いて乾拭きまでしてガラスの状況をいろんな姿勢から目視確認、足らないところをハンドポリッシャーで磨き、...を、見てると退屈なほどに繰り返します。
できたー!!
おしゃれ感&デザインコンセプト、復活!清潔でクリアなガラスに回復できました。
良かった良かった...。(←腰をトントンのポーズで)