東京都港区の戸建にて、大理石タイルを石材研磨。洗面脱衣室の床です。
洗面脱衣室の床は、水の飛び散りに加え、整髪料や洗顔料などもこぼれやすい。界面活性剤・アルコール・酸・アルカリ+水がかかると光沢を失いやすい大理石にとっては、かなりきびしいロケーションです。
初動のお問い合わせ時に頂いていたお写真では、あんまり光沢が落ちていないと思われたのですが、実際に目視で拝見してみると、
石材用ワックスで表面の石が隠蔽されている、と分かりました。
なんでかというとですね、写真中央、天井ライトの映り込みの形が、ツブツブした感じでぼやけて、ライトの形が不鮮明なんです。
微細な段差ができた大理石に、マニキュア状に塗布した樹脂が室内環境(なんらかの塵があったり室温が一定ではない環境)で硬化。だからどうしても細かな凹凸ができて、これがツブツブに見えてきます。天井照明の映り込みは、室温で硬化させるタイプの樹脂ワックスや石材用コーティング剤を塗布した場合、「なんか塗ってるなぁ~」って一番目立つとこなんです。
お客様に訊ねましたところ、「以前、一部分光沢が失われていると気付いて業者に依頼したことがあります。そのときに光沢が戻ったんです。」とのこと。間違いなし。
今まで何度か当ブログで書かせていただきました。大理石は何千年も変わらず地中にいた化石なので、人間が数十年前に開発した化学物質を塗ってしまうと、表面のミクロな孔が全部ふさがって息が出来なくなって、ぼろぼろ崩れて化石としての一生を終えることになる。だいたい、ワックスやコーティングの劣化までの期間は、大理石とは比べ物にならないくらい早い。追っかけ追っかけ塗ることになる。どんどん傷んでく。だから何か塗るのはヤメてね、それはもはや古い管理方法です。って。
でも、大理石の悠久の歴史など別にどうでもいい方もおられるかもしれないなーって、ブログを書きながら思ってたんです。いま光ってるならイイじゃん、って方も多かろう、と。
なので、追記で!こんなふうに不自然な光沢になることも知っておいていただきたいのです。えいやー同じ写真をズームでどうぞ。光沢がゴワゴワぼやけて歪んでいます。
こちらは、ウォッシュテックの石材研磨のあとの大理石。塗布された旧いワックスごとダイヤモンドディスクで研磨し、回復。
同じ写真をズームで。
水面に映るお月さまみたいに、ぽっかりクッキリ丸いでしょう。
これが、ニュートラルな大理石のフラットでクリアな光沢であります。
水だけで大理石の光沢をレストアできる最新鋭の石材研磨を知らなければ、ワックスやコーティングでの管理方法も「光沢があるから満足」かもしれません。
でも、実際に比べてご覧いただければどうでしょう。
細かな凹凸があるのに、すごく光っている。その不自然さ、気持ち悪くありませんか。自分のステイタスを象徴するはずの大理石が、実はダサい状態にある。これは、じわじわくるストレスかもしれません。
もし、この方法で研磨できる業者が長く面倒を見続けることができれば、大理石は何も塗らなくても何十年も美しいものです。それをできる業者は、ウォッシュテックです。お気付きの方から、もう始められてます。
石材用ワックスは一般の方にも入手できるので、リスクをご存じないままお使いの方も多いかと思います。また、マンションや戸建ての引き渡し時に塗布されていることもあるので、知らず塗られている例も多いです。
ワックスを塗る業者なんて、まだいるの?と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
しかし、玄関の大理石は特になのですが、日本の住宅では、隣り合うタイルに若干の高さの違い(リッページ)があったり、目地が崩れていたり、石をスムーズに磨きにくい状況が多々見られます。
この状況を的確に石材研磨で復帰させることは、数少ない専門業者のなかでも極めて困難です。
それゆえ致し方なく、何らかの研磨作業をしてのち、何らかの化学薬品を塗布して加工し、光沢を復元する。その方法を採っているハウスクリーニング業者は、ズバリ...
99%以上です。
石のメンテナンスができます!と広告を出している業者のほとんどが、ちょっとモヤモヤだったり大理石とは思えぬツルッツルな仕上がりなのが実情です。だからむしろ2016年時点の日本で、大理石の管理といえば、ちょっと磨いて何か塗る方法が主体かもしれません。
しかしそれは、石にとって決していい方法ではない、この4~5年で新式のいい方法が確立しました。私は、その事実をお伝えしたいのです。
ご自宅の大理石タイルへの照明の映り込み、ぼやけてゆがんでいないか、いっぺんチェックされてみてください。