築28年の在来浴室をハウスクリーニング。
「リフォームか?クリーニングで、もう少し使える感じになるだろうか?」
初めてのお問い合わせは、そんな内容でした。
ご依頼主さまは、この物件を所有されているオーナーさん。現在、賃貸に出されて運用されています。ほどなく、借主さんが退去されるとのことでした。
もしリフォームしか打つ手が無ければ、今このタイミングで数百万かかってしまう。もし、ハウスクリーニングで、あと数年使えるようになるならば、新たな客付けもできる。その間に資金の確保や他の個所の修繕も併せて検討できるはずだ。
そうお考えになられて、あちこちのハウスクリーニング業者に当たられたそうです。しかし、現場の写真を見せると、どの業者も即断かフェイドアウトになってしまう。
都内ではついに業者が見つからず、横浜まで範囲を広げて探された結果、ウォッシュックにアクセスくださいました。
お問い合わせ時にお送りいただいたお写真はコチラ。
浴槽をまたぐ、床に対して垂直な立ち上がり部分。エプロンカバーとかエプロンパネルと呼ばれる箇所です。
この水垢の量。そしてシリカが多い水質エリア。みんな断るのも無理はないなぁと思いました。
オーナーさんご自身も詳細な材質を把握されておりませんでしたが、このエプロンパネルの素材はFRPです。昭和時代の在来浴室では、重厚かつ堅牢なFRP製も少なくありませんでした。
※現在では、エプロンパネル、もっと軽くて薄いのがデフォルトです。
30年近く使用されてきた浴室ですので、樹脂の経年劣化も見られます。新品同様、何事もなかったかのようにはならない旨、しかしながら強い水垢をほどくための材料代がものすごーく掛かることから、お安くできずスミマセンの旨をご快諾いただき、いざ、現場。
浴室クリーニング後のエプロンパネル。同じ感じになるよう撮影してみました。
社長・中島の手と腕が映り込むレベルに回復。
書きなぐったような傷が見えます。これは、入居者さんが研磨剤入りのスポンジタワシで擦って水垢を深追いされた結果、できた傷です。
それも無理はありません。市販および業務用の洗剤では、この水垢は「絶対に」落とせません。この水垢の成分が何か、何故できたか分からないならば、ピクリともほどくことはできません。「自力では絶対に落とせないアンタッチャブルな状況」と分からなければ、力いっぱいゴシゴシしたら、なんとか解決できると思いますもん。
こんなに汚してしまっては、退去時に貸主さんから多額の請求をされるかもしれない。そんな不安に焦る気持ちもあるかと思います。
しかし、力いっぱいゴシゴシの傷は、いかなクリーニング&研磨技術をもってしても深く鋭いため、これを復帰することは不可能です。このブログを読まれた方は、ゴシゴシチャレンジはされないでくださいね。
先に書いた通り、今回の浴室クリーニングの料金は、お安いものではありませんでした。ドキドキしながら、お引渡しとお支払いの局面に。
「他の業者だと「ほとんど変わりません」と言われて、莫大な額のリフォームしかないと思った。それが、この値段で引き受けてくれて、とりあえず再び客付けできるレベルになって、数年間延命できるんだから、ぜんぜん安いですよ!ほんと良かったです。」
と、お客様。ホッ...よかったです...。
いろんなポーズで何度も何度もケミカルを打ち、もんで流して拭いて目視で確認、を繰り返したので、社長・中島の体はヨレヨレになりました。けど、ホッ...よかったです...。