※この記事は2010年5月23日のブログを再編集したものです。
職人が着る作業着のこだわりは多様です。
社長の場合。
浴室のハウスクリーニングや床に這い蹲ってタイルやフローリングをブラッシングするときなど、裾に水が掛かって濡れたり、濡れた床に膝を付いて作業することもある。
すぐに乾いて、濡れても色が変わらず、ある程度伸縮する、ポリエステル生地が好ましい。
※残念ながら綿100%はダメなんだよね〜。
汚れが目立つと「自分の家の汚れのせいで服をダメにした」とお気遣いくださるお客様もいらっしゃるので、くすんだ薄緑色やベージュ色。
床にワックスを塗布する作業中に細かなホコリやゴミを見つけたら、その場でかがんですみやかにポケットに拾ったり、エアコンクリーニングや換気扇を外すときに出たビス(ねじ)を一時保管したり、工具をちょっとしまったりするためにポケットがたくさん付いている方が良いので、形はカーゴタイプ。
しゃがみ作業をしやすいように、オーバーサイズ気味を選ぶ。
水道関連の住宅設備を担当するIさんの場合。
ガス管を結ぶときもあり、また、最近の設備ユニットは半導体など精密機器が含まれるので、とにかく静電気で火花が飛んではいけない。とにかく生地は静電気防止のもの。
みんなオシャレできていいな〜と思う。
そのほか、クロス・カーペット・フロアタイル担当の内装屋さん、畳屋さん、大工さん、などなど各分野の職人さんに作業着へのこだわりをインタビューすると、作業内容、動作、こうしたい・こうしなければならないという「縛り」から作業着を選んでいるんだな〜と、よく分かります。
男子たるものオシャレかっちょいいのを着たいけど、体型に合っていて清潔であればいい。だって作業着は電動工具や材料に近いカテゴリの、いわば道具だから…。ってことらしいです。
実は私は、この仕事に就くまで、「職人って人たちはセンスがないなぁ、ダサい服を着ていて平気なんだもん」なんて冷たいことを考えていたのですが、本当は、自分をカッコ良く見せるよりも仕事の仕上がりや効率を最優先にする、真摯な姿勢のあらわれであったのだな〜と分かりました。今では彼らをカッチョイイと尊敬しています。
最後に、まだまだ小僧、へなちょこな私の作業着は…
短足ゴンぶとの体型をカバーし、楽にしゃがめる「短ニッカ(ショートニッカポッカー)」、水濡れと摩擦に強い綿混ポリエステル地、ライトグレーをヘビロテしてます。
短ニッカは、ロングニッカや長々ロングに押され、このところ選ぶ余地のないラインナップになってきています。短ニッカは股下65cm前後。ショートニッカ滅亡は、脚みじか族にとっては死活問題。嘆かわしい!
ショートニッカの場合、紅熊とか男闘呼鷹とかカッコイイネーミングのタグの下に、こんなふうにロコツに「短」って書いてあったりします(笑)。わーぉ、くつじょくてきー。
裾は、デフォルトでは金具で締めることになっていますが、私は金具を外して縫い合わせ、床・壁などを傷つけないようにカスタマイズしています。