横浜市港北区の戸建にて、合板フローリングのクリーニングとワックス。
築6年。新築引き渡し時に塗布された樹脂ワックスをそのまま、日常の管理方法は1日1〜2回ホコリとりのため(濡れてない)クイックルを掛けるだけ。
そのため、フローリングの状況は良好です。
※なぜ「ウェットシートで拭き掃除」と「自分で樹脂ワックスを塗布」がフローリングを「むしろ不健全」にするのか。その理由は、後日あらためて書きたいと思います。
しかし、この合板フローリング、一つ問題が。
窓際付近に敷かれたラグマットの跡です。
同じ画像をトリミングしてズームしてみます。
縦にシマシマ模様が均一に出来てますね。
このシマシマは、ラグマットの裏の「すべり止め」の跡です。
思い出してみてください。夏休み明け、筆箱を開けたら、消しゴムと定規がバッチリ一体化している。ファイルを開けたら、塩ビのファイルとプリントのインクがくっついている。
そんなこと、ありませんでした?
やわらかな感触の樹脂は、樹脂と一定期間接すると、互いの分子を遣り取りし合って一体化する性質があります。
この性質が原因で起こる現象を、私どもは「可塑剤移行」と呼びます。
可塑剤とは、形を自由に作り込むために必要な添加物。プヨッとした柔軟性を保つために樹脂に含まれてます。これが、相手に移って(つまり移行して)変質させる、ということです。
合板フローリングは、工場出荷段階でウレタン塗装をされており、表面が樹脂です。
その上に、樹脂ワックスでコーティングをされている。
そこに、滑り止めのプヨッとやわらかな樹脂が接する。
だいたい、日本の住宅のリビングは、いちばん陽光が差し込む位置にある。冷暗所に比べ、温度や紫外線の影響が大きい。
かくあって、
ベリベリ!あ、跡が!
と、なるのであります。
樹脂ワックスの層だけが可塑剤以降している場合は、わりあい復旧率が高いのですが、大部分は合板フローリングの塗膜層にまで至っているため、
たとえ樹脂ワックスを取り除いても、上から何を塗布しても、跡がうっすら残ることになります。
フローリングのクリーニングとワックスを終えた状況。
え?残ってないように見えます?
では、同じ画像をズームで。
ほらね〜。うっすら見えますでしょう。
ワックスが均一に塗布されているので指で触っても凸凹がないんですよ。保護膜がキチンと定着しているので、もちろん今後の管理もお楽になると思います。ほんと見た目だけ。お客様もお気づきにならないレベルなのですが、私どもからするとむしろ気になるというか。スッキリしないわー。
実は、このマットの跡をなくそうとするテクニックは、けっこうたいへんなんです。誰でもが簡単に出来るものではありません。
だからこそ!ラグマットの滑り止めによる可塑剤以降、ここで覚えておいてください。
リビングの他には、キッチンの足元にあるキッチンマットの跡も多く見られます。あと、トイレも。
フローリングがシマシマ模様にならないようにするためにはどうすれば。マットが滑るの、困るんですけど。
ここでまた、思い出してみてください。消しゴムくっついて定規の目盛りが消えちゃった。買うお金ちょうだい。と頼んだら「毎日ちゃんと宿題をして使っていたら、こうはなっていなかったでしょう!」って怒られませんでした?
つまり、ラグマットとフローリングをこまめに離すことです。掃除機を掛ける時などに、ちょこっとズラす感じを習慣づけられるといいかもしれません。