ウォッシュテックの業務を月ごとにご紹介
ザラザラの陶製ノンスリップタイルの汚れを洗って清潔に
東京都の戸建にて、玄関のノンスリップタイルをクリーニング。
ノンスリップタイルには色々な種類があるのですが、今回の現場は、「固くて細かなツブツブ(塗装でいうところの骨材のような)が表面にビッチリ撒かれた感じ」のタイルです。
表面がおろし金のようにザラザラだからでしょうか。どのようにおそうじすれば良いのかお悩みの方が多いように思います。
雑巾で拭いたら布が擦り切れてしまう。スポンジは削れてモロモロ崩れる。マジックリンやマイペットをスプレーしてブラシで洗ってみても、ぜんぜん汚れが落ちない。
そのようにお困りの方が多いんです。困って困っているうちに、どんどん汚れが厳しくなるノンスリップタイル。
玄関ドアを開けて、向かって右側で靴を脱いで入室。左側にはサンダルなど「ちょっとそこまで」の靴が常駐。玄関タイルの汚れは、排気ガスやカビなどもありますけれど、外界から持ち込まれる靴の裏に付着した汚れが主ですから、動線の通りに汚れが多くなります。
同じ写真を拡大してみます。ツブツブゆえ?強力な汚れです。
いざ!ノンスリップタイルのクリーニング開始。
タイルを傷めない安全性の高い洗剤で汚れをほどき、水分と汚れを回収。
「んーときどきブツっと油汚れがくっついているんだよなー」目視しながら、竹製のヘラを当てて残った汚れを拾ってゆきます。
「あ〜ここもある」這いつくばって見てゆきます。
※廊下の電灯をオンしたら明るく撮れてしまいました。すみません。
すみっこは、ステンレスブラシを当てて。
ウォッシュテックで使用しているステンレスブラシは、ホームセンターや塗装店では一切販売されていない、ものっそい細さ(ゴワゴワ感まったく無し)の金属で出来ています。もちろん、高い!
ふつうの感覚だと「ぐしゃ!」とたやすくへし折れてしまいます。汚れは、削り落とすのではない。的確に当てて弾く。そこを理解していない人が使うと大損なのです。だから誰にも貸さないブラシなのです(笑)。
全体の濯ぎ拭きを終えたら、目地を中心にヒートガンを当てて乾燥させ、再び目視でチェック。
冬季、特に戸建の玄関は芯から冷えているため、自然乾燥にはとても時間が掛かります。なので電力でなんとか。
完全に乾燥させた状態でないと、見えない汚れもあります。うっすら湿った状態で引き渡すハウスクリーニング業者は、「ちょっと残ってる」ってことに気付いていないか、「そんくらい、べつにいいや」って考えているってことだと思います。
かくして、クリーニング完了。
わぁ!こんなピンクだったんですね!と、お客様。
実は、こちらの戸建は、中古物件をご購入され、お引渡し直後に入らせて頂きました。ということは、お客様は一度も「ノンスリップタイルの本来の色柄」をご覧になられていないのでした。
なんとなくモノトーンな設えだったため、内覧時も特に黒ずんだ玄関が気にならなかったけど、まさかのサーモンピンク。「ものすごく汚れていたんですね、あの黒、ぜんぶ汚れって。びっくりしました」
玄関のタイルが清潔で美しければ、家の第一印象は大きく変わると思います。
洗ってみてきれいになったタイルをご覧になられたときの「パァッ」と明るく輝くお客様のお顔そのものが、いちばん物語っていることだなぁと、いつも感じます。
2016年2月29日
トラバーチン 大理石の玄関タイルを研磨で艶やかに
横浜市港北区のマンションにて、玄関タイルの研磨。
トラバーチンという種類の大理石です。
「トラばあちゃん…」と見るたびウッカリつぶやいてしまうトラバーチン。ブツブツとランダムなエクボがあるベージュと茶色のしましまなイタリアンです。
厳密には、堆積岩という分類です。大理石メンテナンス先進国であるアメリカでは、堆積岩は大理石とは線引きされていますが、日本では堆積岩も「大理石」に含まれています。(なので、このブログでは大理石と申し上げます。)
※
ざっくり解説してみます。堆積岩は、岩石や泥などが積もって押し潰されて固まって石になったもの。大理石は熱など外的要因により性格が変わっちゃった「変成岩」です。
※
そんなわけで、タソスホワイトやビアンコカラーラなどとは少し違って、トラバーチンは、ちょっとザクッとした感じなのです。
つぶつぶの凹みがあるからでしょうか、くすんでくるとコルクのように見えてくるのです。
そういうチョイ汚れ感のあるヴィンテージテイストがお好みであれば特段かまわないのですが、せっかくのトラバーチン、安価な床材のように思われるのはもったいないかもしれません。
石材研磨後は、このように。
マーブル模様のグラデーションが繊細なところまで目視できるようになり、なおかつ、本物であることの証明ともいえる細かなエクボもキープ。
タイルの表面を膜のように覆っていた「なんとなくネットリとした」汚れも、すっきりクリアに。指で触ると、何も乗っかっていないなめらかさが気持ち良いです。
これこそが、トラバーチンの美しさ。清潔さ。
トラバーチンには、「ローマの貴族を思わせる」のようなアンティークかつロマンティックなキャッチフレーズが付けられることが多いように思います。そう…とらばあちゃん(貴族ではなく平民)じゃ、もったいない石なのでした。
ウォッシュテックでは、中古マンションをご購入されて、ご入居までの間にさせて頂く「空室全体ハウスクリーニング」のラッシュが始まりつつあります。
もちろんウォッシュテックでは、ご入居前ハウスクリーニングに併せて大理石の研磨をご依頼頂けます。
なるべくお安く、でもハイレベルなご新居に整えられたい方もいらっしゃるかと思います。そんな方に、ちょっとご案内差し上げます。
窓・収納・扉・照明などどなたにも難しくない箇所は自身でおそうじされて、玄関大理石の研磨や汚れの種類が多様で素材の扱いも難しい水まわり(浴室・キッチン・トイレ・洗面)のみをお任せ頂くという形にすると、比較的リーズナブルに抑えやすいです。
つまり、洗剤や機材を揃えるとすれば莫大な金額になるところ、いくら丁寧に時間を掛けておそうじしてみてもいっこうに良くならないところ、そこだけ抜き取って専門機器およびハイクラスな技術を有するウォッシュテックに外注いただくということです。
※ただし、当然ながらそこに一番お金と労力を要するため、めちゃめちゃ破格にディスカウントとはならず、すみません。
中古物件は、一通りハウスクリーニングがなされている状態で売却されていることも多いです。しかし、その場合も水まわりの難しい汚れと大理石は、ほぼほぼ、いや全くのレベルでスルーされているものだなぁ…というのが私の印象です。
物件引渡し時の状況を前もってしっかりチェック、うまいこと発注されてください。
2016年2月24日
タオルの繊維の機能が上がる!軟水でお洗濯
我が家では、入浴と洗濯に、軟水器を使っています。
「軟水器」とは、水道水に含まれている「カルシウムイオン」と「マグネシウムイオン」をイオン交換樹脂でフィルターして、除去する装置です。
機種名は、ソフナー・ディ・アクア。サイズはL。この軟水器は2代目です。
ウォッシュテックの「他にはない」とこは、やはり「水垢」を取り除いて、元々の素材感を復元するテクニックだと考えています。
その「水垢」の原因となる2大ミネラルを、最初からカットした生活。そして、ネトネトブヨブヨと脂っこい石鹸カスが生成されない軟水生活。
※なお、軟水器を通しても、水道水からシリカは除去されません。
それってどんなんだ?どう変わるんだ?
そこから始まった軟水生活。もはや10年以上、今現在も続く我が家のムーブメントです。
その快適性を挙げるならば、肌や髪の状態がめくるめく扱いやすくなるとか、女子的に熱く語りたい話題はモロモロあるんですが、ウォッシュテックの業務に最もリンクする利点といえば。
拭き布の性能が大幅にアップすることです。
ハウスクリーニングの作業で汚れた拭き布は、最先端の洗剤を使って洗濯します。最先端とは、生分解性が極めて高く、動物実験を実施せず、蛍光増白剤や金属封鎖剤をはじめ重金属および有害な添加物を一切排除した洗剤。とてもスッキリ清潔に洗い上がります。
水道水でももちろんほぼほぼ満足な仕上がりになるのですが、40℃ちょいの軟水で洗うと、わ〜おエクストリーム。
吸水性がグンと向上。油分や汚れの回収率もグンと向上。同じ綿100%、同じマイクロファイバーでも、グンと働き者になってくれるのです。
汚れはもちろん、洗剤の成分や石鹸カス、ミネラルがほとんど残留していない状態だったなら、「繊維」ってこんなに凄いんだなぁぁと思うくらい。
繊維って、偉大な発明だと思うんですよね。綿をネルにするとかガーゼにするとか、マイクロファイバーをこう植えるとか。機能と構造がリンクしている。でもその発明って、雑多な要因に阻害されて、あんまり生活の中で感じ取ることができませんよね。
洗濯を何度もするうちにゴワゴワになったり、ならばと柔軟剤を使ってヘニャンヘニャンのぬるんぬるんになって水を吸わなくなったり。特に綿100%は、ね!
軟水だったら、その繊維そのもの凄味を簡単に体感できるように思います。すごいや!すごいや!って、その布を発明した人を称賛したくなるくらい、違って洗い上がってくる。
ハウスクリーニングにおいて、布とは、汚れを転写する道具です。
そこを正しく認識しているデキる人ならば、一撫で、一使いするだけで「あっ、ウォッシュテックさんのウエス、ぜんぜん違いますね」と仰います。いわば踏み絵的なウエスとして私は見ています。
自宅でのお洗濯では、同じシリーズで、もうちょっとマイルドな製品をチョイスしています。シルクやウールも洗えるタイプの洗剤。そんなにハードな汚れではないので、業務用とは使い分けてます。
軟水で洗うタオルはフワッフワ。やはり、ぐんぐん水を吸い取ってくれるので、お風呂上りの私と子がフェイスタオル1枚で事足りる。
お得意先から頂戴するネーム入りのは、はたかれると痛いくらいにビチョビチョになるのでアレですが、いわゆるちょっといいタオルなら全くセーフです。
小さな子は大きなタオルでは床を引きずって使いづらいもの。プールの日もフェイスタオルを持たせてOKです。
もはや10年以上軟水で暮らしてきているので当たり前みたいに思っているところもあったんですが、小さな子がいる冬、また新たな感動なのでした。
これから花粉と黄砂のシーズン。部屋干ししても、軟水生活だと、タオルやジーンズがくっさくならないのも、いいとこです。軟水生活、あぁしあわせ。
軟水生活に興味を持たれた方は、どうぞお声掛けください。
→おかみ、前回のドヤ顔。
2016年2月23日
石の洗面台 御影石の天板と陶製ボウルのくすみ
東京都港区のマンションにて、石の洗面台をクリーニング。
御影石の天板に、陶器の洗面ボウル。
モノトーンでまとめられた都会的なデザインです。天板の奥から間接的に入り込む照明、ボウルの真上にあたる天井に白色LED。
極めてオシャレです。それゆえに全体的な曇り汚れが際立ってしまいます。
モヤモヤと陶器の釉薬がにごり、水栓の根元には、白くて硬い石のような水垢。飛び散りが多いボウルの左右と手前にも、膜のような曇りが見られます。
洗面台クリーニング後。
プルッとハリを感じるボウルに!指で触るとキュッとニュートラル、清潔さを取り戻しました。
照明の光を当初の計画通りに跳ね返すようになって、デザインの美しさを再認識できます。撮影するスマホも、すぐにピントが合うって言ってます。同じワット数なのに、明るく撮れる。「うん、やっぱしステキ」とウットリです。
御影石天板、よく汚れるところにあった「くすみ」も、均一になめらかに。
高級仕様の水まわりをハウスクリーニングするためには、石材・陶器・ガラス・樹脂、あらゆる材質の知識とテクニックが必要になってきます。
陶器には陶器の手の施しようがあるし、御影石には御影石のリスクがあるし、それぞれをそれぞれ見極めて正しく扱ってゆかなければ「よーし!全体に見違えたぞ」という仕上がりに至ることができません。
誰にでも出来ることではないと考えています。
それゆえ事実、ウォッシュテックで「高級仕様」のマンションにお住まいのお客様のほとんどが、「マンションの管理会社経由で紹介してもらったハウスクリーニング業者に頼んだけど、何も変わらなかった」「大手ハウスクリーニング業者さんに問い合わせをしたけれど、話をしただけで断られた」「中古物件を仲介してくれた営業さんに頼んだけど、無理だと言われた」と困られて、独自にお調べになってご依頼に至られています。
クリーンメンテナンスの難易度が高い、ゆえに「デザイン性が高い」「高級仕様」とも言えますが、実のところデザインする人も売る人も、どうしていけば的確に管理してゆけるのかをほとんど全くと言っていいほど知らないんだと思います。知らなくても困らない人が大多数なんだと思います。
しかし、実際にお住まいの方は困られているのです。
生活してゆくうちに「古くさい」「生活感たっぷり」「不潔に思う」その気持ちをだましだまし受け入れていく感覚になって、それって…それって、おかしいじゃん、と。ツテを辿っても誰も面倒見てくれないって、おかしいじゃん、と。
高級仕様のマンションにお住まいの方は、世間一般の方よりずっとずっと先鋭的な感覚をお持ちなのですから。
的確なハウスクリーニング業者とのコネクションが、どうかすんなり行き届きますように。
2016年2月18日
トイレの「置くだけ洗浄芳香剤」の話
※この記事は、2010年3月3日の内容に加筆修正したものです。
トイレのタンク上にある手洗いボウルの置いたり、タンク内部に沈めたりするタイプの水洗トイレ用の洗浄&芳香剤。
フッ素、親水、無色、リキッド、漂白、固形、液体…さまざまな種類が、ホームセンターやドラッグストアにズラリ売られています。
トイレクリーニングに入らせていただく際などに、その普及率の高さに驚きます。
便器に頭突っ込んで、あるいはタンクに手を突っ込んで、目視確認すると、継続使用によって「危うい状態」に陥っているトイレがとても多いです。
そのため、ウォッシュテックでトイレクリーニングをご依頼くださるお客様には、ほぼ必ず「使わない方が健やかに保てます」とお声掛けしています。
トイレの洗浄芳香剤ユーザーで見られる現象は、おおまか下記の3方向です。
現象1)
いったん溶けた成分が再び固まってフレーク状になり、便器フチ裏の水が出てくる穴、タンク内部に詰まる。
現象2)
界面活性剤や洗浄成分を含む水が常にずーっと便器の表面に触れていることになるので、釉薬(つるつるしている層)の表面が荒れ、経年劣化が加速。防汚加工、コーティングがされている便器の場合は、加工の効果持続期間が短くなる。
現象3)
水色タイプの場合は、素材を色素で染める。現象2と重なることで、より深刻な状況に近づく。色素によって深く染まった場合は「汚れ」ではありませんから、洗剤でほどくことができません。したがって、いかなハウスクリーニングの技術をもってしても色ムラを復元することは困難です。
文章だけだと分かりづらいので、お写真を。
給水タンクの中。
底部にザリザリがちがちに固まった洗浄芳香剤が溜まっています。
カビとヌルヌル、ものすごいわー。
界面活性剤が溶け込んだ水に、カビを防ぐ機能は無い。だからカビカビになるのは理解できるのですが、
数百件トイレタンクをフィールドワークしてみると、むしろ何も入れない方がカビが少ないのです。なぜだろう。教えて化学のひと!(汗)
※
ちょっと調べてみたんですが、界面活性剤を好む菌というのも世の中におるらしいです。そういえば!洗剤を詰め替え容器につぎたしつぎたし3回くらい足していると、ボトルにカビが発生することがあって、「なんで?キモ!」と、以来、使い切るたびボトルを洗浄するようになりました。あっアイツか!と納得です。
※
こちらは、別のトイレの便器です。
しっかりとフチ裏に届くブラシでガチガチ汚れを酸でほどき、その後ブラッシングして、きれいな水を流す、を繰り返します。
すると、穴に詰まっていた水色の破片が、ボロボローっと砕けて落ちてきます。
この便器は、新築から継続的に5年間ほど洗浄芳香剤を使用。すでに便器表面に施された「セフィオン」の光沢と汚れの離れやすさが低下し始めています。
たかだか数百円の製品を買って設置するだけ。あるいはトイレタンクに放り込むだけ。それだけで、面倒なトイレ掃除の回数を少なくできてラクできる!こんなステキな香り!除菌もできますよ!
と言われれば、そりゃ〜買うよね。使うよね。
「こうなっちゃってますよ」と実際に見せられる機会がなければ、いつまでも使い続けることでしょう。
ほんと、ちょっと楽したい気持ちにスッと入り込んで。罪作りなお方です。
2016年2月16日
おそうじセット 仕様変更のお知らせ
おかみのおそうじセットを更新しました。
今回の変更点は、スプレー容器のみです。
私は、スプレーひとつとっても、「重いなー。振り回すと疲れる」「うわ、前に作った希釈液が残ってる。これ何パーセントで作ったっけ?捨てる?わーめんどくせ」「買ってすぐスコスコ壊れるって、なんじゃこりゃー」と文句の多い人間です。
道具いっこに、こんだけストレスがある。掃除がヤなのは当たり前に思えてきます。
なのに、「これは!」というものが見当たらない。探し回るうちに、入数や利益率の問題から「売られていない」だけだったと分かってきて、思い切って数量限定で特注しました。
トリガーをフォーム(泡)で出るタイプに。簡易フィルター付き、引き手が長い「canyon製・バッキバキ業務用」モデルを、超コンパクトな200mlポリプロピレンボトル(国産)に、ブサーっと装着。
ポールやスチールラックに引っ掛けて収納、ゴリゴリに使ってやっておくんなまし。
2016年2月 4日
在来浴室の壁面 パサパサ白くて光沢が全くない!タイルを復元
横浜市港北区の戸建にて、浴室クリーニング。
戸建の浴室では、ユニットバスをスポッと入れ込むのではなく「一から組み合わせてオーダーメイド」なバスルームも多いです。「在来工法の浴室」、「在来浴室」と呼ばれるタイプです。
在来浴室で壁面に採用されることが多いのは、やっぱし「陶製タイル」。
トロリとした光沢の釉薬(うわぐすり。ガラス質の液体を表面に塗布し、保護膜を焼成します)。何とも清潔感があって、窓からの僅かな陽光を反射させて明るい。
やっぱし、きれい。ピシッとしていて、気持ち良いですよね。タイル!
冬の風景と…ん?ピースサインの男性の姿。
実はこの写真、浴室クリーニング後なのでした。元の状態は、こう。
おーい、さっきの人ー!すごくボヤけて、遠くにいるみたいに見えないよー!
全体に、水玉がつながった縦じま模様みたいになっている。白くカサカサした水垢で覆われて、ツルッとした質感を一切感じ取ることができません。
同じ画像をズームして切り取ってみます。
ねっ。(←雑な語り方)
指で触ると、卵の殻みたいに何となくカサカサのサラサラです。ムッチリとハリを感じるガラス質のタイル、いったいどこいったー!
カビ予防を目的に、お風呂の後、上がった温度を急激に下げるためにシャワーで冷水を壁面いちめんに掛けられることがあるかと思うんです。
あと、ヒートショック予防を目的に、温水を掛けられることもあるかと思います。
ウォッシュテックがお伺いするエリアにおいて、水道水の中に含まれるミネラルは、カルシウム・マグネシウム・そしてシリカが多く見られます。
以前にシリカスケールの記事を書きました。
シリカの水垢(汚れ)について言及している人がいないので、また書いてみます。
このシリカってのは砂の主成分となる石英で、珪砂から作られるのがガラスで、タイルの表面の釉薬もガラスと同じ。
ってことは…
同じ元素の関係だから、「一体化して当然」って感じで、オラオラと超強気でくっついてくるわけです。
つまり、水道水をそのままにしておくだけで、ガッツリ固着してしまうのです。
そして、いったん表面を覆うように薄く付いたら、またそこを目掛けて重ねて固着する。厚く厚く育つ。
ものすごくザックリで説明しますと、それが「なぜタイルは白く濁るのか」のメカニズムとなります。
なので、水道水を掛けられたらですね、スクイージというワイパーみたいな道具でサッと水を払い落とすか、タオルでザックリ拭き取ると、タイルを断然美しく保つことができます。
うん!考えただけでも面倒臭い。しかし、あとあと困ったり焦ったりしないよう、メカニズムとセットで対処法として覚えておいて欲しいんです。
タイルのモヤモヤは、あんまりほっておくと、いかなウォッシュテックの手練手管でも変化しない状況になってしまいます。どんなケミカルでもピクリとも来ない。打つ手なし。使い倒してリフォームに一直線するしかない。と診断される浴室も、事実、あります。
今回の写真は、ハウスクリーニングで復元できるギリギリのラインだと思います。あくまでも「見た目」ですが、水垢の組成や付き方によっては問題なく取れることもあるでしょう、しかし薄く残ることもあるでしょう、という判断難しいところ。
なので、ぼんやりと白い膜が薄く見えたら、復元する。もしそのペースで管理して頂けたら、ローン完済や売却の頃合いまで、気持ち良く長く使い続けられると思います。
2016年2月 1日