ウォッシュテックの業務を月ごとにご紹介
ユニットバスの床がモロモロにめくれてきた?それは水垢です
ユニットバスのクリーニング。目地があるタイル床の浴室です。
「浴室の床、膜がベロベロめくれてきたみたいに、まだらに汚れているんです。きれいになりますか?」
お写真を送っていただいて床の状況を確認。

仰る通り、ツヤッとしていて色が濃いところと、はがれたところ?その縁取りが白くなっていて、「表面が、めくれてきた」っぽい感じ。なんだかミリタリー…迷彩柄っぽいぞ?
しかし!このユニットバスの床は、表面加工がなされた製品ではありません。もちろん別のハウスクリーニング業者がマニキュア状のコーティングを塗ったという履歴もない。
これは、水垢です。
水道水の中に含まれているカルシウム・マグネシウム・シリカなどのミネラルが、床タイルの滑り止めの凹凸に留まって表面で干上がり、それとカビやら石鹸カス(ネトネトと脂っこい白色系の汚れ)が混ざり合って、数年かけて積み重なり、このようなまだらに。
塩素系カビ取り剤や浴室用アルカリ洗剤を使うことで、カビと石鹸カスの混じり気が多い箇所は若干薄くなった。しかしシリカの含有率が高い箇所など一般用の洗剤ではぜったいに反応しない部分は残る。残ったところを足掛かりに新たな水垢が積もる。それをモザイク状に何度も繰り返しているうちに、こんな感じに。
ウォッシュテックにおいては、
「他のハウスクリーニング業者では落ちないと言われました(あるいは、実際に依頼したけれど変化なしだった)。この床、きれいになりますか?もう交換しかありませんか?」
と、お問い合わせ頂くことがひじょうに多い汚れです。
浴室クリーニング後。

質感の違いがよくご覧になれますよう、おもいっきり接写してみました。
タイルの細かな凹凸。グレー色の目地。これがニュートラルな床の状況です。
迷彩柄みたいにまだらに汚れた浴室の床。水気で湿った状態よりも、完全に乾いた状態の方が、より目立って見えます。
この水垢汚れ。賃貸物件や中古物件の内覧のときに気にされる方が多いのは、「濡れてない(ドライな)状態で見せなければならない」からかと思います。
通常一般的なハウスクリーニングを入れても状況がほとんど良くならないこともあり、「まだ使えるユニットバスだけど、取り替えねばならないか…」とネットで調べられている方のお目に留まりますように。
リフォームしたら軽自動車を買えるくらいの出費になりますもの。
加えて、この状況であれば、築年数は相応です。ユニットバスだけリフォームしたら、他との釣り合いも崩れます。購入されるとすれば、今後の水まわりのリフォーム計画も変わってきます。
リフォームをしてユニットバスを交換したとしても、内覧に有利になるかどうか、正直ワカランというのが私の考えです。
2016年1月24日
コーティングを塗布して大理石が「窒息死」した例
前回の記事で、コーティングを塗布した石材は研磨のみでは復元不可能とチョロっと書きました。
今回は、大理石にコーティング剤を塗布した結果、「実際に死んでしまった」例をお写真でご紹介します。
何度もこのブログにも書いてまいりましたが、大理石は、見た感じツルツルと硬そうですが、顕微鏡レベルで見るとスポンジのようにスカスカとたくさんの孔があいた柔らかな石です。
この孔を私どもは「ポーラス」と呼びます。
石は、白木と同じで「生き物」と捉えてください。空気を吸ったり吐いたり、息をしなくては生きてゆけない。そういう性質があってこそ、誰しもが「天然」「自然」の風格や温かさを感じることができるのだと思います。
ポーラスは、そうですね、人だったら毛穴のようなものでしょうか。あるいは、肌そのもの?
そこをベッチョリとマニキュアのようなガラス状の塗料で埋めて完全に塞ぐ!ピターっと密着、そして密閉!それが「石材シリコンコーティング」「石材ワックス」です。
この写真の大理石浴室の場合は、築3年で初回のコーティング、その後、2〜3年に一度ペースで数回コーティングを塗布されてきたそうです。
シリコンコーティングとは、透明の塗料で薄いガラス状の膜を作る行為のことです。
「業者さんから言われるままにしてもらっていたのですが、気が付けば、ほんとうに酷い状況になっていて。このままではいけないのかなと思ってネットで調べて。ウォッシュテックに依頼することにしました。」
と、お客様。
確かに、コッテリとコーティングが重ね塗りをされてきており、ヌラヌラとしたところありモヤモヤとしているところあり、もはや石材の質感は全くありません。
新築同然、何事も無かったかのように復元することは困難であるが、全力で最善の方法を採る旨をお伝えし、作業開始。
表面に付着した汚れを取り除いたのち、ダイヤモンドで大理石を研磨してゆきます。既存の劣化したコーティング剤ごと研磨。
しかし、既に深くまで変質してしまっているので、パサパサ、フガフガになっていて、磨けども光沢がいっこうに上がってきません。
上塗りされたら、その時を境に「石材ではない化学的な別の何か」として生きていくことになるのです。
研磨しても戻らない「別の物質」になってしまった大理石は、こうです。

「もしかしたら光ってくれるかもしれん。息を吹き返してくれたら良いな」と信じて作業をしているので、通常よりも執拗に研磨しています。
なのにこんなにカッサカサー。触るとパッサパサー。ポーラスを完全に塞いで密閉したために起こった「大理石の窒息死」の現場(この場合、ゲンジョウと読むのが正しいかしら…)です。
数万年レベルで形成された化石である大理石ですから、何も化学変化させないでいたら、それこそ数百年くらい屁のカッパで変わらずいられると思うんですよ。
でも、人間が「これを塗ったら、大理石は人間にとって都合の良い石に変化させられるぜ」とかって手を加えると、そこで終わりになっちゃう。
自然って、人間のやることには抵抗できないもんね。大理石って「自然そのもの」だもんね。などとしじみしてしまうのでした。
シリコン系のコーティング剤は、安定した物質ではないので、もちろん経年劣化します。脆くなって脱落する、ヒビ(クラック)が入る、変色する、などの症状が起こります。
浴室では、水分・湿度もあり、温度差も大きいため、コーティング剤の経年劣化は特に早いといえます。
だから、「きっちり研磨できる」技術はマストです。表面を覆っている劣化したコーティングを完全に取り去る技術がなければ、上塗り上塗りで済ませてしまうので、大理石の粉化はより深刻に進行することになります。
そして、シリコン系コーティングを再塗付。
薄く塗布したいところですが、パサパサになっているので、グビグビ吸い込まれていきます。その様子に、「あぁ…本当に傷んでしまっているんだなぁ…」といたたまれない気持ち。

次回は、また劣化したシリコンコーティングを取り去って、新たなコーティングを塗布することになります。
マニキュア状のコーティング剤で管理されていた大理石は、それを続けていくしか方策がありません。
いったん窒息死した大理石は、再び息を吹き返すことは無い。だってもう「死んでる」んだもん。
確かに、コーティングを塗布すれば、根を詰めて磨かなくとも、たやすく光沢を得られる。技術もいらず、材料代も安く済むから、当然ながら料金が安い。撥水するからお手入れ簡単、強度も増す、とコーティングの利点を付加させれば、セールストークも上手くいく。飛びつく人も多かろう。
でもさ!今このときが安くて手軽でも、将来が無くなるっていうか、けっきょく高くつくんじゃないかなぁ。
大理石を石材研磨で復元(回復)するためには、今までのメンテナンス方法を把握しておかれることが重要であると思います。
今までの管理の方針によっては、復元できない可能性もあるということ。
その場合、今までのメンテナンス方法と向き合って「まずった」事実を受け入れて頂ける方にしか、最善策を採ることができません。
なお、ウォッシュテックの標準的な石材コーティングは、ポーラスと同じ大きさの分子がピターっと並んで、表面の凹凸の「凹」だけに張り付き、「ポーラスを密閉するかたちで隠蔽しない」仕組みになっています。大理石の窒息事故が無くなるよう開発されたハイテク仕様。
そこいらのコーティングとは一線を画す。健全な大理石を、健全にメンテナンスし、健全に保護する目的です。
2016年1月21日
御影石の浴室カウンター 汚れのくすみがツルツルに
東京都大田区にて、石の浴室クリーニング。御影石カウンターの汚れによるくすみを復元しました。
シャンプーボトルやソープディッシュ、シェーバーなど、小物が常駐しやすく、いつもなんとなく「ごちゃごちゃ」。
シャワーのチョロチョロ流れ、洗髪などの際に飛び散りも多い箇所なので、いつもなんとなく「じっとり」。
そのようなことで、浴室のカウンターの多くは、ヌルヌル・カサカサ・くすみ汚れが目立ちます。新築時のなめらかな光沢感が失われ、不潔で古びた印象になってしまっています。

御影石のカウンターと鏡に天井の照明が反射して、ダークトーンながら明るいバスルームになるよう設計されていたと思うのですが、築4年、デザインの狙いが崩れてしまっています。

クリーニング後。くっきりと照明が映り込むようになりました。
スマホでオートマティックに撮ると、作業前はピントが合わず暗く写ってしまう…ぼやけてドンヨリ撮れすぎるのであります…そして、写真左下すみっこは、ごめんなさい、社長の靴下(足)です。
触ると、スベッとニュートラル。御影石の何となく柔らかで、ほんのりヒンヤリなめらかな感触が気持ち良く、清潔に思います。
ウォッシュテックでは、汚れを取り除いたのち、薄く研磨して新たな面を繰り出すことで石材の復元を行います。
石材が健全な状況であれば、コーティングは一切不要。石そのもの、自然そのままの美しさを取り戻すことができます。
マニキュアのようなシリコンやヒートレスガラス、あるいはワックスなど、汚れも傷も取らぬままの「上塗り」では、本物の石の輝きも感触も失われてしまいます。せっかくの天然ものが、業者のチョイスミスで人工的なフェイクに。いったんやっちまったら元どおり戻ることは不可能。残酷なくらいです。
この汚れは何なのか。汚れが付着しているものはどういうものか。そこを正しく押さえている業者を選ばなければ、高級仕様のこだわりの材質を長く使うことは極めて困難だと思います。
2016年1月18日
カーペットクリーニング用ケミカル(洗剤)で靴を洗う
お正月のお休み中、繁忙期中ずっと懸念していた我が子のスニーカー洗いに着手。
ふとした思いつきで、ウォッシュテックのカーペットクリーニングで使用しているケミカル(洗剤)を希釈。
トラフィックレーン(歩行路線とも呼ばれる。土足歩行のカーペットにおいて、同じルートの導線が汚れの帯としてクッキリ汚れているさまのこと)対応のヤツです。
ここからは通常通り、しばらく漬け込んで、ブラシで擦る。
驚愕!
すかーんとキレイに!!
いつもはお洗濯系の洗剤で洗っていましたが、こいつは、エクストリームな仕上がり!
子供の靴は、泥汚れやアスファルトにあるネトネト汚れで真っ黒けっけになりがちです。しかも、メッシュだの合皮だの、ややこしい派手な素材が入り組んでいる。
カーペットの繊維、一本一本をくるんでいる汚れに的確に入り込んで、ダメージ無くアプローチできるケミカル。
ドンピシャキターッ

ウォッシュテックで使用しているカーペットクリーニング用の洗剤は、ドライクリーニングでは対応できない繊細な衣類の深刻な染み抜きを専門に請けている業者さんも「企業秘密的に」お使いになっている。
それをだいぶん前から知っておきながら、私のバカバカ。
もうこれで、スニーカーを何で洗ったらいいか悩まなくて済む〜やった〜。
2016年1月13日
ねちっこい動きでドライソイルを回収するよ
ウォッシュテックのカーペットクリーニングの作業のはじめは必ず、専用掃除機を掛けるところから。
私は、「オーレックちゃん」と親しく呼んでいます。
なぜなら、このバキューム(掃除機でパラパラと乾いたゴミや汚れ「ドライソイル」を回収する)作業は、「誰でもできる簡単なお仕事」であり、下働きの私が担当しているからです。ふれあい率が高いんですね。
きわめて単調な仕事ですが、オーレックちゃんには鉄の掟がございます。
1秒あたり10〜15センチくらいの速さで動かすこと。
ご家庭でお使いの掃除機で「いつもの感じ」を思い出されてみると「えっ…ノロい」とお分かりになるかと思います。
オーレックちゃんには、螺旋状のブラシが内蔵されています。
こちらは、バラバラにして洗ったときの写真。オーレックちゃんは、清潔を保ち、部品交換で長く使えるように、シンプルな仕組みになってます。

左端のが、その螺旋型ブラシ。
軸は、意外にも「木」!もちろんとても頑丈ですが、もし使用中に欠けたとしても樹脂みたく鋭利にならず飛んできても誰も怪我しない。メイドインアメリカの合理主義です。
このブラシの毛一本一本が、カーペットの繊維に入り込み、粉状の乾いた汚れを掴んで持ち上げて掃除機の内部に送り込む。
1秒10〜15センチ。その速さであれば、一連の動作を的確に遂行できる、というわけです。
それ以上の速さで動かすと、ブラシはカーペットの上を撫でて空回りするだけ。オーレックちゃんの能力を全て生かしきることができない。結果、取れるゴミの量は少なくなる。汚れが残る。仕上がりが気持ち悪くなる。ということ。
カーペットの汚れのザックリ75%が、実は乾いた粉状の汚れ「ドライソイル」。そのほぼ全てが、初動のバキューム(掃除機がけ)で回収できるのであります!
正しく行いさえすれば。
この流れを知っておれば、さーっさーっとバキュームして、ハイ次の作業!というナメきったことは出来ません。
このねちっこい動きが美しい仕上がりに直結するのだ…とかブツブツ言いながら、初動から真剣にバキュームするはずです。
現に!この方法でバキュームするとですね、6帖くらいのお部屋でも、手のひらに山盛り乗るくらいのパラパラした粉状の汚れが回収できるのですよ。
※ちなみに、やわらかな樹脂製ブラシなので、カーペットの繊維を刈り取ることはありません。
※もちろん、ダイソンなどの家庭用掃除機を日常的にお使いの場合でもです。
ウォッシュテックにカーペットクリーニングをご依頼くださるお客様は、ご紹介の方が少なくありません。
多くの方が、こう仰います。
ネットで調べても、値段はまちまち…6帖5000円くらいもあるし、30000円以上のところもある。もちろんそれぞれ良いことが書いてある。調べれば調べるほど、分からなくなってしまった。
ネット情報ではなく、確かな仕上がりを求めようと直接に知り合いに聞いてウォッシュテックに決めた、と。
仰る通り、カーペットクリーニングの業者選定はきわめて難しいと思います。
ウォッシュテックと同じケミカル(洗剤)の写真をサイトに掲載している業者もある。巨大な機器を掲載しているものもある。なのにすごく安いこともある。写真で見てもピンと来ない。何が決め手か、ぜんぜん分からない。ですよね。
業者選定のためにネットサーフィン中の方がおられたら、ひとつ知っておかれるとよいと思います。
カーペットクリーニングは、機材オペレーションの重要度が非常に高い作業です。
ヘボなケミカル、ショボな機械では、いかなテクニシャンでも結果を出せない。そしてもし機材が優れていてもスカタンこいていたら、結果を出せない。
ケミカルや道具の役回りを正しく把握し、スペックをフルに活かす形で正しく使えているか。
その証明となるような記述が散りばめられているサイトを選ばれると失敗が無いと思います。逆に言えば、そういう具体性が一切ない業者をフワッと選んだら、必ず失敗するわよー。ということです。
2016年1月 9日
洗面 水栓(蛇口)付け根の錆と汚れをクリーニング
東京都港区のマンションにて、トイレクリーニング。
トイレの手洗いは、タンク一体ではなく便器のサイド、薄い収納棚の上に設置されています。
限られたスペースでやりくりするため、陶器に刺さっているというか、こういう形状が多いですね!
入り組んでいて、小さくてダイナミックな動作でおそうじしにくい。はみ出しそうな感じで手を洗うから、汚れもはみ出してきて溜まりやすい。
ハッと気が付くと、蛇口の根っこ、さ…錆てるぅっ。わゎ…自分でやってみたけど、どうにもならん。ということで、ウォッシュテック出動となりました。

写真中央の灰色の棒は、どけるのを忘れて撮っただけで、特に意味はありません(すんません)。ちなみにこれは、プラスティック製の先が薄くなったヘラで、ガッチガチの石のような汚れを酸でゆるませてから、殻をめくるような動作で弾き取っていくときに使う道具です。
このような、陶器と金属(金属といっても、無垢…つまり断面が全部おなじ金属、ということではなく、表面がメッキ加工になっているもの)をクリーニングする場合、付着している汚れの性質は同じでも、洗剤や道具を使い分けねばなりません。
特に酸性の洗剤。パサパサと曇らせる、石の膜のような水垢をほどく際の必須ケミカルです。これ、陶器だとダメージゼロだけど、メッキに付着するとシミみたいに腐食しちゃう場合があるのです。ぜったいに触れさすな!と初心者マーク時代の私、社長によくドヤされていました。
そのようなトラブルのリスクを下げるため、熟練のハウスクリーニング業者であれば、例えばどこどこのメーカーのメッキは強いけど、ここのは特に弱い。なので、ケミカルの組み立ては、こう。みたいな理論が頭に入っておるというわけです。
なので私は、ハウスクリーニングとは、「自分が知りえない理論と出来えない実践→安定した美しい仕上がり」を買う、ってことかなと考えてます。
もう一言加えるならば、「自分が知っている理論と出来うる実践」はハウスクリーニングではなく「家事代行」あるいは「おそうじ」で、ゆえに当然ながら安価で、私どもとは別カテゴリということです。
そして、クリーニング後のトイレ手洗いボウル。

うん、おしゃれ。
金属は金属らしくギラッと輝き、陶器は陶器らしく温かで清潔そう。
デザインがオシャレであればあるほどに、汚れが付くと「年は取りたくないものだ。新しく若いことだけが、美しいのか。諸行無常。ちーん」みたいな気持ちになりがちですが、
ウォッシュテックのハウスクリーニングなら、まだ、イケる!ですよ。
2016年1月 8日