換気扇の油汚れは、アルカリで落とす。
アルカリとは、セスキとか炭酸塩とか、きついところでは水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)でしょうか。
これは、「おそうじ」でも「ハウスクリーニング」でも、もはや常識というか広く知られたことだと思います。
しかし、ウォッシュテックの換気扇クリーニングは、アルカリのパワーをあまり重用していません。
たしかに、苛性ソーダの水溶液が油汚れに触れると、一瞬で油汚れが溶けます。ジュッと煙が上がるような感じで。早い。簡単。
しかし、ついでにアルミ製の換気扇(フィン)も腐食しています。肉眼で見ると、表面が黒ずんだり、白く粉が噴いたようにになっている。顕微鏡レベルで見ると、フガフガの凹凸になっている。
油汚れは酸性。金属に長期にわたりベットリ覆っていると金属疲労(劣化)の原因になります。ちょっとくらいアルカリに腐食しても、油汚れを放置しているよりナンボもマシ。そういう意味で、強いアルカリで洗うのは全然ワルいことではありません。
とはいえ、「アルカリで落とす」から「中性でも落ちるよ」の方が、劣化リスクは更に少なくなるのでは。
だいいち、強力な油汚れを溶かすような強いアルカリを持ち歩きたくないし、皮膚がただれるからってゴッツくて長いゴム手袋を嵌めて旧式のロボットみたいな不器用な動きになるのも、クールじゃない。
そして、ウォッシュテックの換気扇クリーニングにおける挑戦が8年位前から始まりました。
※2010年7月11日「脱・強アルカリ」関連記事。
現在使っているのは、中性の洗剤。世界最高水準の技術から生まれた、きわめて環境性能および安全性が高く、油分への浸透にすぐれた界面活性剤。
60℃のお湯に浸しながら作業。油がスムーズに乳化するので、汚水は白っぽいです。
苛性ソーダを使った場合、こんな風に白くはなりません。旧式の洗剤では、界面活性剤がここまでうまく働かないので、汚水は焦げ茶色。
結局は金属のヘラでこそげ落としたり、けっこう大変になります。でも、社長が使っているのは、絵の具筆と同じ材質の毛でできたぶっとい刷毛。
この刷毛、国内で使っているのはおそらく社長だけ。アメリカでゲットしてきて、日本では見当たらない。とても重宝。大事に使ってます。
手には、薄い手術用手袋だけ。これは水でふやけた皮膚を金属でスパッとか切らないように着けているだけで、実際は素手でも大丈夫。
半分だけキレイになったところ。
アルミが焼けていないけど、油汚れもない。
新築(新設)からずっとメンテナンスさせていただけるのならば、ずっとこのまま繰り返すことができるのですが、実際のところは大体ほかの業者に焼かれている!残念です。