浴室の床。陶製タイル。
這いつくばってブラシでゴシゴシそうじしても、ぜんぜん成果が出ない!
濡れたらいったん消えるけど、乾いたらまた現れる!
この白いカリカリ汚れは何なんだろう?
それはですね、水道水の中に溶け込んでいるシリカを中心としたミネラル(イオン化した金属)が、その場で干上がって、積もって積もって白く目で見えるまでに積もっちゃったものです。
このブログでは、こういう硬くて白いカサカサ汚れを大雑把に「水垢」と説明することが多いのですが、水垢を構成する成分は、その地域の水源によってまちまちです。
たとえば、カルシウムがほぼほぼということもあれば、マグネシウムが多めなこともあるし、この写真のようにシリカの含有率が高いこともあります。
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もちろん、そもそもミネラルなんか、ほとんど含まれていないという地域も少なくありません。豪雪地域や火山がない地域では、水垢を見たことが無い方もいらっしゃることでしょう。ウォッシュテックがある首都圏では、残念ながらそういう地域は皆無であります。
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カルシウムは、柔らかくて溶けやすい金属です。チョーク。卵の殻。お酢で溶ける。中学の理科の実験で、カルシウム片に塩酸かけたらショワッと消えた。ね、わりと親しみをもってイメージできますでしょう。
従いまして、比較的、かんたんに落とせるんです。ちょっと酸の扱いが分かっているおそうじ業者であればツルッとクリアできると思います。
一方、きわめて難しいのはシリカです。私どもでは「シリカスケール」と、他の水垢とははっきり区分して称しています。
シリカはですね、えーと…運動場の砂を、しゃがんでじっくりご覧になると発見できるかと思います。運動場って、全体にベージュっぽい色あいなのですが、よく見ると小さい鉱物で構成されていますよね。その中に、透明の白っぽい、ちょっとガラスのようなツブツブがあると思うんですね。ちょっと黄色っぽいとか、ちょっと灰色っぽいとか…少なからずの量、あると思います。
そして、地下水をイメージしてください。山に降った雨水が、いったん地面に吸い込まれます。地中にある、さっきの白っぽい透明の鉱物を溶かしながら潜っていって、泉から噴き出す。集まって川になっていく。飲用OKの水道水にするにしても、不衛生な菌への対処はされてもミネラル分は(基準値を超える極端な例を除き)ほぼそのまま、我が家へ。
かくして、その水道水を使って生活をすれば、うっすらガラス質の石がビッチリくっつくことがある。と、いうわけです。
そういった経緯があるため、地下水源がメインとなっている地域は、シリカが特に多い傾向が見られます。
上の写真をズーム。これが、お掃除しても変わることがない、乾くとまた浮き出てくる水垢。シリカが含まれる白い汚れ「シリカスケール」!
黄色っぽかったり、灰色っぽかったり、超接近で見た砂の色を思い出されると「そうか!」ってなると思います。
この流れを知っているハウスクリーニング業者は、極めて少ないです。従って、対処方法が全く分かりません。どんなケミカル(洗剤)か道具が有効か、それも思いつかない。ならば、落とすことは出来ない。薄くすることもできず、ギブアップするはずです。
こちらのお客様も、大手ハウスクリーニングに依頼したが、変わらず。ネットで見つけたハウスクリーニング業者に依頼したが、変わらず。
そして、ウォッシュテックに辿り着いて下さいました。4年くらい「あれもだめ、これもだめ」と、されていたのですね。
今回のお客様のお話では、前回に頼まれたハウスクリーニング業者の様子は、下記のようなことであったそうです。
9時に来て、夜の7時まで作業をしていました。リビングからも聞こえるくらいの音で「ガーリガーリ」何かで擦っていました。
終わった後のバスルームは、壁はわりかしきれいになっていたのですが、床はほぼ変わらずでした。翌朝、乾いた状態で見ると、ちょっと湿った昨晩よりも「さらに、ほぼ変わらず」という印象。
そのときは、こんなに長時間がんばってくれたんだから、と情にほだされたものの…でも、汚れが変わっていない事実は、納得できないでいました。
そう、つまり、前回のハウスクリーニング業者は、とてもとても困っていたのです。解けない問題を目の前にして、手の尽くしようがないけれど何とかしなければならないと。
ウォッシュテックの浴室クリーニング後の様子。
水垢のモヤモヤがあったときは、すぐに焦点が合ったんですが、タイルがニュートラルな状態だとピンボケして上手に撮れません。しょうがない。ズームをもう一枚。
もちろん新品同様、新築に戻るわけではありません。でも、不潔っぽくてもはや全く愛せない…という状況はまぬかれたのではないでしょうか。
もちろん、ガリガリと削り落とす音も無し。ポリッシャーが回る音と、ブラシが軽やかに当たる音だけです。
通常のユニットバスよりは時間が掛かりましたが、15時すぎ無事終了。前回の業者と同等の料金です。
自分が対処しきれなかった汚れを前に、「もうちょっと時間を頂ければキレイにできるはず」「もうちょっとお金を頂ければキレイにできるはず」と考えるハウスクリーニング業者は、多いもの。
違います。そう考える人は、何日かけても何十万もらっても、シリカスケールを落とすことはできない。
劇薬でタイルの表面ごと焼いて溶かしてしまうか、取らずに上から塗装をして隠蔽するか、お客様を説得して勘弁してもらうか。いづれかの方法を採らざるを得ない。シリカスケールだけを除去するのではなく、ぜんぜん違うことをしなくてはならない。
時間やお金を理由にして、自らを省みず努力しようとしない人間か、否か。シリカスケールは、ハウスクリーニング業者・おそうじ業者の資質を分ける、いわば踏み絵のようなものなのです。
ハウスクリーニングを頼まれる方が「シリカスケール」をご存じならば、より効果が高いハウスクリーニング業者をすぐに見つけることができます。貴重な時間とお金。有益にお使いくださいますよう。
追記の記事:これはまだまだカルシウム多めの水垢だ。真性シリカスケールってどんなんだ?