ウォッシュテックの業務を月ごとにご紹介
大理石タイルの研磨 仕上がりを数値でチェック
今まで、ただ何となく大理石の研磨ビフォアアフターの写真をアップし続けてきたのですが、作業後は光度計で数値をご覧いただき、お客様にチェックをいたただいています。
装置のコードをビョーンと伸ばして床に密着させると、「この床、真っ暗な状態・一瞬で見てみたんですが、このくらいワタシの光を跳ね返してますよ」ってのを数値化してくれます。
研磨前は、「5」。
お引渡し時は「104」。
ビルメンテナンスを含む既存の大理石研磨の世界では、この「数値」だけがきわめて重要視されています。
下請・孫請・ひ孫請の清掃業者が作業を行うことが一般的であるため、上の担当者に「これだけ結果が出ましたよ」と具体的なデータで報告せねばなりません。
「数値が向上する」そのこと自体が目的になっている傾向があります。
こんなに飛躍的に数値が上がりますよ、と打ち出せば現場を得ることは容易。実際に作業を行わない元請が持ち回って営業を掛けるには「数値」の話は、必須です。
しかし、数値は、しっかりと汚れを取り除かず傷も消滅ささないまま、マニキュアのようなコーティング剤やワックスを塗布するだけでも、上げることができます。
研磨だけで仕上げなくとも、凹凸で乱反射しとろうが、シリコンの膜だろうが、ともかくテカッとしとれば、機械は良い数値を出してくれる。
ウォッシュテックは、そういう事情から「数値」で「どんなもんだい!」とアピールすることを何となく避けてきたのでした。
だいいち、ウォッシュテックはお客様と直接お取り引き「のみ」でさせて頂いているので、書面上で、上の・上の・そのまた上のオジサン(そのオジサンは大理石のことなど知らない)のために説得&報告しなければならない、って現場は一切ありません。
私は、大理石こそ感覚的にチェックして頂きたいなと考えています。
とろけるような繊細なマーブル模様、象牙のように滑らかな触り心地、セラミックなど人工のタイルとは一線を画した温かさ。
実際に肉眼でご覧いただき、手指で触れて頂くことができるなら、すぐにお分かりいただけます。
ウォッシュテックの目的は、「高い数値」ってよりも、お客様に
「私の資産である大理石が、こんなふうに変わった。いいもんだなぁ、ウチの家は。満足」
って「ときめいて」いただくことにあるのです。数値は、後からついてくるものと考えてます。
2015年12月27日
キッチンシンクの水栓まわりのカリカリ汚れとカビをクリーニング
横浜市港北区の戸建にて、キッチンクリーニング。
キッチンのシンクと、水栓のカビと水垢です。
表面に薄茶色の膜が張ったように汚れています。可動パーツの継ぎ目から、黒くカビが見えています。
濡れた手でハンドルを上げ下げするので、付け根の後ろ側に凸凹に積もった水垢とカビが混ざった汚れが固着しています。
キッチンクリーニング、終了時のシンク水栓付近の様子。
ステンレスの梨地と、シンク内側の平滑な面のコントラストが美しい!水栓の光沢も鮮やかで「おぉ、アナタはこんなに素敵なフォルムをしていたのか…」などと、しげしげと見つめてしまいます。
私は、使われずに綺麗なままのキッチンよりも、使い倒されている気配があるキッチンの方が好きです。
大事な人が美味しいって元気になってくれるために、あるいは明日がんばるワタシのために、たくさん働いているキッチン。とても尊いなぁって思います。
だからでしょうか、トイレも浴室もわりかしそうなんですが、キッチンはことさら、
「うん、きれいになったねぇ、また頑張ってね、おいしいやつ頼むよ」ってコンロの五徳とか魚焼きグリルの内側とかスイッチのひねるところを洗いながら、いちいちブツブツ言ってしまうのでした。
きもくてすんません。でも、褒めちぎった方が面白く作業できるから(笑)
お客様が、今夜から、楽しい気分で、おいしいものをたくさんこさえてくださいますように。
2015年12月25日
浴室鏡のコーティングを削り落として機能を損なわず、白い汚れだけをクリーニングする
真っ白になった浴室の鏡。
以前、ダイヤモンドで鏡の水垢(うろこ)を落とすと、またすぐに汚れる理由を書きました。
もう一つ、ダイヤモンドでは「いけない」理由があります。
ここ15年ほどかと思いますが、ユニットバスの鏡は、汚れにくい(白く曇りにくい)ように製品出荷段階で「コーティング」が施されている例が増えてきています。
特に2008年以降のマンションでは、もはや標準仕様になっているように思います。
バスミラーのコーティングは、極めて繊細です。分子レベルの厚みしかなく焼成温度が低いため定着力が低いため、例えばタイルの釉薬や塗装などと比べて「ものすごく取れやすい」。
ダイヤなんてガッサガッサした硬いもんをガーッと(←オービタルの動きをイメージしてください)当てたら、ひとたまりもなく削られて剥がれてしまいます。
コーティングは先ほども書かせて頂いた通り、極めて薄く透明の膜ですから、「ある」か「削れて消失した」かは、よほど目が慣れた人でなければ見分けることはできないと思います。
ダイヤを当てれば鏡のコーティングは、即時、死す。
ハウスクリーニング業者がその事実を知っていても知らなくても、お客様が気づかれても気づかれなくても、もとよりある機能を我が手で奪うのは、あまりにも罪深いのではあるまいか!
しかも、浴室の鏡の水垢除去は、別料金だったりする。除去後、コーティングは死に、更に水垢が付きにくい鏡として生きるしかない。(ね、罪深いよね?!)
ウォッシュテックは、鏡をクリーニングする際、コーティングを殺さず水垢(汚れ・曇り)だけ取れる。
どうやって!?
他のハウスクリーニング業者に出来ず、もちろん一般のおそうじ好きの方にも出来ない技術。ウチは、それで飯食ってます。
私どもは、無益な殺生はいたしませぬ。
コーティングを殺さないから、鏡一つとっても、ウォッシュテックの浴室クリーニングは、一回やったら、なかなか汚れない。それゆえ、あんまり頻回に頼む必要がないということです。
ただし、パナソニック(松下電工)のクリアコートミラーは、いかなる技術をもってしても「モヤッとした仕上がり」になります。
「モヤッと」と言っても、肉眼で確認できるかどうか…というレベルです。ウォッシュテックでは、一部実際にクリーニングしてみてお客様に「この程度モヤモヤとしますが、続きをされますか、何もなさいませんか」とご判断をお願いしております。
たいていの方は「鏡としての機能を取り戻すことができるなら、その程度のモヤモヤは全く気になりません。白い汚れを取り除いてください」と、ご判断なさいます。
そして、「それよりも…数年でこんなに汚れるのにコーティングが施されていたとは。そして、他のバスミラーでは攻略できているものが、この製品だけがモヤモヤと剥がれ落ちてしまうとは。製品やサービス一つにも、企業姿勢というか何を大事にしているかが如実に表れているのですね」と仰る方が多いです。
私どもは、実際に何千件と住宅の汚れや劣化の仕方を定点観測しておりますから、メーカー(作り手)の考え方がよく分かります。浴室鏡は、一般の方にも分かりやすい例かもしれません。
2015年12月22日
浴室の扉から出て来た汚れダンゴ
ユニットバスクリーニング。
社長、浴室の作業中。私が洗面台のクリーニングに入るべきかと声掛けしようとしたら、ん?
なんだコレ!?
あーそれね、扉の枠の下側にモッサリと髪の毛とカビと絡まったえも言われぬネトネト汚れがあったのと、扉のスリットから出て来たえもいわれぬ汚れ。
めんどくさかったから水気を絞って置いといた。あとで捨てるわ。
!!
換気扇から取れた油ダンゴは硬いの柔らかいのよく見るけれど、浴室にもダンゴ、いた。
なんだか心にグッときたものの、宝物にはしたくない…即刻ゴミ袋にイン!(笑)
2015年12月20日
キッチン換気扇クリーニングの洗剤の話
換気扇の油汚れは、アルカリで落とす。
アルカリとは、セスキとか炭酸塩とか、きついところでは水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)でしょうか。
これは、「おそうじ」でも「ハウスクリーニング」でも、もはや常識というか広く知られたことだと思います。
しかし、ウォッシュテックの換気扇クリーニングは、アルカリのパワーをあまり重用していません。
たしかに、苛性ソーダの水溶液が油汚れに触れると、一瞬で油汚れが溶けます。ジュッと煙が上がるような感じで。早い。簡単。
しかし、ついでにアルミ製の換気扇(フィン)も腐食しています。肉眼で見ると、表面が黒ずんだり、白く粉が噴いたようにになっている。顕微鏡レベルで見ると、フガフガの凹凸になっている。
油汚れは酸性。金属に長期にわたりベットリ覆っていると金属疲労(劣化)の原因になります。ちょっとくらいアルカリに腐食しても、油汚れを放置しているよりナンボもマシ。そういう意味で、強いアルカリで洗うのは全然ワルいことではありません。
とはいえ、「アルカリで落とす」から「中性でも落ちるよ」の方が、劣化リスクは更に少なくなるのでは。
だいいち、強力な油汚れを溶かすような強いアルカリを持ち歩きたくないし、皮膚がただれるからってゴッツくて長いゴム手袋を嵌めて旧式のロボットみたいな不器用な動きになるのも、クールじゃない。
そして、ウォッシュテックの換気扇クリーニングにおける挑戦が8年位前から始まりました。
※2010年7月11日「脱・強アルカリ」関連記事。
現在使っているのは、中性の洗剤。世界最高水準の技術から生まれた、きわめて環境性能および安全性が高く、油分への浸透にすぐれた界面活性剤。
60℃のお湯に浸しながら作業。油がスムーズに乳化するので、汚水は白っぽいです。
苛性ソーダを使った場合、こんな風に白くはなりません。旧式の洗剤では、界面活性剤がここまでうまく働かないので、汚水は焦げ茶色。
結局は金属のヘラでこそげ落としたり、けっこう大変になります。でも、社長が使っているのは、絵の具筆と同じ材質の毛でできたぶっとい刷毛。
この刷毛、国内で使っているのはおそらく社長だけ。アメリカでゲットしてきて、日本では見当たらない。とても重宝。大事に使ってます。
手には、薄い手術用手袋だけ。これは水でふやけた皮膚を金属でスパッとか切らないように着けているだけで、実際は素手でも大丈夫。
半分だけキレイになったところ。
アルミが焼けていないけど、油汚れもない。
新築(新設)からずっとメンテナンスさせていただけるのならば、ずっとこのまま繰り返すことができるのですが、実際のところは大体ほかの業者に焼かれている!残念です。
2015年12月19日
油汚れで、わかっちゃう
換気扇・レンジフードのクリーニング。
なんででしょうね、いかにも酸化したガチガチの油汚れなのに、洗剤でほどくいてスルスル状態になると、今ここで焼いているかのようにフレッシュ&リアルに食材を感じられるんですね。
魚であれば、みりん干しか、青魚か、白身か。そんくらいは分かります。
でも、社長。トークをスッとばし過ぎです。
2015年12月17日
シリカスケールって何だ? 追記
先日、「おそうじしても取れない白い汚れは何なのか」「それはシリカスケール」という記事をアップしました。
すみません。白状します。あれ、あんまりシリカスケールではありません。
導入部として分かりやすいので、カルシウムけっこう多めのをアップしました。
ツウの方からすれば、「あれはシリカスケールとはいえないよね〜」とバレバレじゃないの。うわ恥ずかしい、耐えられない。なので、今回はザ・シリカスケールの画像をアップしてみます。
えいやー!
ユニットバスの壁面パネルです。
薄くて見えませんか?同じ画像をズームしてみます。
薄く白っぽい垂れ跡みたいなのが、ご確認できましたでしょうか。
シリカスケールの特徴は、下記の通りです。
1)濡れたら消える。完全に乾くと現われる。
2)凹凸も質感の変化も、ほぼ無し。手で触る程度では差を感知できない。光に透かすと目視できる。
ともかく、うっすーいのです。でも、確かに見える。しかも消えない。なんでしょうね、ゴースト的な存在の水垢のような。
シリカは、極めて特殊な酸にしか反応しません。しかし、その酸に一定の条件を順守せず触れると、浴室の樹脂やタイルやパネルなどは、たちまちにして変質してしまう。光沢が無くなり、色が変わってしまいます。
つまり、極めて難度の高い洗剤を、正しくオペレーションできなければ、…ドーン!!(←笑ゥせぇるすまん)
ドーン!ってなったことがあって、トラウマ的に手を付けない。ドーン!は怖いって聞くから最初から手を付けない。それがハウスクリーニング業者の「シリカスケール・スタンダード」。
乾いたら見えるけど湿っていたら見えない。なので、ハウスクリーニング業者は、濡れた雑巾で軽く水分を取った状態で引き渡します。アフターの写真も、ちょっと湿った状態で撮る。お客様が後から気づかずお風呂に入って一度でも濡らしてしまえば、それでセーフ。
しかし。他の業者ではでき得ない現場をやって12年サバイバルしてきたウォッシュテックは、
真性シリカスケールも、ツルーン!
ズームしてみます。そうそう、この写真はもちろん完全に乾燥した状態で撮影しております。
傷つけて削っていません。薬品でただれた跡(スジスジ)も全くありません。光沢感が戻っており、平滑なので前にいる社長中島がクッキリ鏡のように写っています。
以上、シリカスケールだけを素材を傷めることなくオフできるという画像でした。
これならツウの方がご覧になっても「ワンダフル」と言っていただけると思います。
なお、今回の写真は、元々傷が付いていないのでツルッと取れた例です。
シリカスケールと当てずっぽうに戦ったハウスクリーニング業者が一度でもあった場合、あるいはゴシゴシガリガリとお客様ご自身が深追いをされた場合は、復旧レベルが著しく低下します。ご用心!
2015年12月16日
大理石(タソスホワイト)玄関タイル 曇って真っ白をツルツル鏡面に
東京都品川区のマンションにて、玄関たたきの大理石タイルを鏡面に研磨してまいりました。
今回の大理石の種類は、タソスホワイト。大理石独特のマーブル柄は目立たず、つるりと白いことが特徴です。
つるりと…白、かった。はずです。新築の引渡しのときは。
しかし築12年、現状は、歩行による摩擦傷が入り、靴裏の汚れが付着して、何の材質かも分からないくらいに曇ってしまっています。表面は、全体にパサパサと粉っぽい印象。
去年に中古で買って、そのときにクロスやフローリング、キッチンを替えたんです。でも、この大理石は打つ手が無くて。というか、磨いて直せるなんて、思いもつかなかったし、不動産仲介業者さんも、リフォーム工事業者さんも、「大理石なので、仕方ありませんよ」と言ってましたから。「仕方ないのかなぁ」と思っていたんですけど、ネットで調べたら、ちゃんと磨いたらキレイになるって出ていて。もう、周りの新しいクロスやフローリングとの違和感に耐えられなくなっちゃって。
と、お客様。
そうです!大理石は、ちゃんと磨けば光るコなんです!なのに、「古いんだから、しょうがないです」「じゃあ、しょうがないんだな」なんてもったいない。
大理石のおうち。と聞いたら、だいたいの人が、「何百年と続く伝統と格式。絢爛豪華ゆえの威厳」ってイメージされますでしょう。それが、10年やそこらで古い汚い物質に変化して、捨てねばならないものになったら、おかしいですよね。ロココ調のお城で、めっちゃ頻繁に改修工事があったとは考えにくいですよね。
でも、大理石は、傷付きやすく汚れやすいです。産地や年代に関わらず。
じゃあ、なんでいつもピカピカ鏡面なのでしょう。
がっつりメンテナンスしているからです。磨く。光る。磨く。光る。光り続ける床。ならば、我が家は栄え続けている。その証になるのが大理石。だから、貴族階級に重用され、必死でメンテナンスされてきた歴史があります。
現代日本社会でも、「気品と知性を備えた」「伝統の」「邸宅」のようなコピーがついた高級仕様のマンションには、大理石が多く採用されています。
もし「高級」マンションに長く住まれるならば、磨いて鏡面に戻すという技術を、ぜひ知っておいて頂きたいです。
ツルリと光っていない大理石は、その歴史を知る人からすれば「いまウチは繁栄してません」アピールと見なされます。大理石が曇っているだけで。なんか、屈辱的じゃありませんか。
研磨後の玄関タイル。
タソスホワイト特有の、雪のような白。研磨前には全く見えませんでしたが、氷の粒のようなクリスタルがところどころ見られ、可憐でかわいいです。
大理石にワックスやコーティング剤を塗布したり、表面を浅く磨いただけでは、大理石の凹凸が乱反射してチラチラとうすっぺたい光沢感になります。しかし、ウォッシュテックの大理石研磨は、凹凸がビシッと平滑になるので、光が乱反射せず真正面からバチーッと跳ね返り、光沢の迫力がそこいらとは違います。
大理石は、研磨の方法によって、「スーパーやコンビニのような輝き」にも「高級ホテルのような輝き」にもなる。
そのことも、知っておいて頂きたいことの1つです。
2015年12月15日
浴室タイルの白いカリカリもやもや汚れをクリーニング
浴室の床。陶製タイル。
這いつくばってブラシでゴシゴシそうじしても、ぜんぜん成果が出ない!
濡れたらいったん消えるけど、乾いたらまた現れる!
この白いカリカリ汚れは何なんだろう?
それはですね、水道水の中に溶け込んでいるシリカを中心としたミネラル(イオン化した金属)が、その場で干上がって、積もって積もって白く目で見えるまでに積もっちゃったものです。
このブログでは、こういう硬くて白いカサカサ汚れを大雑把に「水垢」と説明することが多いのですが、水垢を構成する成分は、その地域の水源によってまちまちです。
たとえば、カルシウムがほぼほぼということもあれば、マグネシウムが多めなこともあるし、この写真のようにシリカの含有率が高いこともあります。
※
もちろん、そもそもミネラルなんか、ほとんど含まれていないという地域も少なくありません。豪雪地域や火山がない地域では、水垢を見たことが無い方もいらっしゃることでしょう。ウォッシュテックがある首都圏では、残念ながらそういう地域は皆無であります。
※
カルシウムは、柔らかくて溶けやすい金属です。チョーク。卵の殻。お酢で溶ける。中学の理科の実験で、カルシウム片に塩酸かけたらショワッと消えた。ね、わりと親しみをもってイメージできますでしょう。
従いまして、比較的、かんたんに落とせるんです。ちょっと酸の扱いが分かっているおそうじ業者であればツルッとクリアできると思います。
一方、きわめて難しいのはシリカです。私どもでは「シリカスケール」と、他の水垢とははっきり区分して称しています。
シリカはですね、えーと…運動場の砂を、しゃがんでじっくりご覧になると発見できるかと思います。運動場って、全体にベージュっぽい色あいなのですが、よく見ると小さい鉱物で構成されていますよね。その中に、透明の白っぽい、ちょっとガラスのようなツブツブがあると思うんですね。ちょっと黄色っぽいとか、ちょっと灰色っぽいとか…少なからずの量、あると思います。
そして、地下水をイメージしてください。山に降った雨水が、いったん地面に吸い込まれます。地中にある、さっきの白っぽい透明の鉱物を溶かしながら潜っていって、泉から噴き出す。集まって川になっていく。飲用OKの水道水にするにしても、不衛生な菌への対処はされてもミネラル分は(基準値を超える極端な例を除き)ほぼそのまま、我が家へ。
かくして、その水道水を使って生活をすれば、うっすらガラス質の石がビッチリくっつくことがある。と、いうわけです。
そういった経緯があるため、地下水源がメインとなっている地域は、シリカが特に多い傾向が見られます。
上の写真をズーム。これが、お掃除しても変わることがない、乾くとまた浮き出てくる水垢。シリカが含まれる白い汚れ「シリカスケール」!
黄色っぽかったり、灰色っぽかったり、超接近で見た砂の色を思い出されると「そうか!」ってなると思います。
この流れを知っているハウスクリーニング業者は、極めて少ないです。従って、対処方法が全く分かりません。どんなケミカル(洗剤)か道具が有効か、それも思いつかない。ならば、落とすことは出来ない。薄くすることもできず、ギブアップするはずです。
こちらのお客様も、大手ハウスクリーニングに依頼したが、変わらず。ネットで見つけたハウスクリーニング業者に依頼したが、変わらず。
そして、ウォッシュテックに辿り着いて下さいました。4年くらい「あれもだめ、これもだめ」と、されていたのですね。
今回のお客様のお話では、前回に頼まれたハウスクリーニング業者の様子は、下記のようなことであったそうです。
9時に来て、夜の7時まで作業をしていました。リビングからも聞こえるくらいの音で「ガーリガーリ」何かで擦っていました。
終わった後のバスルームは、壁はわりかしきれいになっていたのですが、床はほぼ変わらずでした。翌朝、乾いた状態で見ると、ちょっと湿った昨晩よりも「さらに、ほぼ変わらず」という印象。
そのときは、こんなに長時間がんばってくれたんだから、と情にほだされたものの…でも、汚れが変わっていない事実は、納得できないでいました。
そう、つまり、前回のハウスクリーニング業者は、とてもとても困っていたのです。解けない問題を目の前にして、手の尽くしようがないけれど何とかしなければならないと。
ウォッシュテックの浴室クリーニング後の様子。
水垢のモヤモヤがあったときは、すぐに焦点が合ったんですが、タイルがニュートラルな状態だとピンボケして上手に撮れません。しょうがない。ズームをもう一枚。
もちろん新品同様、新築に戻るわけではありません。でも、不潔っぽくてもはや全く愛せない…という状況はまぬかれたのではないでしょうか。
もちろん、ガリガリと削り落とす音も無し。ポリッシャーが回る音と、ブラシが軽やかに当たる音だけです。
通常のユニットバスよりは時間が掛かりましたが、15時すぎ無事終了。前回の業者と同等の料金です。
自分が対処しきれなかった汚れを前に、「もうちょっと時間を頂ければキレイにできるはず」「もうちょっとお金を頂ければキレイにできるはず」と考えるハウスクリーニング業者は、多いもの。
違います。そう考える人は、何日かけても何十万もらっても、シリカスケールを落とすことはできない。
劇薬でタイルの表面ごと焼いて溶かしてしまうか、取らずに上から塗装をして隠蔽するか、お客様を説得して勘弁してもらうか。いづれかの方法を採らざるを得ない。シリカスケールだけを除去するのではなく、ぜんぜん違うことをしなくてはならない。
時間やお金を理由にして、自らを省みず努力しようとしない人間か、否か。シリカスケールは、ハウスクリーニング業者・おそうじ業者の資質を分ける、いわば踏み絵のようなものなのです。
ハウスクリーニングを頼まれる方が「シリカスケール」をご存じならば、より効果が高いハウスクリーニング業者をすぐに見つけることができます。貴重な時間とお金。有益にお使いくださいますよう。
追記の記事:これはまだまだカルシウム多めの水垢だ。真性シリカスケールってどんなんだ?
2015年12月14日
模様替えのためのカーペットクリーニング
横浜市都筑区にて、カーペットクリーニング。
長らく別の用途でお使いだった洋間を、このたび大幅リニューアル。でもリフォームはしない!でもカーペットが汚すぎる!とのことで、ウォッシュテックにご依頼くださいました。
家具をのけた跡が、クッキリです。「ドアから入ってきて、右側の壁にドンつきのデスクに座る」導線の跡(トラフィックレーン)もクッキリです。
掃除機で吸ったんですけど、黒ずみとベトベト感が全然変わらなくて。リフォームするには資金が足らず。管理組合に申請して打ち合わせや工事してゆく時間も無いし。クリーニングで、せめて少しでも清潔な状況になれば嬉しいです。
と、お客様。
かしこまりました。
カーペット専用ブラシ付き協力掃除機でバキュームし、汚れを取り除くための洗剤を散布し、マイクロファイバーのブラシ付きのパットでポシッリュ、先に撒いた洗剤を中和させながら繊維を健やかに保つための別の洗剤を内蔵させたエクストラクターで噴射しながら同時に水分と汚れと残留洗剤を強力に吸い取り、乾いた清潔なマイクロファイバーのパッドで、僅かに残留した水分と汚れを吸着させます。
お引渡し時には、靴下を履いて上に立たれても違和感なし程度の乾き具合に。乾燥した気候の首都圏であれば、寒い冬でも夜には通常のご生活に戻られることができます。
最上の仕上がりなのに、住まわれる方のご負担は最小限。
これが、ウォッシュテックのカーペットクリーニングの強みです。安い業者だったら、そうはいかないわよ。だって、そうなるような手順を踏んでいないわけですもの!
カーペットクリーニング後。
新品同様ではありません。けど、上の写真と比べてみてください。
なお、中央、まっすぐに伸びたトラフィックレーンは、灰色に残っております。これは、繊維疲労(カーペットの毛が歩行による摩擦で擦り切れて、短く汚れと絡まって縮れている状態)で、クリーニングのレベルでは、回復不可(いかなる技術をもってしても物理的な理由で修復できない状況)です。
もう少し早くお伺いできておれば...繊維疲労が深刻になる前であれば、もっとスッキリ落ちたと思うのになぁ...と、ちょっとテンション低めに作業を終了。しかし、
これは見違えた!と、テンション高めに仰ったのは、当のお客様でした。
繊維が長くなったみたいに感じる!ふかふかで、触るとサラサラだ。清潔なことが、すぐに分かりますよ。カーペットクリーニング、思い切って頼んでよかった。安くついて助かりました。
お話伺ううちに、お母様をお迎えになられるための模様替えと分かりました。ローテーブルとベッドという床に近いお過ごし方になるとのこと、ご安心頂ける結果となり、私どもも嬉しい思いです。
2015年12月12日
大理石(ビアンコカラーラ)の玄関タイルを石材研磨
東京都世田谷区のマンションにて、玄関タイルに貼られたビアンコカラーラを石材研磨いたしました。
大理石。今回は、白色に、淡いグレー・濃いグレーが混ざり合う「ビアンコカラーラ」という種類です。
石材研磨は、養生するところから始めます。
ダイヤモンドの研削力を大理石に効率よくアプローチするためには、常に水の層をキープしながら、摩擦による熱をうまく利用してゆくことがポイント。けっこうな量の水を使うので、大きなタオルでドテ(もんじゃ焼きのイメージで)を作った中で機械を使いますが、さらに養生テープとビニールのシートでガードする必要があります。
写真、上半分と下あたり中央、もやんとオレンジ色のムラがあるのがお分かりになりますでしょうか。
光沢が失われてパサパサとした質感になっているためあまり目立ちませんが、これは、水濡れが多い大理石によく見られる現象です。
当ブログで何度も書いておりますが、大理石はいっけん硬そうですが、実は白木やスポンジのようにフガフガに穴だらけの石です。
それにプラスして、ビアンコカラーラやアラベスカートなど「白&グレーっぽい」大理石は、鉄分が多く含まれているという特性があります。どこにどの程度の鉄分が多く含まれているか…もともと「珊瑚や微生物の化石」ゆえに、まだらすぎて予測不可能なのです。
だから、このタイプの大理石が嵌っているおうちの方は、今から知っておいてください。
1.鉄分→水でサビる。
2.大理石→水に濡れる→スカスカの穴ぼこに水が入って含まれている鉄が酸化する→オレンジ色の赤さび色になる→スカスカの穴ぼこを伝って伝って、赤さびがドンドン広がる。
その赤さび色は、タイルの内部(断面)や裏側から回ってきているので、表面数十ミクロン、厚みにして官製はがきの1/3程度しか届かないダイヤモンドによる石材研磨では変わりません。
錆びていない面を新たに繰り出せば、もちろん錆のオレンジ色は無くなります。論理的に。でも、目地は?平らさは?おかしなことになってしまうので、追求されない方が現実的かと思います。
お客様にも、錆がある旨のご説明と、ツヤツヤになることでオレンジ色が鮮明に見える可能性が高い旨をお伝え。
「しかしやはり、パサパサで手入れ不足で不潔って感じがイヤなので、磨いてください!」とのご了承を得て、いざ研磨に入ります。
研磨後のビアンコ。
予想通り、オレンジ色の錆の模様が目立ちます。実は肉眼ではそこまででもないのですが、写真だと特に(ホワイ?)。
光沢感とすれば、今まで全く映り込まなかったダウンライトが、くっきりと丸く鮮明に。白色にボツボツと濃いグレーの斑点があるような印象だったのですが、薄い灰色まで目視できるようになり、繋がりが感じられる繊細なマーブル模様に戻りました。
「あ、いいですね!」と、お客様。(…ホッ)
水を石に染み込ませてしまうのは、禁物なんですね。知りませんでした、気を付けます。不潔さが理由のシミでないなら、まぁ良しです。とも仰ってくださいました。
そうです。この錆が出るのは、ホンモノの天然石だからという考えようもあるんです。セラミックや人工大理石では、こういうふうに石の中からジワッとオレンジ色になることは無いのですから。
パサパサのままだと、不潔が理由の染みだと思われるかもしれませんけども、これだけ光っているんなら、強気に言ってくださいまし(笑)。
2015年12月11日
セラミックタイル 自転車の油・錆の染みをクリーニング
自転車を広めの玄関に置かれているおうちのセラミックタイルをクリーニング。
自転車のスタンドの金属から出来た赤さび。
パーツの付け根あたりが錆びているので、その錆を含んだ水がスタンドの棒を伝ったのでしょうか。中性洗剤とスポンジで擦ってみるのですが、一体化したような感じで変化はありません。
前輪を動かしてみると、機械油の染みが見られます。
スポークやハブが油の黒ずみが、やはり伝ってタイルに付着した様子。機械油が表面にベトッと乗っているというよりも、平らに染みになっています。やはり、これも日常的な拭き掃除では変化が見られません。
まず、タイル全体を覆っている汚れ(ベタベタした排気ガス汚れや、土足歩行による泥汚れなど)をセラミックタイル用の洗剤でしっかりと洗ってゆきます。
なんで全体をまず洗わねばならないかというと、汚れがコーティングみたいになっちゃって、上からいかなるアプローチをしてもフタになって届かないんです。加えて、あわよくば汚れとくるまって錆や油シミも一緒に取れてきてくれほしいなーという期待もあるんです。(事実、全体を洗うと薄くなることが多いです)
全体の汚れを取り去ったのち、残った錆と油をスポットで対応。タイル用洗剤では効かない分を、それぞれ専門的な洗剤で化学変化させて、ほどきます。
錆は、チオグリコール酸という成分を含む薬剤を使います。チオグリコール酸は、パーマ液に含まれる成分。美容院でよく嗅ぐ、あのツンとした臭いがあります。
美容師さんに聞いたのですが、パーマ液は日々進化しており、最近はチオグリコール酸の濃度が低くても効果が感じられるようになって、臭いも少なくなったんだそうです。
ということは、錆に効くケミカルも同様なんでしょうね!10年前に嗅いだのとは大違い。当時は、しゃがんで錆びの上にのばすとウっときたもんです。効きもよくなってます。
かくして、錆の染み!
続いて、油の染み!
場所をずらして撮ったんじゃないのぉ?と思われるかもしれませんが、床タイルの地道なマーブル模様を照らして頂くと、大体の場所が一致していることがお分かりになるかと思います。
2015年12月10日
浴室 曇って見えないワイドミラーとカサカサの浴槽
前回の社長の現場日誌の続きを、わたくしめがレポートします。
INAX社製、黒を基調としたユニットバスのワイドミラー。
なんにも見えないわー。浴室を広く見せる目的のはずなのに、白い四角が貼られているみたいになっています。
続いてこちらは、浴槽の縁(ふち)。これも白くパサパサと卵の殻のような膜が薄くのっかっています。よく見ると、モヤモヤと丸い形が重なったような跡。
たまさか浴室クリーニングの「床だけ」「鏡だけ」とオーダーをいただくことがございますが、浴室の場合、「床だけ」「鏡だけ」が汚れている例は、ほとんどありません。
一部分だけ特に気になる箇所があると仰る場合でも場合、実際に見てみると「浴室全体が汚れている」と判断できるように思います。
ここのホクロさえ無ければ、けっこう私って若いよねーと思って除去した。しかし、…やっぱり全体の帯状毛穴とほうれい線がフケ顔のイメージを作っていたんじゃないか?そりゃホクロが無くなったのから、無くなっただけの価値はあるけれど、問題はポイントではなく全面的だったんだな…。
のようなことが、「家」にもあるのかもしれません。
浴室クリーニングの料金は、現場に伺うまでの交通費や浴室用のユニットをきれいな状態から下ろすことに掛かってきますので、一部分だけのご依頼は、多少額面が小さくなったとしても、とても割高になります。
「結果を出し、満足を得る」とすれば、浴室一室をされる方がやはり合理的ではないでしょうか。
床とカウンターから視線をずらして、ワイドミラーはこんな感じ。もちろん壁面もツルツルっとしております。
浴槽は、このように。傷を付けず、殻のような膜だけをツルッとピーリング。当初のアイボリーホワイトに戻り、ニュートラルでプルプルの触り心地に。
社長、勝利のピース?
よく戦ったので、それもあるかもしれませんが、こういうときの写真は、指と手の形がクッキリ見えて欲しいからチョキにして頂戴と私がお願いしたのでした。
2015年12月 9日
INAX 黒を基調としたユニットバス サーモフロア床とエンボスカウンター
品川区大井町で浴室クリーニング。
INAXの黒色のサーモフロアとエンボスカウンターでしたので、金属石鹸だけでなく、水中のミネラルがスケール化したものは、白色に近いために、濃色は非常に目立ちます。
一般の方のおそうじではほぼ対応できないものでお困りの方が多いですが、ハウスクリーニング業者にとっても極めて厳しい現場といえます。
私は不器用なので、無い知恵を振り絞って、汚れの種類と、その部材に合わせてケミカルを使い分ける事で、綺麗に洗い上げるしかありません。
今日は、酸を7種類・中性を3種類・アルカリ3種類・ポリッシュ系4種類、沢山使う、ほんの少し使うなど差違はありますが、使用しました。
まだまだ課題はありますが、現在の私の実力からすれば、最高の仕上がりと言っても良いかもしれません。
2015年12月 7日