東京都世田谷区のマンションにて、カーペットクリーニング。
リフォームの際にウォッシュテックにご相談頂き、ウール100%のカーペットをお選びになりました。ハードに使われて人目につきにくいお部屋を除き、全面的にウールカーペットです。
ウールのカーペットにすると、本当に気持ち良いものです。常に20〜25℃を保とうとする性質なんだそうですね、夏は室内がほのかにひんやり、冬はほんのり温かいんです。不思議!天然こその高機能。
そして、ウールは羊の一張羅コートなわけですから、繊維の表面が油分で保護されており、汚れや水を弾いてくれる作用もあるのです。
「うっかり赤ワインをこぼして、もう駄目だぁと慌てたんだけど、急いでタオルで拭いたらスッキリ取れて、ウールでヨカッタ。」と、お客様。
そのように優れた機能をもつウール100%のカーペット。
しかし、これを満足にクリーニングできる業者は、日本においてとても少ないです。
衣類ではウォッシャブルウールも多くなってきていますが、カーペットでは、全くありません。アルカリ性に触れるやいなや縮みますし、質感もゴワゴワになります。そして、色落ちもしやすい。
ウールのカーペットの質感を損なわず、汚れをしっかり除く。一般的な業者が行う方法でのカーペットクリーニングでは、一発アウトであるからです。
カーペットクリーニング前。
ところどころ、食べこぼしなどの汚れが目立ちます。全体に、繊維が押しつぶされたようになっており、表面は何となくうっすら灰色っぽい埃のような汚れが絡みついています。
安全性が高く、ウールを全く傷めない中性の洗剤を均一に噴き付け、ポリッシャーで馴染ませる。その後、汚れと水分と残留洗剤を、マイクロファイバーのパッドを小まめに取り替えながら、なるべくマイクロファイバーにくっつける…あるいは、転写する…のようなイメージで、極限まで濯いでゆきます。
それでも薄く残ったら、仕上げにシミ取り剤をスポット的に使って。洗剤も汚れも、きっちり布に転写させると、シミは薄くなっています。
貼り付いたような灰色の汚れがなくなって、本来の淡いピンクベージュ色に。繊維の一本一本がフンワリ立ち上がって、モザイク状のデザインが、くっきり見えるようになりました。
ここで、作業中、別室に詰められていたご主人が用事で戻られてきました。
「素足で大丈夫ですか?あっ、もう乾いてて歩けるんですね、…わっ、すごいキレイ…フカフカだぁ。なんだか部屋の空気も澄んでいるような気がしますね。」
うふふ。そうなんです。カーペットクリーニングをするならば、作業後すぐに「やった!」感を身体で味わっていただきたい。そこも、ウォッシュテックが重視するポイントです。
ビチャビチャだったら、キレイになったかどうかなんて、分からないのです。目でも足の裏でも。
ここで、ウールのカーペットクリーニングをご依頼の際、ご注意いただきたいポイント。
ウールは、上記の通り、とても傷みやすい繊細な天然素材です。それゆえ、長期間放置された汚れや染みなどの強い汚れに対し、強い洗剤を使うことができません。
汚れだけに着目すれば、取れる。でも、ウールはズタズタ。それじゃあダメ。なので、一貫してマイルドな洗剤を使い、ジェントルなアプローチが必須です。
従いまして、汚れを溜めて溜めて強くしてカーペットクリーニングに挑まれると、どのような技術を忠実に施しても、「対処できない」汚れが出てきます。限界があるんです。
ウールの機能を気持ち良く最大限に発揮するためには、その「限界」に達しないスパンでご依頼頂くのがベストです。
排気ガス汚れが厳しい首都圏では、年1回くらいでしょうか。特に、気候が安定していて、黄砂・花粉・PM2.5が終息する、5月くらいが、おすすめの時期です。