ひゅ〜… 妖怪「すきま風」を遠ざけろ

怪談のBGMか、雪女の登場効果音か。家の中に突然、「ひゅ〜、ぴ〜ょ〜、ふぃぃ〜…」そんなふうな怪音が鳴りひびく。

も…もの悲しい!!

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今回は、その「ぴ〜ゅ〜ぅぅぅ、ひ〜ょ〜ぉぉぉ」音を解説してみます。

この現象は、気密性の高い住宅でよく見られます。特に、高層マンション。もっといえば、都市部。昭和は遠くになりにけりの21世紀なのに、隙間風とはこれいかに。

この現象、換気扇が作動している時に発生しませんか。

たとえば調理中、入浴中など。なおかつ、周りを見渡すと、窓が全て閉まっているのでは。

ハッとされた方は、次の事項をチェックしてみてください。

●24時間換気のフィルタを閉じていませんか。

●開いている場合、内臓のフィルタがホコリや排気ガスで汚れて目詰まりしていませんか。

換気扇をONすると、ファンが回って、室内の空気を引き込み、室外に強制的に排出します。気密性が高い住宅において締め切った状態で換気扇をONにしますと、換気扇は「空気が引っ張れない!しかし、どっかから引っ張り込まなくちゃ」と、ちょっとした隙間を探して、かき集めようとするんですね。

すると。ほっそーい、ほんのわずかな窓の隙間から、換気扇が排出しようとする空気とほぼ同量の引き込むことになり、かなり勢いよく「ぴゅ〜〜〜ぅぅぅ」という音が発生。

「また出た!怪奇現象」ということに。

もちろん、このような状況では換気扇本来の換気能力を保つことはできません。

換気能力が下がると、どうなるか。

調理中に発生した油分のミストが部屋全体に飛び散り、汚します。たとえばエアコンの熱交換器が油っこくギトギトになる。キッチンやリビングの換気効率が落ちており、エアコンが飛散した油分のミストを寄せてしまうんですね。常駐するカーテンや床は、何となくベットリ重い感触に。浴室であれば、水分や温かな空気が残り、カビやヌルヌル汚れが発生しやすく。やですね。

「なんでなんで、うちは掃除を頑張っても頑張っても汚れてしまうのかしら。おどろおどろしい。これも怪奇現象か?」うーん、それは。出ていって欲しいもんが出て行かず、そこに留まっているせいかもしれません。

大きく空気を引き込んで、大きく外に出す。それがベストです。換気扇の仕事量を上げるためには、強力なモーターよりも「空気をスムーズに引き込める環境」が重要なのです。

都市部の高層マンションでは、四季を問わずエアコンで室内環境が管理されています。生活中に窓を開け放つことは少なく、高気密な構造。外気に排気ガスなどの浮遊物質を多く含むため、フィルタが目詰まりしやすく比較的短期間で効力を失ってしまう。そのようなことから、アーバンでスタイリッシュなデザインなのに、前時代的な「ゆきおんな的な妖怪」が寄りやすい傾向に

24時間換気の装置を「なんでコレ、ついてるんだろう?」と思われる方も多いかと思うのですが、実は非常に重要な働きをしているのです。ぜひ上手く生かしてください。

清潔に、ツーツーにして、換気をON!これで妖怪「すきま風」は退散です。

日時:2014年7月 9日 AM 10:49
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