まだ5月なのに、夏みたい。暑い日が続いています。となると、カビ。気になりますね。
お風呂の残り湯、翌朝フタを開けたら「わっ。なんか、カビくさい!」。キッチンのシンクの横に置いた食器洗いカゴの水受けトレイ、「わっ。きのう洗ったのに。白いブヨブヨのカビが!」。と、このように、暑くなるとカビと遭遇する局面が増えてきます。
そうはいっても、塩素のカビ取り剤をシュッシュシュッシュ噴きまくるのもイヤですよね。なんといってもキケンな香りがする。小さな子供さんがおられる場合には特に避けられたいかと思います。カビ取り剤は樹脂や塗装面を着実に傷めます。スカスカと脆く、表面がパサパサしたり、ポキっと折れてしまったり、壊れやすくなるのです。設備機器類を長く使われたいのならば、ヘビーユースは得策とは言えません。
かといって、カビが体に良いはずはありません。不潔で気持ち悪いですし。
そういうことで、私が強く提唱するのは、「カビを殖やさない生活を身に付けることこそが最もエコで、最も掃除上手といえる。っていうか、掃除をヒーコラ頑張らないで最大の結果を出そうぜ」理論です。
日本人が最も嫌だと考えるのはトイレ掃除よりもお風呂掃除らしいです。なるほど、浴室の汚れは難しい。そこで。お風呂掃除を、なるべく楽にする「キモ」は、ここじゃー!

浴室扉の、下にあるスリット(隙間)。拍子抜けでしょうか。ジミでスイマセン。
このスリット。何のためにあるのか全く気にされていない方も多いのですが、、通気口として非常に重要なのです。居室から浴室内に空気を引き込み、換気扇から屋外にスムーズに排出する、その入り口になるわけですから。ここがツーツーであれば、浴室内の湿った温かい空気が入れ替わり、カビが殖えない環境をカンタンに保つことができるのです。
もし扉のスリットが塞がっていたら。なんぼ換気扇を回していても換気効率が高まらず、ジトッとぬくい時間が長くなり、カビが好む環境が保たれるということです。
「うちは窓を開けて換気扇を回すから換気は十分できている。」と、お答えになる方も多いかと思います。窓の位置はたいてい浴槽の上あたり。つまり床よりかなり高い位置にありますね。その窓を開けて換気扇を回したとします。窓から天井にある換気扇の距離は近いかと思います。従って空気の動く範囲は小さく、浴室内の空気は淀んだままになります。そして窓付近に植栽や河川がある場合、引き込む空気も湿っています。換気効率が高いとは言えません。
事実!窓を開けて換気をしている世帯の浴室は、かなりの高確率で汚れが厳しい傾向ありです。
ユニットバス扉の下部にある通気口から、浴室で最も汚れが厳しい「床」を低く舐めるように、カウンターや浴槽を通過して、天井まで上げて逃がす。これが浴室換気の王道です。
「え。扉の隙間に、そんなに重要な役割があったなんて」と、ご自身でお掃除されてみてください。その時、お分かりになるかと思うのですが、ここの汚れ、ずーっとされていないと、とーっても難しいです。
カビやらホコリやらがガチガチの石のように固まって、スポンジで擦っても落ちません。ほじろうと思っても、外すこともできず形が複雑に入り組んでいて、うまくいきません。
浴室クリーニングでは、このようにやっています。
外せる仕様の扉であれば取り外し(なので、周りに傷が付かないようにタオルを敷いているのが写真に写ってます)、ガチガチに固まった汚れを洗剤で段階的にゆるめ、カビを殺し、竹べらのような道具でチマチマネチネチほじくり、シャワーで流し…で、
ほどいた汚れは、扉の裏側に。
ギャー!茶褐色の、えもいわれぬ汚れがドサッ。
間もなく梅雨。カビウヨウヨのお風呂場にウンザリの方は、ご自宅の浴室扉、ツーツーかどうか、ぜひチェックされてみてください。
そして、正しい換気法を実践されて、らくちんな夏をお迎えくださいね。
暑いお風呂場で、ゴム手袋して、マスクして、カビキラーを撒く。そんな地獄、なるべく少ない方が平和ですもんね。