以前、座りションについて書きました。社長は、「男子たるもの家庭のトイレで立つなかれ」主義です。
しかし、世の夫たちが皆そうではありません。断固、立ってしたい派もおられる。
「トイレが汚れて掃除が大変なの、だからお願い、座ってして」と、妻から100万回言われても、かわいい盛りの愛娘から「パパ、すわって」とお願いされても、ぜんぜん立ってする。と、嘆く女子たちの多いこと。
「俺は、こんな汚くしている妻にガマンできる優しい夫」と言ったって、実際にトイレにかがんで這いつくばって掃除をする妻からすれば、何の助けにもなりません。
事実、座ってした時の「跳ね返り」が自分に付くのがイヤで、より跳ね返る方法を採用しているわけですから、それは妻を受け入れ許しているわけではない。
毎日忙しくて疲れているのだから仕方ない、ガミガミ言っても余計に関係が悪化するだけだ、と妻は今日もトイレで腰をかがめて拭き掃除。でも、頭を去来するのは「どうしたらヤツは座ってするんだろう?」ってことでしょう。
ウォッシュテックのトイレクリーニング、実は、夫がそれ以降、座りションに変わった例がナンボもあります。
たまたまご主人がご在宅で、社長と話す機会があった場合が多いです。
社長は、立ちションで汚れが厳しい状態になっているトイレについては、積極的にその弊害を伝えます。
小専用の便器は立ってするための形状ですが、そもそもこの形の洋便器は、立ってするためのものではありません。社会的な理由もあることですし外では立ってしても構わないですが、自宅では座ってされた方がよろしいでしょう。シャワー付き便座の不具合や故障は、立って用を足すことによるものが大きいということもあります。
というような内容です。ごっついおっさんから、それはもう大真面目に伝えられるのです。ご主人様もうなづかれるほかないと思います。
その後、だいたいのご主人は「座り派」に転向されるようです。後からお話を伺いますと、「いや、もう、ものっすごくキレイになったから…」と仰います。
清潔さ、美しさに、人は、必ず屈服します。不潔で汚い状況から一転させるということは、とにかく「圧倒的」である。私は、このような変化が見られるとき、いつもその思いを強くします。
あ、たまに「座ってオシッコすると、男性ホルモンが減るって言うじゃないですか」と真顔で仰ることがあります。そんな時、社長は、それは「そんなウソをついてでも、ぜったいに座りたくない」オトコの言い分ですねぇ!と、にっこりバッサリです。(笑)。
2月。お客様から連日おしゃれチョコを頂戴し、モテ気分にひたる社長。
「家に入れる職人に、お茶やお菓子を出さないと手抜きされる」「何か供さないと見くびられる」と、どなかかから言われたことがあって、だから、「出さなければならないのだな(メンドクセ!)」と思われている方、多いんじゃないでしょうか。
結論としまして。そんなことはありません。(大工・内装・設備など職種問わず)
しかしながら、職人の多くは男子です。調子に乗せるのはたやすく、調子に乗せるとより一層頑張れる、そういう事実は否定しません。
「あなたがしてもらって嬉しいことは、わたしも嬉しい」。「あなたがされてイヤなことは私もイヤだ」。というシンプルな精神で、フレンドリーに接して頂くと、職人の能力はいつもより着実に増します。
チョコなど高級なお品を頂く…恐縮で嬉しい。でも、頂戴するときに添えられたお言葉やお気持ちは、チョコ以上に嬉しいもの。プライスレスな嬉しさに対し、お代以上のことをしてしまうのは、当然かもしれません。
男子を「ウフッ」とさせるに長けた方は、同じ料金を支払っていても、かなりお得なことになっているんだと思います。
世間では「プロの」掃除、「プロの」ハウスクリーニングという表現が多く見られます。
たとえば「プロだから安心」「プロだから技術がある」「プロにおまかせ」など、何らかの確証・担保の符号のように使われています。
ここでの「プロ」とは、「職種」「稼業」という意味合いで使われていると思われます。
「稼業」ですから、名刺に刷っちゃえば、フランチャイズに属せば、もうその日から「プロ」を名乗って仕事を請けても支障ない。例えば、シンガーソングライターやイラストレーターと同じく、「プロ」だからといって一定の技量を保証するものではありません。
ですから、まず今までの「プロ」の概念は、そこいらへんに置いておいてください。
今回は、「プロだからとあったのに期待はずれ」「プロなのに何ということだ」のような悲しい誤解を引き起こさないために、正しい「プロ」を解説してみます。
ご存知でしょうか、ハウスクリーニングにおける「プロ」という言葉。「ハウスクリーニングでメシを喰っている」のような意味合いとは別に、もう一つあるんです。
ハウスクリーニングという業務には、種別があります。大きく分けて3つです。
1.メイド(家事代行)
1〜3日おき、日常的に行われる清掃。拭き掃き掃除が中心。いわゆる「主婦」による掃除を代わって引き受けるサービス。
経験度が低いパートタイマーでも一定の結果が出せるよう、道具や洗剤は非常に簡易なもので、「間違い」が起こらないようあえて低スペックになっている。従って、洗剤類の使用量、ごく少ない数種類に留まる。
※下記「2.ジャニトリアル」と統合して分類されることも多いですが、分けた方がイメージしやすいので、この表現で。
2.ジャニトリアル
ジャニターとは「管理人」を意味する英語です。したがって「ジャニトリアル」は住居などの管理業務を指します。
2週間〜3カ月程度に1度、定期的に行われる清掃。日常的な清掃では対応できない「メイド」サービスと比較して、もう少し深度のある作業を行う。
上記の通り、2週間〜3カ月程度に1度、定期的に行われる清掃を前提とした「業務用」の洗剤および道具を使用する。
メイド同様、人種、学歴、世代を問わず間違いなく作業に当たれるよう、洗剤の希釈度合いは50倍程度までとし、用途を商品名で表現するなど、分かりやすい設計になっている。すぐにわかる強さで着色料や香料を使うことも、誤使用を避けるために重要と言える。
ジャニトリアル用洗剤および機材の世界的市場規模は、下記「3.プロフェッショナル」とは比較にならないほど巨大である。
現在の日本で販売されている「業務用」の製品のほとんど全てが、ジャニトリアルを対象としている。
そのため、日本では、ほぼ全てのハウスクリーニング業者が「ジャニトリアル」に属す。
3.プロフェッショナル
1〜2年に1度、定期的に行われる清掃。メイドおよびジャニトリアルでは対応が難しい作業を行う。
1〜2年単位の厳しい汚れに対しても安全に対応することが求められるため、より高品質な環境性能および安全基準を満たす洗剤、専門性が高い機器を多種織り交ぜて使用する必要がある。
洗剤の多くは無着色無香料、希釈濃度も原液から数百倍希釈となるため、取扱いが難しい。(危険物だから難しいという意味ではない。)
ダメージリスクが高い困難な現場においても一定の結果を出さねばならないため、機材の構造や複雑な洗剤の使用方法を習得し、建材部材の特性や汚れの組成を正しく知り、柔軟に対応できる技能が不可欠となる。
基本的に、2年以上放置された汚れについては該当する洗剤も機材も設定されていない。したがって、これを越える時期放置された汚れについては、クリーニングの範疇では対応不可となる。
クリーニングの範疇を超える汚れについては、なぜ対応不可であるかを正しく伝え、なおかつスムーズに改修工事(リフォーム)に引き継ぐための知識も備える必要がある。
※ウォッシュテックは、プロフェッショナルに属します。
上記1,2,3の分類、しっかりと認識されましたか。そのうえで選ばれれば「え、プロなのに?」というガッカリは劇的に少なくなるかと思います。
ハウスクリーニング業者を選ばれるうえでは、依頼主の希望内容とのミスマッチを避けることが最も重要です。
メイド業者にジャニトリアル業者にしか対応できない汚れを任せても取れるはずがなく、プロ業者にメイドの仕事をさせると気が効かないし何せ割高です。
また、10年以上何も手を入れなかった汚れに対してプロ業者を投入しても、「壊れてしまうかもしれませんから、しっかり洗えません。交換してください」と言われます。
例えば、これがミスマッチ。ミスマッチな業者に依頼すると、満足な結果には絶対に至れません。
始めにも書かせて頂いた通り、どのハウスクリーニング業者も、「汚れが落ちる!」と豪語しています。料金も似たり寄ったり、探せば探すほど迷うかもしれません。
ハウスクリーニングを頼むとすれば、何を望み、何を任せたいのか…まずは自分との対話が必要です。The Choice Is Yours。あなたが、あなたの責任で選んで、決めるのです。
最も分かりづらいと思われるのは、「メイド(家事代行)」以外かもしれません。ジャニトリアルとプロフェッショナルの違いを明確に宣言しているハウスクリーニング業者は、日本ではほぼ見当たりません。
しかし、ここが重要。分類のお勉強よりも、大事なことは何でしょう。悩みの汚れがどうなるのか、でしょう。
ジャニトリアルの洗剤や道具を用いるならば、数か月以上経過した汚れを解決することはできません。難しさとは引き換えに、汚れが落ちないように作られているのですから。
「ならば」と、手が焼けたり目に染みたりするような強い洗剤を何リットル使っても、落とすことはできません。汚れを取り去るのではなく、汚れが付着している素材そのものを焼いて溶かすことなり、むしろ取り返しのつかない損傷を与えることになります。
結果、手持ちの洗剤と道具では満足な結果を引き出せないことから、粗い道具で削り落として対応する傾向があります。
その時にはきれいになるかもしれませんが、より深く素材に傷を付け凹凸を刻んでしまうため、汚れが再付着しやすくなり、また、損傷や劣化にも直結します。
ハウスクリーニング業者自身も、自分が何を期待されているのか、何に属しているのか知らないのです。
作業時間が少ない、料金設定が安い、ゆえに削ってでも結果を出すのは正当なこと。自分の使っている洗剤や洗剤では落ちない、だから落ちないと言うのは仕方がない。そのように考えて「プロフェッショナル」のようになろうとするハウスクリーニング業者は、事実、少なくありません。
けっして技量がないからではなく、自分の役割を正しく捉えていないから、誤った着地になっているのだと思います。自分の役割を極めていけば何とかやっていけるところを、どこかでつい言い訳や誤魔化しやエエかっこしぃをしたくなる。つじつまを合わせるために強引なことをせねばならなくなる。
それが外から見ていると非常に怪しく分かりづらいのです。そして、ハウスクリーニングをしてみたい人たちをケムに巻いて惑わせることになる。
「お母さんのカレー」「洋食屋のカレー」「ホテルのカレー」どれも美味しい。どれも食べたいときがある。ホテルのカレーは格調高い。だとしても、それを作る調理人がセレブなわけじゃない。ゆえに羨むこともない。そのように振る舞う必要はない。それぞれの美味しさを追求すれば良し。ですが、ハウスクリーニング業界は依然混迷状態のままです。
ウォッシュテックは「プロフェッショナル」です。
作業に使用する洗剤・機材、全ての道具は、一般の方にお教えすると驚かれるような価格ですし、いきなりポンと渡されても使い方も何も分からないものばかりです。
自分は、このようなハウスクリーニングをしています。だからこそ、この結果になります。その裏付けは、このような内容です。と、ご検討いただく方に向けて可能な限り正確にお伝えするように努めています。
「自分は何ものか」ハウスクリーニング業者が正しく語り、正しく受け止められることがスタンダードになれば、キレイで気持ち良い住まいが増えると思うんだなぁ。キレイで気持ちいい家に長くいるって、それだけで人生だいぶん幸せだと思うんだなぁ。
いつもより小難しい長文にお付き合い頂きましてありがとうございました。でも、これを最後まで読まれた方は、きっとヘンテコなことにならないと思います。