ウォッシュテックの業務を月ごとにご紹介

御影石の浴室 クリーニング

港区の分譲マンション。御影石のバスルームを浴室クリーニング

私は京都出身ですから、御影石といえば淡いグレーに黒いツブツブ模様を思い浮かべるのですが、首都圏では圧倒的に黒御影がメジャーです。黒御影の漆黒は、深くてかっこいいものです。

そういうことも関わりがあるのでしょうか、都心の高級分譲マンションには、黒色を中心とした御影石の浴室が多く見られます。重厚なモノトーンのバスルームです。

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漆黒の御影石タイルで設えられたカウンターと、同じく御影石のタイルの床。床はバーナー仕上げといって、表面がザラザラに焼きこまれた加工です。滑らないようにしてあるんですね。同じ色の御影石でも、表面が凹凸であると、色が少し淡く見えます。

しかしながら、築3年を過ぎて、現在。カウンターの表面には白い膜のような汚れが覆い、ところどころ筋のように垂れたように見えます。床タイルには、分厚く白い汚れが。褐色の汚れも混じって見えます。

写真、床の一部が濡れています。水に濡れると、一時的に色が濃く戻って見えますが、表面はヌルヌルと何かが付着していることが足ざわりで分かります。

「毎晩、バスルームが汚れているのが気になって、そこに立つのも気持ち悪くて。でも、どうやって掃除したらいいのか分からないし、石って間違うと大変なんでしょう?実は、こないだ泊まりに来た姪っ子に、お墓みたいなお風呂場、って言われてショックで…」と、お客様。

うーん、浴室よりもお墓の方が汚れが付きにくい環境にあるかと思いますが、御影石は汚れると「和」テイストになって、おどろおどろしい、っていうことかなぁ。それは厳しいお言葉ですね!

御影石は、大理石よりも密で固い石です。ですから、扱いは比較的やさしいといえます。しかしながら、石のようにこびり付いた汚れの膜を緩ませたりほどいたりはとても難しいですから、ご自身で落としきることはできないかと思います。

浴室クリーニング、完了。

御影石のタイルって、ツルツルとザラザラ、洗う順序や道具が全く違うんですよ。そして、カウンターと床では付着している汚れも違いますし、ややこしや〜。今回も悪戦苦闘の末、こんな感じに。

床のタイルが乾ききっていないうちに撮影したため、少しムラです。すみません。

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あっ!カウンター立ち上がり部分の黒いタイルに、シャワーホース、社長の白い靴下、左側には浴室扉の枠が写ってますね。

床から上20センチくらいのタイルは、床からの跳ね返りの汚れがモロに積み重なっていましたから、白くくもって何も映らなかったのですが、うん、これぞ黒御影。

「わーっ、つるつるです。床も、もうネットリしません。私、浴室にイスを置くのが嫌いなんですが、汚れに体に近づく感じが嫌で、イスを使っていたんです。これなら、床に膝をついても大丈夫ですね。」と、お客様。

これで少しは「お墓」を思い起こさせる横溝正史的な浴室じゃなくなったかなぁ?私は、とても都会的でハイデザインなバスルームだと思います。

お客様と社長、バスルームにちょこんと正座してのお引渡し。うふふ、なんかかわいい(笑)。

2013年11月21日
24時間換気 フィルターの汚れを洗う

24時間換気が徹底されて以降、各部屋に備え付けられるようになった通気口。これは、その通気口のフィルター。外界から居室へ、送り込まれてくる空気を濾しています。

厚み数ミリ程度の不織布製フィルターは、まっ黒。

首都圏は、閑静な住宅地であっても排気ガスの黒い油性の汚れが強いです。粉塵と言うのかな、鉛筆の芯を細かく削ったようなものが入り混じっている「重い」汚れです。

もちろん、このところ再び世間を騒がしているPM2.5や、花粉、カビなども含まれているかと思います。

幹線道路沿いなどでは、1年ほどでこのように黒くなることも珍しくありません。換気口のカバーを取り外す際、すでにパラパラっと黒い汚れが落ちてくることも。私は京都の田舎育ちですから、この真っ黒を見ると「ここは、都会だ...」と、しみじみしてしまいます。

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ウォッシュテックでは、中古マンション・中古戸建をご購入された後に行う空室全体ハウスクリーニングの際、この通気口も外して洗浄します。

洗浄後のフィルターが、写真右側。

中性洗剤と柔らかいブラシで、ウールのセーターを洗うがごとく、慎重に洗浄。フィルターに目詰まりしていた汚れが取れました。

きれいになっていないじゃん、と思われるかもしれません。しかし、この真っ黒に染め上げている汚れは酸性なので、長期に亘り付着しますと、樹脂をボロボロに脆く劣化させてしまいます。カバーやフィルターの枠をゴシゴシこするやいなやパキン!強い洗剤を吹きかけるやいなやパキン!損傷の可能性が極めて高いのです。また、フィルターのフワフワを圧を掛けて潰してしまえば、通気の機能が損なわれます。したがいまして、損傷を避けつつ機能を活かす感じで洗わせて頂いております。汚れだけに注目して乱暴にやっつけては、いけません。

24時間換気のパーツは消耗品です。それでも気になる!と思われる場合は、仕様書をご参照の上、新たにお買い求めください。

マンションや戸建ての24時間換気は、表面がカバーで覆われていて、その内側にこのフィルターが装着されていることが多いです。

お風呂やキッチンやトイレ、あるいは床とは違って、目の前に汚れが露出しているわけではありませんから、つい後回しにしてしまいがちです。でも、24時間働き続けているわけですから、ちゃんと汚れている。

年末大掃除の際、是非チェックされ洗うか交換、されてみてくださいね。

寒さで窓を閉め切る時期。24時間換気は有効です。特に、キッチンの換気扇など、室内から早く「排出」したい時、効率が上がりますよ。

2013年11月17日
玄関タイル 大理石の汚れ、くすみを研磨

横浜市港北区のマンションにて、大理石タイルのクリーニングと研磨。

淡いベージュ色の大理石タイルが、黒ずみ汚れ、土足歩行による細かな傷により、くすんでしまっています。

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「同じマンション内でも、玄関タイルの曇りや汚れが気になるという方は見当たらなくて。でも、私は気になっていて。ダスキンさんに問い合わせて見積を出してもらったんだけど、それはもう凄い金額で…。そしたら偶然、ご近所の方から、大理石を磨いてきれいにできる業者を知ってる、料金もずいぶん安い、と教えてもらって。」と、お客様。

仰る通り、玄関のタイルは、お住まいの方によって気にされる方と気にされない方、クッキリな気がします。

その理由の一つには、「大理石を研磨すれば輝きや清潔感を取り戻すことができる」という事実が広く知られていないからだと思います。

知られていないのは、正しく作業できる業者が非常に少ないから。作業が複雑で、大きな損失を伴う失敗をするリスクが高く、材料コストが高い。大胆強気な宣伝で大規模に集客するには収益性が低すぎる。そういったことから、具体的な事例をどなたからも見える形で積み上げている業者は、現状ほぼありません。

そのなかでも、平米数が小さく周囲が入り組んでいるため機器の取り回しが更に困難となる「一般住宅向き」、「ハウスクリーニング業者」となると、さらに稀と言えます。

そのため、多くの方が「大理石が使ううちに曇って汚れてくるのは当たり前のこと。仕方ない。こんなもんだ」とご生活されているのだと思います。

事実、高級ショップが軒を連ねるデパートや国際的な玄関口である空港ロビーの床に使われる大理石ですら、薄汚れて光沢が失われた状態なのですから、「大理石は美しいもの」と思ったことがない、そんな方も多いでしょう。

「我が家の、この大理石をどうにかしたい」と思われる方が少ないのも当然です。

そんな状況の中、探されて言うこと信じてくださって、ご依頼頂けるとは。今回のお客様に限ったことではございませんが、いつも大理石の現場を頂くとき、よくぞ見つけてくださったなぁと運命を感じちゃうのでございます(笑)。

かくして、研磨後の大理石タイル。

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作業前、画面中央、ななめにあった黒いのは、汚れではなく影だったのか!画面真ん中の白いボンヤリは照明だったのか!と、お分かりになりますか。

玄関ドアの向こうの景色が鮮明に大理石に映り込んでいるからこそ、お分かりになったのかと思います。

上品で温かなベージュ色と、ナチュラルな赤茶色から褐色のマーブル模様。クリアながら、どこか温かみのある輝き。大理石って、こんなに美しい石ですよ。

天然ゆえの美しさ。正しくないお手入れを続けるとパサパサのフガフガになったり黒ずみが復旧できなくなってしまいます。私どもはその状況を「石が死んでしまう」と言うことがありますが、そうなる前に、お声掛け頂ければ幸いです。

正直なところ、住宅における大理石はお手入れ不足もしくはメンテナンスの誤りが多く見られます。それゆえ、新築同様、何ごとも無かったかのように戻すことはお約束できかねますが、全身全霊で善処させて頂きます。

「わぁ…期待以上です!」と、お客様。よかったよかった、ありがとうございました。

2013年11月15日
年末大掃除2013

先月まで汗ばむ気候だったのに、このところ秋が終わってしまったかのような寒さ。11月なかば。となると、そろそろ年越しのことをお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。

ウォッシュテックの2013年・年末大掃除、ただいまお承り中です。

ウォッシュテックでは、繁忙期であってもアルバイトや期間雇いを使いません。また、通常の時期よりも1日あたりの件数を増やすこともしません。

お客様の資産であるお住まいに上がらせて頂くわけですから、「誰でもいい」ではいけません。事実、ほとんどすべての現場が、頭数さえ揃えれば問題なし、というような簡単なものではございません。それゆえ、本来1日1件しかお伺いが適わぬところを1日3件回っちゃった〜時間短縮・作業省略でそれなりに見せるのもテクニックだよ、今日の売上は通常の3倍!というようなオイシイ商いができません。

この時期は「年内にやってくれるなら、誰でもいいから」とハウスクリーニング業者を探される機会も多くなります。目の前にある需要をいかにうまくこなすか。そこがハウスクリーニング業者の経営手腕といえます。

そんななか。ウォッシュテックは、「まぁ、それはさておき。通常通りのクオリティで」です。創業以来、一貫。他ハウスクリーニング業者との大きな違いかと思います。

10年目、何とかやれておりますし、ならばそういう仕事向きがお好みの方もいらっしゃるのでしょう。

そのような性分で、申し訳ございません、ウォッシュテックは年末の繁忙期でもいつもと変わらずです。作業内容をご確定、詳細なご住所とご連絡先をお教えくださった方から順に日程確保、完全先着順です。

8月ごろから例年ご依頼頂くお客様から年末のご予約が入ってきておりますが、12月、まだ空きが多数ございます。

上記のような旨から、「お願いしたい」とお考えの方が増えますと、その分だけ行列が長くなり、順送りに先の日程になってしまいます。ですから、「今年の暮れには、あの気になる汚れとお別れしてやるぜ」と思い立たれたならば、是非お早目にお声掛けくださいね。

2013年の年末も、清潔なお住まいに整えられて、お気持ち良く歳神様をお迎えくださいますよう。

2013年11月13日
ユニットバス 樹脂扉にこびりついた汚れ

横浜市西区みなとみらい地区のタワーマンションにて浴室クリーニング

2005年ごろ以降、タワーマンションのバスルームに多く見られるようになった、平滑な樹脂パネルが張られた、白い枠の浴室扉。

スタイリッシュで軽く、いかにも都会的なデザインです。

新築ご入居時はホウッとため息が出るような美しさです。とはいえシャワーを浴びたり体を洗ったりして毎日ご生活をされていくうちに、汚れゆくもの。

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このタイプのバスドアは特に、凹凸が無く1枚物の板であるために、汚れてしまうと「とても気になる…」とお悩みの方が多いようです。透かして見るとモヤモヤとくすんで目立ちやすいんですね。

そして、扉の枠を見てみると、わ、こっちもガビガビとくもり汚れが付いている。

表面がツルッとしているので、お風呂用洗剤をつけてスポンジでキュキュッと洗えば落ちるんでしょう、と思ってしまうのです。お茶碗みたいに洗えば取れるさ、と。しかし実際にお掃除してみると、落ちない!あれれ?何これ?

ってことは、カビかな?と、カビ取り剤をスプレーされる方が多いのですが、ちょっと待った!

この汚れ、カビキラーでは落ちません。タワーマンションの多くは、室内環境がドライです。じとじと湿り続けることは稀であるため、カビの発生率は少ないです。このモヤモヤは、カビではありません。

このデザインのドア枠は、ほとんどの場合、白い塗装が施されています。ここに塩素系漂白剤であるカビ取り剤を浴びせ続けると、パサパサと光沢を失い、なめらかさを崩してしまいます。表面の塗装が傷んで穴ぼこが開く形に劣化、またその穴ぼこに汚れが入り込んで、とてもとても頑固に。更にカビ取り剤を振りかけたくなる、そしてまた傷みが進む、という悪循環に陥りやすいのです。

的確な作業手順でクリーニングすれば、傷みを与えず滑らかに取り去ることができます。

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ぽっかり浮かんだお月様のように、クリアに浴室天井の照明が映り込むようになりました。あぁ、すっきり。もちろん、指で触った感触も、樹脂本来のムッチリ、キュッ。

使えば古びてダサくなる。いえいえ、ご家族皆様でしっかりお使いになられていても、ちゃんとお手入れされたなら、けっこうかなり長くまでスタイリッシュを保てますよ。

2013年11月11日
結露による和室窓枠の汚れ

一雨一雨、深まる秋。間もなく暖房をONにする季節がやってきます。

窓枠。暖房。と、きたら「結露」。

和室でお布団しいて、家族そろって、おやすみなさーい。朝起きたら、ガラス窓、水滴がダッラー。垂れてきた結露で、白木の窓枠、黒ずみがジワー。繰り返すうちに、ほんのりカビっぽい感じ…。

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そこで有効なのが、「白木のあく洗い」というテクニックです。「あく洗い」とは、ニスや塗装がされていない木材を繊維に沿って丸洗いする作業です。

「あく」は「灰汁」と書きます。日本の建築物では、木材がふんだんに使用されていました。寺社仏閣、住宅、関わりなく。木材を洗う専門職の方を「洗い屋」と呼びました。で、かつての伝統的な洗浄方法では、灰汁を水に溶いて使いました。灰汁はアルカリ性です。酸性の木に染みた汚れをアルカリ性で浮かばせて溶かして流すわけです。

時代が進むにつれ、徐々に苛性ソーダなどの強いアルカリ性に移行。煙が上がるほどの劇薬を駆使して、いかに木材にダメージを与えず汚れだけを取り去るか、そこが職人の腕の見せ所となりました。

社長は若い頃、京都のある有名な洗い屋の師に憧れたことがあり、弟子入り志願をしたのですが、「もう年やさけ、人を育てる時間あらへん。だいいち、もう洗い屋なんて、仕事あらへんよ。そやし息子にも継がしてない」とお断りされたことがあります。

そんな出来事があり、白木のあく洗いの技法には創業当初から思い入れや興味があったんですね。あく洗い単独の施工例ページを作るくらいの実績があります。

そして今。ウォッシュテックでは、世界照準で洗剤を選び、入手、採用できるようになったことで、アルカリ性の洗浄力に頼らなくともかなり洗えるように進化しました。

アルカリ性は、木材の繊維を破壊します。どんなに注意深く作業をしても、触れるとカサカサに毛羽立たせたり、白くフガフガに変色させたり。

中性に近い洗剤を使い、かつてより培ってきた木材への馴染ませ方や濯ぎ方を活かせば、ダメージを最小限に、最大限の結果を得ることができるのです。

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さらさらの質感、すっきりと滑らかで清潔に洗い上がりました。

あく洗いにはササラという道具を使う事が多いのですが、これは鉄鍋を洗うような粗いササラでは使い物になりません。細かな、まるで茶道具のような繊細で密なササラを使います。なんと社長、竹を研いで手作りするのです。研いで、束にまとめて、ゆるく紐で縛る。持って撫でる動きが、より繊細に木目に届くように。新しい技術を追い求めつつ、優れた伝統的な技術も活かしたい。とのことです。

2013年11月 7日
お風呂掃除では落ちない 浴槽、蛇口の白い汚れ

横浜市港北区の戸建。ユニットバスの浴室クリーニング

人工大理石の浴槽の縁とステンレス製の水栓(蛇口)。白くこびりついた汚れ。

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お風呂用洗剤でも塩素系漂白剤(カビ取り剤)でも落ちない。スポンジで擦っても落ちない。どうしたものか。と、お客様。

この汚れは、水道水に溶け込んだミネラル(例えばカルシウム・マグネシウム・シリカなど)が、その場で干上がって残って固まった「水垢」です。

浴槽の縁は、お風呂のフタが乗っかっていたり、平らですからいつまでも水分が流れずにいたり。そのため、この白いガビガビが付きやすい箇所なのです。水栓の上や付け根もしかり。あっと気付けば、うわー取れない落ちないーということが多いかと思います。

金属質ですから、ご家庭にある洗剤では溶けません。「クエン酸やお酢で水垢が落ちる」という説もありますが、実際のところピンとくる結果にならないかと思います。色々な汚れが混ざり合っているうちの一部は溶けることもあるので、多少薄くなるかもしれません。しかしツルリンとは落ちないと思います。

浴室クリーニング後の浴槽と蛇口。

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実は、「水垢」、私どもも簡単ツルリンといっぺんで落としきることは出来ません。何度か重ねて順序よく取り除いていくのです。手際を間違えると、わ、落としづらくなって作業が遅くなっちゃった…というようなこともあるので、着実に!

マイルドな酸やアルカリの洗剤を数種使って柔らかくして、微細な泥パックふうの材料を使って傷を付けずに滑らかに整え、乾拭きして、出来上がり。エステの蒸して撫でて拭いて…に似ています(笑)。

写真に写っている傷は、以前までのお掃除で付けられた傷です。深かったため、残ってしまいました。落ちない落ちない、えいえい!と頑張った跡です。取れない汚れに対峙すると、「どうしても落としてやる」と意気込んでしまうもの。よりゴワゴワで、よりガリガリな道具を使いたくなるもの。しかし、硬いスポンジやブラシは、フィルムのように覆った水垢にまっすぐ当たりません。かくして、水垢は落ちず、傷が付くのです。そこを知っていって頂きたいです。

最近の蛇口や金物はステンレスの塊ではなくて、表面に薄くメッキが施されている場合も多いです。軽くて安価ですので、重宝なのです。しかし、メッキであることをお風呂掃除されるご本人がご存じでないことも多いのが実状。

研磨材入りのゴワゴワのスポンジタワシ(お茶碗用の固い方のスポンジなど)でグイグイ擦り続けた結果、メッキは薄くなり傷は深くなり、入った傷からメッキがメロメロっとめくれてきている例も少なくありません。

メロメロっとなっている水栓は、私どもが洗って更にメロメロさせてしまうといけません。これ以上メッキの損傷を広げないように、通常よりもやんわり洗浄することになります。当然ながら汚れの落ちは劣ります。仕方ありません。

「取れない水垢を取ろうとする」のではなく、「取れない水垢は、付けない」。私は、それがご家庭のお掃除の極意だと考えます。ですから、このブログでは「水垢の取り方」は書きません。始めた当初から一貫していますので、検索しても出てこないはずです。しかし、付けなくする方法は何度も書きます

それはですね、水道水がその場で干上がるのを防ぐべく、早々に水を切ること。

窓掃除用のワイパー(スクイージー)をバスルームに一本ご用意。軽くて安いものでじゅうぶんです。お風呂上りに、ぺペッと撫でて、水を切っておく。床と腰から下の壁、カウンターと合わせても15秒くらいで出来ます。それだけで、この厄介な水垢は大幅軽減できますよ。

2013年11月 6日
大理石の浴室壁面 タイルの汚れ

横浜市中区のマンション。大理石の浴室クリーニング

壁面の大理石タイル。全体に表面が濁り、曇ってモヤモヤとして見えます。

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何度もこのブログに書いてきましたが、大理石はとても繊細な石材です。

お酢やレモン汁程度の酸でもシュワっと表面が溶けて凹凸になり、光沢がすっとんでしまいます。アルカリ性に触れると、これまた一瞬で黒ずむなどの変質が起こります。そして石とはいえ脆く柔らかいので、硬いブラシやスポンジで擦りあげると、崩れてしまいます。

ですから、水分で濡れる、熱気で蒸す、身体や髪に付着した汚れを流す、それにより多種多様な汚れが繁殖しやすい「バスルーム」という環境下においては、とても維持管理が難しいと思います。

メイドさんやお手伝いさんが常駐していて毎日欠かさずケアしてくれるなら何とかなるかもしれませんが、大理石の浴室があるからといって、そこまでやらなアカンとは。新築時や内覧時には思わないですよね。今はピカピカ高級感たっぷりだけど数年後こうなるよって知ってか知らずか誰も教えないし。かくして、「困った状況になっている大理石浴室」は、けっこうな数あります。

お伺いしますと、たいてい、大理石浴室のお掃除をされる方ご自身が「どうして掃除してよいか分からぬまま、こうなってしまった」「洗剤やカビ取り剤を使い続けているうち、どんどん汚れが酷くなってしまった」という行き詰まりを感じられています。

大理石のお風呂をお掃除される方へ。日常のお掃除で、ぜひ注意して頂きたいことの一つをここでご紹介。

「酸性もアルカリ性もダメなんでしょう?じゃあ、中性って書いてある洗剤なら大丈夫よね?」とドラッグストアや通販で中性お風呂用洗剤をチョイスされる方が多いのですが、これはいけません。

日本の洗剤ほぼ全てにおいては「金属封鎖剤」という添加物が入っています。水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル(金属)を封じ込めて(封鎖)、洗剤の働きをより効率的にさせる目的で添加されています。これ、大理石にとって、変質の大きな原因となります。まめに掃除すればするほど、大理石のタイルがモヤモヤに黒ずむ。そんなの、あまりにも悲しいではないですか。

※なお、ウォッシュテックおそうじセットは、大理石にもダメージを与えないお掃除ができます。お困りの方はどうぞ。

実はこのこと、ハウスクリーニングでメシを喰っている業者ですら知らないことが多いです。大理石もユニットバスも同じ料金、同じ方法で清掃する業者に頼んだら、汚れは全く取れずヘンな仕上がりになったことがあって...。と、以前の失敗談を語られるお客様がたまにいらっしゃいます。お気を付けください。

浴室クリーニング後。かくして、大理石の浴室タイルは、このように。

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大理石独特の、とろりと優しい質感です。灰色がかっていたモヤモヤが見えなくなり、照明がつるりと映り込んでいます。

「わぁっ...きもちいい」と、タイルを触りながら、お客様。

石材クリーニングを謳う清掃業者の中には、磨いたり汚れを取り除く作業をそこそこに終えたり、磨く技術の低さを隠すため表面にマニキュアのようにシリコンをコーティングして隠蔽、数年後、劣化して変色したシリコンがボロボロ剥がれてきて酷いことに...ということも多いです。ウォッシュテックでは、大理石は基本的に「すっぴん」「ニュートラル」な状態が最も健全で長持ちすると考えますので、磨きの技術を非常に重視しております。磨きを一所懸命に頑張るので、浴室クリーニングの仕上げ、乾いた布で拭き上げた後のお納め時、すぐにお触りのうえ、ご感想を頂けるというわけです。

今までに受けてきたダメージの深さによって、どの程度まで大理石本来の滑らかさを取り戻せるかは、正直、磨いてみなければ分かりません。そのため「新築同様、今まで何もなかったかのような仕上がりはお約束できかねます」と必ずお伝えし、ご了承頂いた場合のみお引き受けさせて頂いております。信頼してご依頼いただけたなら、あとは、全力で頑張るのみです。

儲け心で「そこそこテキトーに済ます」ってなイイカゲンな気持ちで始めたら、大理石は決して輝きを取り戻さない。ユニットバスと比べて工程が多く、機器も多種使い、それぞれ重くて疲れますから、事故の危険も高まります。常に緊張、常に全身全霊でやって、丁度「ふーやれやれ、何とか今日も無事にお納めできた、でも、大理石って深いなぁ...」というあんばいです。

壁に重い機械を持ち上げ、均一にゆっくりと押し当て、何度も工程を重ねて磨き上げてゆく作業は、おそらく、腕や胸の筋骨隆々、身長183センチの社長にしかできないと思います。知識と経験、そして体躯。それは、誰にでも備わっているものではありません。

大理石はほんとうに大変で難しい。でも、困って困って、悩んで悩んで、調べて見つけて、エイヤっと信じて頼んでくださるお客様のためなら、えーんやこーら!です。

2013年11月 5日

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