東京都内タワーマンション、浴室クリーニング。
排水口、エプロン内部、浴槽下に続いて、ドアを見てみます。
扉下部のスリットが目詰まりを起こしています。都心部にあるタワーマンションの浴室扉は、パサパサふわふわしたハウスダスト・ホコリ・カビの類だけでなく、近隣の高速道路や幹線道路から入り込む排気ガスによる油性の汚れも含んでいるため、ネバネバと隙間に張り付くように入り込んでおり、ご自身ではお掃除しにくい状況です。
扉を持ち上げて外し、浴室内へ。まずは、洗剤で油分を緩ませて、扉の隙間部分からドサッと出てきた汚れ。
更に、様々な角度から目視しながら、手作業でほじくり出します。洗剤や機械の性能云々ではなく、結局は、このようなチマチマした手と目を使う根気が要る作業なのね。変な姿勢で、とっても疲れるそうです。
扉のスリットは、カビや排気ガスで油っぽくなったホコリなどの汚れでほぼ全て塞がっており、外気が浴室内に流れ込むことなく、浴室換気扇が効率よく動作していない状況となっていることが分かりました。
このように、ドアの下の隙間が詰まっていると、早急に温度や水分を排出できずに浴室内にこもらせてしまって、室内全体のカビ繁殖を促す原因となるんです。
様々な溝や隙間が詰まってしまい、流れず移動せず滞って溜まって、殖えて、バスルーム全体にカビや汚れは広がろうとしていた。カビやニュルニュルや黒ずみが、目に付く表面まで広がり迫ってきていた。そして、見えてる表面のところだけを、必死にお掃除して対処されていた。ということが、ふだん見えない箇所、触りたくない箇所、入り組んで外しにくい箇所に真剣に手を入れてみて初めて、明らかになりました。
このような、おそらく女性一人ではできないであろうダイナミックな掃除こそが「大掃除」だと思います。そして、自分では気づかない汚れの原因を明らかにし、根幹から対策をすることが「大掃除」だと思います。
そのように考えているので、「たかだかお風呂掃除」と言われる浴室クリーニング一回に、社長は4〜5時間を掛けています。パッと見た目、わりかしキレイな浴室であっても、今回のように「実際、中はどうでしょう」な状況が多々ありますから、どちらの浴室でも必ず同じ工程を踏みます。今回3回に亘って少し詳しくご紹介しましたが、もちろん、この他にも、写真に撮ると全てブレブレになるくらいのスピード感で、幾つも幾つもの作業を積み重ねています。そうして初めて、お客様から「わぁ!雰囲気が全く違う」と驚いて頂ける仕上がりになるんだなぁと、毎回実感します。
目の前に出てきてる黒カビを頑張って落としてみることが大掃除、それもアリ。毎日チョコチョコ10分の掃除を自分でやるから大掃除は要らない、それもアリ。しかし、実際に社長の浴室クリーニングの作業工程を数多く見ていると、「これこそが大掃除。こんなこと、めまぐるしい日常生活の中で出来るだろうか。できない方は困られているだろう。パッと見た目や表面上だけでない、住まいの中にある本当の汚れを、もっと知っていただきたい。知って頼んで、もっと楽になっていただきたい」と、思うのです。
最後に、浴室ハウスクリーニング後の写真で締めくくります。
閉ざされて見えない箇所だけでなく、もちろん表面に見えている、ステンレス水栓、浴槽、床、壁、鏡、扉も収納棚も、くすみ・曇り・濁りが無くなり、艶やかで清潔、ニュートラルな質感になっています。
今回のお客様は、排水口付近やエプロン内部の汚れに関して、ほぼ全く認識されておりませんでした。ですから、お引渡し時、見かけ全体の印象がズバ抜けて変わっていないことに、一瞬「?」という感じの反応をされていました。
しかし、実際に浴室内から回収された握りこぶし大の汚れ入りレジ袋をご覧になり「えーっ」と驚かれ、換気扇を稼動させたとき浴室扉から内部に抜けてくる外気のそよぎを感じられ、浴室換気扇の吸い込みの軽快な稼動音を聴かれて、「わーっ」と驚かれ、そこで「全く変わりました!そういえば、鏡も蛇口もピカピカだし、床も足触りが違う」と、ご感想くださいました。違いは、「見た目」だけでなく、五感で判断されるんですね。
今ある設備や装置を、しっかり長く生かしてゆかれたいならば、いっぺん、大掃除、されてみてください。