東京都目黒区のマンション。ご入居前の空き室ハウスクリーニングの一環、土足歩行の玄関たたきに張られた石灰岩のクリーニングとフッ素コーティング。
マンションのドアを開けると、個性的なデザインのタイル。タイルは、石灰岩で出来ています。
石灰岩とは、サンゴや貝殻などが堆積してできた炭酸カルシウムを50%以上含む天然石のこと。
イメージとしては、白墨(チョーク)に近いでしょうか。爪と同じくらいの硬さで非常に柔らかく、もろく、軽い。スポンジのように穴ぼこで、水も汚れも吸い込みやすく取り出しにくい。たとえばレモン汁のような酸性の液体に触れるとシュワシュワ〜と溶けてしまう。かといってアルカリ性の液体に触れると変色してしまう。
そういう性質の石なので、本来、床に使うには適していません。特に、土足で歩行することが考えられる玄関から廊下には。
でも、オシャレだからね!あと、わりかし安価だから!デザイナーの方は、ライムストーンが大好きなようで、東京や横浜には、たまにこういう床もあるのです。
上記のとおり、柔らかで変質しやすい石ですから、ガンガン擦ってブラッシングもできません。酸性の洗剤も、アルカリ性の洗剤も使えません。汚れを、どのように浮かし、回収するか。
実際に住む方のお掃除もハウスクリーニングも、とても難しいのです。この石の床は、本当に難問です。
新築時は、まろやかなクリーム色で温かな質感だったかと思うのですが、水拭き掃除を日常的なお掃除で繰り返し、致命的な汚れは見当たらないものの、全体に黒ずみ、何となくどんよりと暗いイメージです。表面は、石灰岩本来のマットな感触ではなく、若干ベタベタとしています。
このライムストーンをクリーニングし、汚れを含む水分が石灰岩の深部に染み込まないよう、フッ素でコーティングしていきます。クリーニングとコーティング後の写真は、こちら↓。