奥様ターゲットの番組や雑誌を見ると、たまにお掃除特集があります。「尿石で汚れた便器をキレイに磨く」「黒カビを取る」のような「頑固になって取れない汚れをいかに取るか」を、ほんの数分、ほんの1/4ページくらいでレクチャーしてあります。
必ず小さな字で「傷つく場合があります」「落ちないことがあります」という注釈が入っています。そして、ほとんどの場合、水で濡れたまま撮影されていたり、いい感じの照明、いい感じの引きで撮影されています。水に濡れていると、粗いスポンジや固い道具で力いっぱい擦って細かいキズキズになった跡も、取りきれていないマットな質感で白いウロコのような水垢も、はっきり見えません。撮影には、あらゆる物を美しく旨そうに撮るためバッキバキにチューンナップした照明やレンズが使われているので、どうしても粗が隠れて美しく見えてしまうのかもしれません。
(1)頑固な汚れを短時間で取ると言っておいて、本当には取れていない。
(2)私の家にとって「傷つくのかどうか」「落ちるのかどうか」本当のところを何も言ってない。
(3)1と2を深く突っ込まれないよう、事前に対策している。
番組や雑誌を作る人も見る人も気にしていないでも、私は、この3点、仕事上とても気になります。「これをやったって落ちない。危ない。掃除上手ではない」「この特集を作った人の家は、どうなっているのだ」と思います。しかし、多くの人に向けて、「だいたい、合ってる」と思われることを発信せねばならないのだから、しょうがありません。ならば、情報の受け手側が変わったらいいのかな、と思います。
自分の家に常備している洗剤と道具で根気強く掃除して、それで取れない落ちない汚れは、ご自分ではキレイにできません。ここはキッパリ!断言です。無理したって、いいことありません。「そんなことない!掃除って誰にでもチャチャっとできることなんだから!」と、調べて時間と手間かけて道具や洗剤を買ったりして擦って傷だらけにして劣化させて早くダメにしたら、いろいろ損です。
落ちない理由は簡単で、作業時間も機材装備も少なすぎるんです。その汚れを落とすために、ハウスクリーニングでは何段階もステップを踏み、多種多様な機材洗剤道具を駆使します。こうやって、こうやるだけで、はーいキレイに戻りましたーってふうには、なんないです。そういうふうに見せることはできますが、必ず、乾くと見える、時間が経つと分かる。
「落ちない」「取れない」汚れを自力でナントカできると思ってナントカするのを、早々に諦めて頂きたいのです。
プロに直してもらわないといけないレベルに到達した、と早めに渡して頂きたいのです。
そして、取れない汚れを「落とす」掃除でなく、取れない汚れを「付けない」掃除へ。と、シフトして頂きたい。
ウォッシュテックでは、ハウスクリーニングで「落ちない・取れない汚れ」をリセットさせていただいた箇所に関して、例えば、「このタイルは、こういうふうに汚れやすいです。この程度までならば、こうすれば落ちますが、このくらいまで汚れたらご自分では落とせないので、こういう工夫をして、ここまでにいかないようにしてください。それが無理ならば、これとこれだけは習慣づけてみてください」というようなアドバイスを差し上げています。
特に、このところ、大理石などの天然石、ユニットバスの床・浴槽・壁・カウンター、人造大理石の洗面カウンター、合板フローリングなど、20世紀末よりも管理がぐっと難しい水回り、床材が増えています。建材、素材も多種多様、そのマンションのみでしか無いOEMの設備や内装も増えています。
私の家だけに適合する、物が長持ちして、なるべく楽で実がある掃除方法。5年後10年後、お隣の家と大きく差がつく掃除。
私どもも、実際に汚れた状態を拝見して、触って、きれいにしてみないと、それが分かりません。イジワルをしているわけじゃないんです(笑)、ご依頼いただかないと、お答えすることができませんので、なにとぞご検討よろしくお願いします!