換気扇の多くはドラム式で、円柱型のスリットがあるファンが回転して排気する仕組みになってます。
換気扇のハウスクリーニングにおいては、ファンの形状が入り組んでいることから、洗剤に漬け込み、汚れをふやかし柔らかくしてから、続けて手作業で洗います。
シロッコファンやフィルタなどのパーツを漬け込む際、多くのハウスクリーニング業者は、強いアルカリ性の薬剤を使用します。
酸性の油脂汚れとアルカリを化合させて除去する。換気扇のように強い油汚れに対処するには、相応して高濃度のアルカリ性洗剤を使わねばならない、という考えです。
このところ、換気扇のハウスクリーニング価格はとても下がっています。マンション管理組合の名義で居住者に一斉に斡旋チラシが入ったり、清掃業者以外の企業がハウスクリーニングを紹介する場合の価格(お客様がハウスクリーニング料金として支払う価格)相場は6000〜10000円。仲介業者へのマージン(お客様紹介料)をさっぴいて実際に業者が得る収入は3000〜7000円程度。そこから、交通費、車の維持費、打ち合わせに要した通信費、担当者へのキックバック、その他もろもろの必要経費を引くと、手取りはほんのわずかです。とすると、いかに安い材料費で早く納めるか、一日あたり何台の換気扇クリーニングをこなせるかが「勝負!」です。
安価な劇薬である水酸化ナトリウムをドバッと加えて、ジュワッと一気に油を溶かして、硬いブラシでガガッと擦って、サッと填めて、さぁ、次の現場に…となっても仕方ない。
換気扇の塗装がパサパサに傷んでも、金属の質感が白く粉をふいて錆びたように変質しても、仕方ない。
変質によってできた凹凸に今後さらに汚れが食い込んでしまっても、表面の保護力が劣化して弱っても、仕方ない。
清掃業者を自分で探して選ぶのは難しいから、管理会社や別の業者から紹介されたハウスクリーニング業者が安心だ。でも、高いお金は払いたくない。
そういうニーズに応えた方法が「強アルカリにドボン、換気扇パサパサ」方式。現状、主流でありスタンダードになっているのですから、私はそれが悪いこととは全く思いません。
しかし、「このまま傷めつけるハウスクリーニングを続けていいのだろうか。仕方ない、で終わっていいのかな」と考えるのでした。