一雨一雨、深まる秋。間もなく暖房をONにする季節がやってきます。
窓枠。暖房。と、きたら「結露」。
和室でお布団しいて、家族そろって、おやすみなさーい。朝起きたら、ガラス窓、水滴がダッラー。垂れてきた結露で、白木の窓枠、黒ずみがジワー。繰り返すうちに、ほんのりカビっぽい感じ…。
そこで有効なのが、「白木のあく洗い」というテクニックです。「あく洗い」とは、ニスや塗装がされていない木材を繊維に沿って丸洗いする作業です。
「あく」は「灰汁」と書きます。日本の建築物では、木材がふんだんに使用されていました。寺社仏閣、住宅、関わりなく。木材を洗う専門職の方を「洗い屋」と呼びました。で、かつての伝統的な洗浄方法では、灰汁を水に溶いて使いました。灰汁はアルカリ性です。酸性の木に染みた汚れをアルカリ性で浮かばせて溶かして流すわけです。
時代が進むにつれ、徐々に苛性ソーダなどの強いアルカリ性に移行。煙が上がるほどの劇薬を駆使して、いかに木材にダメージを与えず汚れだけを取り去るか、そこが職人の腕の見せ所となりました。
社長は若い頃、京都のある有名な洗い屋の師に憧れたことがあり、弟子入り志願をしたのですが、「もう年やさけ、人を育てる時間あらへん。だいいち、もう洗い屋なんて、仕事あらへんよ。そやし息子にも継がしてない」とお断りされたことがあります。
そんな出来事があり、白木のあく洗いの技法には創業当初から思い入れや興味があったんですね。あく洗い単独の施工例ページを作るくらいの実績があります。
そして今。ウォッシュテックでは、世界照準で洗剤を選び、入手、採用できるようになったことで、アルカリ性の洗浄力に頼らなくともかなり洗えるように進化しました。
アルカリ性は、木材の繊維を破壊します。どんなに注意深く作業をしても、触れるとカサカサに毛羽立たせたり、白くフガフガに変色させたり。
中性に近い洗剤を使い、かつてより培ってきた木材への馴染ませ方や濯ぎ方を活かせば、ダメージを最小限に、最大限の結果を得ることができるのです。
さらさらの質感、すっきりと滑らかで清潔に洗い上がりました。
あく洗いにはササラという道具を使う事が多いのですが、これは鉄鍋を洗うような粗いササラでは使い物になりません。細かな、まるで茶道具のような繊細で密なササラを使います。なんと社長、竹を研いで手作りするのです。研いで、束にまとめて、ゆるく紐で縛る。持って撫でる動きが、より繊細に木目に届くように。新しい技術を追い求めつつ、優れた伝統的な技術も活かしたい。とのことです。